不動産買取でのトラブル事例は?トラブルに合わないための対策

所有する不動産の売却を検討している場合、買取を選ぶ方も多いでしょう。買取は不動産を早く売りたい方にとっては便利な方法です。しかし、不動産買取では高額な費用を請求されたり、悪質な業者と契約してしまったりといったトラブルが発生することもあります。
トラブルを避けるためにはどういった事例があるのかを把握し、対策を知っておくことが大切です。この記事では、不動産買取におけるトラブルの事例やその対策、買取業者を選ぶ際の注意点などを解説します。

目次

不動産買取とは

  • 不動産買取とは
  • 売却したい不動産を買取業者に直接買い取ってもらう方法が不動産買取です。買取業者は、売主から買い取った不動産をリフォーム、あるいはリノベーションをして再度販売します。
    買取は売却まで比較的短期間で済むのがメリットで、早くて1週間〜1か月ほどでの売却が可能です。
    具体的なトラブルの事例を確認する前に、まずは不動産買取の流れや特徴、種類を以下で確認しておきましょう。

  • 不動産買取の流れ

    基本的な不動産買取の流れは次の通りです。

    1.必要な書類の準備をする
    固定資産税評価証明書や印鑑証明書、運転免許証などの本人確認書類といった買取に必要な書類を用意しておくと、売却がスムーズです。物件の種類で準備する書類が異なります。

    2.買取価格の相場を調べる
    価格相場を事前に調べておくことで、業者から提示される査定額が適切な範囲かどうか参考になるでしょう。

    3.査定を依頼する
    1社だけでなく、3〜4社の複数の業者に査定を依頼すると、買取価格の比較ができます。

    4.査定額を確認して業者を決める
    提示される査定額に納得できたら、売却先の業者を決めましょう。

    5.取引の条件を確認して契約を結ぶ
    家具や空調設備などは残したままにできるか、引き渡し日や入金日を業者に確認し、契約を結びます。

    6.不動産を引き渡して入金を確認する
    契約締結後に不動産を引き渡し、入金を確認します。入金日は基本的に引き渡し日と同じです。

  • 「買取」と「仲介」の違い

    不動産の売却方法には、買取の他に不動産仲介があります。仲介は、不動産会社に売却を依頼して不動産の買主を探してもらう方法です。実際の不動産買取では、買取よりも仲介での取引が多く見られます。
    買取と仲介の違いは、仲介手数料の有無や売却までの期間、売却価格などです。仲介では仲介手数料がかかり、売却までの期間も買取より長くかかります。売却価格について、買取は相場価格よりも2〜3割程度安くなることが多い反面、仲介のほとんどは市場価格です。
    このことから、仲介は時間がかかっても高めに売却したいと考えている方に向いています。

  • 買取には「買取保証」もある

    不動産買取の種類は、即時買取と買取保証の2つです。買取保証は、売却したい不動産が決まった日までに売れなかった場合に、仲介している不動産会社や買取業者が買い取る方法を指します。
    買取の基本は即時買取ですが、買取保証を取り扱っている業者もいます。買取保証では、買取と仲介両方の長所を活用できるのがメリットです。仲介での売却がうまく進めば希望の条件で売れる可能性が高く、買主が決まらなかった場合は不動産会社に買い取ってもらえます。

不動産買取におけるトラブルの事例

  • 不動産買取におけるトラブルの事例
  • 不動産買取では、悪質な買取業者と契約することでトラブルに発展するケースが多く見られます。不動産買取でトラブルに遭わないためには、具体的にどういったトラブルの事例があるのかを把握しておくことが大切です。
    ここでは、不動産買取におけるトラブルの事例を8つ紹介します。

  • 悪徳な不動産買取業者と契約してしまった

    不動産買取業者の中には、悪質な手口で騙そうとする業者も存在します。悪徳業者と判断できる手口は主に以下のような行為です。

    ・不当な費用を請求してくる
    ・査定した金額よりも低い価格で引き渡しを要求している
    ・代金を支払う前に所有権移転登記を要求してくる
    ・強引に契約を結ぼうとしてくる
    ・換金ができない小切手で支払おうとしてくる

    上記は一部の手口ですが、こういったやり方をしてくる業者には注意しましょう。不動産買取の査定を依頼する際は、全体的な売却の流れを確認しておくことが重要です。

  • 内容をよく確認せずに契約してしまった

    不動産買取の契約は内容が複雑であることも多く、契約書には見慣れない言葉も出てきますが、取引の内容はきちんと確認しなければなりません。内容をよく理解せずに契約してしまうことによって、トラブルを招いてしまう恐れがあります。
    悪質な買取業者だと、売主側が損をする内容の契約になっているケースも少なくありません。不利な立場にならないためには、契約内容はしっかりと確認して、渡される書類もよく読んでおく必要があります。

  • 相場よりも買取金額を低くされた

    不動産買取の相場は、仲介の相場よりも低くなるのが特徴です。仲介での価格の6〜8割程度と見てよいでしょう。
    事前に価格相場を確認せず買取査定を依頼してしまうと、相場より低い査定額を提示されても気付かないことがあります。こういった状況を利用した業者が、査定額を意図的に低くして買い叩こうとするのです。
    相場から見て査定額が適切かどうかは、売却前に価格相場をチェックしておくことで判断できるため、売却したい不動産がある地域周辺の相場を確認しましょう。

  • 強引な営業や囲い込みをされた

    買取業者の強引な営業や囲い込みによって、安く買い叩かれてしまうトラブルがあります。囲い込みとは、不動産の売却依頼を受けた業者が、不動産の購入を検討している人に対して、すでに申し込みが済んでいるなどと嘘を伝える行為です。
    業者は、囲い込みを行って売主を自社買取へ誘導します。不動産買取の営業が強引である場合は注意が必要です。

  • 高額な費用や手数料を請求された

    悪質な業者だと、不動産買取の契約後に説明されていない費用を請求してくるケースがあります。例えば、物件に残したままにしている残置物や不用品の処分費用などです。残置物や不用品を残したまま買取をしてくれる業者も存在しますが、これらの処分費用が買取価格に含まれているか、別で必要になるのか確認したほうがトラブルを避けられます。
    また、買取は仲介が行われないため仲介手数料が発生しません。それでも何かしらの理由を付けて仲介手数料を請求された場合は、悪質な業者である恐れがあります。

  • 契約後に査定価格を下げられた

    不動産買取では、提示された査定額のまま契約されるのが原則です。しかし、契約内容に合意して契約した後に、査定価格を下げられてしまうトラブルも存在します。
    また、相場よりも高めの査定額を提示された場合も注意しましょう。最初に高い査定額を出しておいて、後から値下げしてくるケースがあるためです。
    契約後に価格を下げられることがないか、見極めることが大切です。

  • 小切手での支払いを要求してきた

    以前の不動産取引では小切手が使われる機会も多くありましたが、現在は銀行振込が主流です。小切手自体に問題はありませんが、不動産買取の支払いで業者が小切手を渡してくる場合、不渡りで小切手を使用できなくしてくる手口も見られます。
    小切手での支払いは、どんな理由があっても避けた方が無難です。業者が小切手での支払いを要求してきた際は、銀行振込での支払いを依頼しましょう。

  • 損害賠償を請求された

    不動産買取の多くは、売主の契約不適合責任は免責されます。契約不適合責任とは、不動産売買において取引対象の不動産が、契約した内容と品質や種類が合っていない際に買主に対して負わなければならない責任です。
    不動産仲介では契約不適合責任が免責されないため、損害賠償を請求される場合があります。しかし、買取の場合は前述の通り契約不適合責任が免責されるため、損害賠償を請求されるケースは基本的にありません。
    売主が負う契約不適合責任を免責するかどうかは、買取業者次第です。そのため、契約不適合責任に関しては契約時に必ず確認しましょう。

不動産買取におけるトラブルを避けるには

  • 不動産買取におけるトラブルを避けるには
  • 不動産買取ではさまざまなトラブルが発生するため、安全かつスムーズに買取を進めるためにもどのような対策があるかを把握しておきましょう。
    ここでは、不動産買取でのトラブルを避けるために取り組みやすい対策を8つ解説します。

  • 売却価格の相場を調べておく

    買取での査定額が相場から見て適切であるかどうかは、売主自身で価格相場を確認しておかなければ判断できません。売却の相場を調べた際の価格は、買取ではなく仲介で取り引きされた場合の価格です。基本的に、不動産買取の価格は仲介の7割ほどになります。そのため、調べた相場の7割程度が買取の相場価格になることに注意しましょう。

    この他、国土交通省が運営する「不動産情報ライブラリ」というサイトでも、不動産の取引価格を含めた不動産に関する情報を閲覧できます。

  • 不動産買取業者の口コミや評判を確認する

    査定を依頼したい買取業者が安心して取引ができる相手なのか、口コミサイトで評判を確認したり、業者のホームページで情報を集めたりしましょう。

    口コミでは、実際に業者と取引した人の意見や感想がわかります。また、業者の実績や会社の規模、社歴なども取引するうえでは重要な要素です。こういった基本的な情報は、業者のホームページで閲覧できます。
    業者の概要や口コミでの評判をよく確認して、取引が信頼できるかどうかを判断しましょう。

  • 契約内容を確認してやり取りを書面化する

    不動産買取では査定依頼から契約締結、引き渡しまでの流れがあり、その中では打ち合わせや連絡が数多く行われます。口頭での説明もあるため、契約に付随する内容のものは細かく確認し、やり取りは書面にして残しておくことが重要です。

    書面化しておけば、何かトラブルが起きても証拠として利用できます。メールやメモなどを活用し、文字にしてやり取りを残しておきましょう。

  • 不動産買取業者の話を鵜吞みにしない

    不動産買取業者の中には、巧みな営業トークで騙そうとしてくる悪質なところもあります。全てが問題のある業者ではありませんが、営業担当の話はそのまま鵜呑みにしないようにしましょう。特に、売主のメリットのみを強調してデメリットを説明しないような業者は危険です。

    また、買取業者に売却の全てを任せきりにするのもトラブルを招く恐れがあります。契約書をよく読み込む、打ち合わせや連絡の際はメモを残すなど、できることは自身で対応するようにしましょう。

  • 「国土交通省ネガティブ情報等検索サイト」を活用する

    国土交通省ネガティブ情報等検索サイトでは、国土交通省所管の事業者が過去に行政処分を受けた経歴があるかどうかを検索できます。業者の名前だけでなく、行政処分を受けた日付や処分の種類などでも検索が可能です。取引する業者に不安がある場合は、査定を依頼する前にこのサイトを活用して調べておくとよいでしょう。

    過去に行政処分を受けた業者でも、改善に努め現在は問題なく運営しているところもあります。そのため、行政処分を受けた日付は必ず確認し、直近で処分を受けている業者に関しては取引を避けるのが無難です。

  • 「不動産トラブル事例データベース」を利用する

    国土交通省では、前述したネガティブ情報等検索サイトの他に、不動産トラブル事例データベースも運営しています。このサイトは、これまでに起きた不動産取引でのトラブルにおいて、業者が受けた行政処分や裁判事例などが掲載されているのが特徴です。

    不動産トラブル事例データベースを活用することで、どういったトラブルが起きたのかが細かくわかります。トラブルの事例とその判決を把握できるため、対策案も増やせるでしょう。

  • 小切手での支払い対応は避ける

    現在、不動産取引では小切手ではなく銀行振込が主流です。先にも述べたように、取引相手が小切手での支払いにこだわる場合は、悪質な業者である可能性が高いでしょう。
    業者が支払いに小切手払いを要求してきた際は、まずは銀行振込での支払いを依頼します。銀行振込を拒否してくるのであれば、取引は避けましょう。

  • 複数の不動産買取業者に査定をしてもらう

    不動産買取を行う際は、1社だけでなく複数の買取業者に査定を依頼しましょう。買取の価格相場がどのくらいか見当が付きにくい場合でも、複数社で査定を取ればおおよその相場を把握できるためです。また、複数社に査定依頼すれば、1社からの囲い込みを防止できます。

    それぞれの業者から提示された査定額を比較した時に、極端に価格が高い業者があれば、後から減額されるリスクがあるため注意しましょう。

不動産買取でトラブルが起きた時の相談先

  • 不動産買取でトラブルが起きた時の相談先
  • トラブルに遭わないための対策を講じても、何かしらの問題に巻き込まれてしまうケースもあります。万が一に備えて、不動産買取でトラブルが発生した際の相談先を確認しておくと安心です。
    ここでは、トラブルに巻き込まれてしまった場合の相談先を6つ紹介します。

  • 自治体の相談窓口

    不動産買取で起きたトラブルは、自治体に設けられている消費者生活相談窓口で無料で相談できます。窓口では弁護士といった専門家に相談できるケースもありますが、日程調整のために予約が必要な場合もあります。相談窓口については、それぞれ自治体のホームページなどで確認してみてください。

  • 都道府県の宅地建物取引業を主管する部署

    不動産買取を取り扱っている業者は、宅地建物取引業法に基づいて許可を得ている事業者です。そのため、各都道府県には宅地建物取引業を主管している部署が設置されています。

    不動産買取業者との取引によるトラブルが発生した場合、まずは都道府県の宅地建物取引業を主管する部署に相談してみましょう。解決のためのアドバイスだけでなく、部署での解決が難しい時は適切な相談先を教えてもらえます。

  • 不動産適正取引推進機構

    一般財団法人の不動産適正取引推進機構でも、不動産買取のトラブルを相談できます。不動産適正取引推進機構は、不動産取引で発生するトラブルを予防し、トラブルが起きた場合でも適切かつスムーズな処理を行うことに努めている組織です。

    不動産買取を含む取引について、機構の職員による電話相談のみ対応しています。メールや文書などの相談には対応していません。弁護士など専門家への個別斡旋はありませんが、当事者間での調停や仲裁での解決のため、弁護士や不動産取引の専門家が間に入るケースがあります。

  • 全国宅地建物取引業協会連合会

    全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)は、消費者にとって不動産取引が安全に行われるように不動産事業者をサポートしている公益社団法人です。各都道府県に無料相談所が設けられているため、不動産買取でトラブルが発生した際の相談先に適しています。

    全宅連では、不動産買取を含め不動産に関するさまざまな相談を、都道府県宅建協会不動産無料相談として受け付けています。各都道府県によって相談の日時が異なるため、事前に住んでいる都道府県の宅建協会へ電話で確認を取りましょう。

  • 法テラス

    国が設立した法テラスは、法的トラブルの解決を目的とした支援センターです。法テラスのサポートダイヤルでは、電話やメールでの問い合わせに対応しており、内容に応じて相談窓口や相談先の機関、法制度を案内してくれます。

    サポートダイヤルは無料で利用できますが、専門家の紹介は行っていません。各地にある法テラスの事務所では、収入や資産について一定の要件を満たすことで無料の法律相談を行えます。

  • 弁護士や司法書士

    不動産買取では、法的なトラブルが発生するケースもあります。そのような場合は弁護士への相談がおすすめです。弁護士への相談は基本的に有料ですが、自治体によっては無料相談会を設けているところもあります。
    また、登記手続きなどでトラブルが起きた際は司法書士へ相談しましょう。司法書士も弁護士と同様に、自治体で無料相談会が実施されていることがあります。

不動産買取のメリット

  • 不動産買取のメリット
  • 不動産買取にはトラブルが発生するリスクも存在しますが、現金化がスムーズだったり仲介が難しい不動産を売却できたりといったメリットがあります。買取のトラブル事例と一緒に、メリットを6つ押さえておきましょう。

  • すぐに現金化できる

    不動産買取は仲介とは違い、買主を1から探す必要がありません。そのため売却までの期間が短く、まとまった金額を早めに現金化できます。
    現金化がスムーズにできる以外にも、売却価格を早期に把握できることや、売却の計画を立てやすいといった点もメリットです。不動産買取は売却を急いでいる、または売却までに期限がある方に向いています。

  • 仲介手数料が不要

    不動産仲介では、売却の際に不動産会社を仲介して買主と取引を行うため、仲介手数料がかかります。しかし、買取では業者が直接不動産を買い取ることから、仲介手数料が不要です。
    余計な手数料を抑えられるのはメリットといえますが、買取は仲介と比べて売却価格は高くなりません。仲介手数料が発生しないからといって、買取が仲介よりも利点がある売却方法というわけではない点に注意しましょう。

  • 仲介が難しい不動産を売却できる

    不動産仲介での売却が難しい物件でも、買取であれば問題なく売却できるケースがあります。仲介が難しい不動産は主に、築年数が古い物件や事故物件、下水処理場や火葬場といった嫌悪施設が近隣にある物件などです。
    売却まで時間がかからない不動産買取ですが、上記で述べたような特徴を持つ物件を売却したい場合もおすすめといえます。

  • 清掃や修繕の手間が省ける

    不動産仲介で物件を売却する場合は、家の清掃や修繕を行う必要があります。反対に買取では、業者がリフォームを前提として買い取るため、基本的に清掃や修繕は不要です。
    また、業者が残置物を回収してくれる会社と提携しているケースでは、物件の空調設備や照明器具などをそのままにした状態で買い取ってくれるところもあります。残置物がある状態でも業者が買い取ってくれるかどうかは確認が必要です。

  • 周囲に知られずに済む

    不動産を売却する理由は人それぞれですが、中には売却を周囲に知られたくない方もいるでしょう。不動産買取では物件を直接業者が買い取るため、基本的に周囲の人達に物件の売却を知られることはありません。
    一方、仲介では売却物件の情報をホームページで公開したり、広告を出したりと広く宣伝します。誰でも閲覧できる状態で、かつ物件の外観や内装の写真も載るため、周囲の人に不動産を売却しようとしていることがわかってしまう場合があります。

  • 契約不適合責任が免除される

    「契約不適合責任」とは、売却した不動産に対して契約内容にない不具合や瑕疵が発見された場合に、売主が負う責任のことです。従来の「瑕疵担保責任」を基に、2020年4月の民法改正で新しく導入されました。
    不動産仲介では個人が買主になることが多く、基本的に売主は契約不適合責任を負います。反対に、不動産買取は業者を相手に取引を行うため、売主の契約不適合責任が免除されるケースが多く見られます。
    後のトラブル発生を避けるためにも、契約不適合責任が免除されるのかを契約時に確認しましょう。

不動産買取のデメリット

  • 不動産買取のデメリット
  • 通常の不動産買取は、買取ではなく仲介を指します。買取は仲介よりも事例が少ないことが特徴ですが、それは以下のようなデメリットがあるためです。

  • 売却価格が仲介よりも安くなる

    買取は仲介に比べて、不動産の売却価格が安くなるのが特徴です。実際の売却価格は、仲介の7割程度と見てよいでしょう。
    仲介よりも売却価格が下がる理由は、買取業者が買い取った不動産をリフォーム、あるいはリノベーションして再販売するためです。再販売のためにかかるこれらの費用を、価格から差し引くため仲介よりも売却価格が安く設定されます。

  • 売却時に諸費用や税金がかかる

    不動産買取では基本的に仲介手数料はかかりません。しかし、売却時には仲介と同様に諸費用や税金が発生します。具体的には、不動産登記の費用や印紙代、所得税や住民税などです。
    状況によって、発生する諸費用や税金は異なります。どの費用がいくらかかるのか、契約前に確認しておきましょう。

  • 買取を行っている不動産会社が限られる

    不動産買取は通常、仲介を指すことは前述した通りです。買取を扱っている業者は、仲介を扱う業者に比べて数が少なく、希望する条件に合う業者を探そうとするとなかなか見つからないケースもあります。特に、地方で買取を扱う業者を探す時は苦労するかもしれません。

  • 買取の対象にならないケースがある

    買取の際は、業者の買取対象にならない不動産があることに注意しましょう。業者は、買い取った不動産をリフォームやリノベーションを行って再販売します。そのため、リフォームやリノベーションが難しい物件や、法律の制限で再建築が不可といった物件は買取を行わないケースがあるのです。
    また、買取を取り扱っている業者でも、買取対象がマンションのみで一戸建ては扱わないところも存在します。売却したい不動産について、物件の種類を考慮して買取業者を選ばなければなりません。

  • ローンは完済する必要がある

    買取・仲介に関係なく、不動産の売却時は抵当権の抹消のため、住宅ローンを完済しておく必要があります。抵当権とは、住宅ローンの返済が難しい場合に金融機関が不動産を担保できる権利で、ローン残債があると抵当権を抹消できません。

    通常、抵当権の抹消には売却金額を住宅ローンに充てて完済します。抵当権が抹消されないまま残っている物件は、金融機関が競売にかけてしまう恐れがあるため、買主が付かないことがあります。

不動産買取業者を選ぶ際の注意点

  • 不動産買取業者を選ぶ際の注意点
  • 安心安全に不動産買取を進めるには、信頼できる買取業者を選ばなければなりません。業者を選ぶ際の注意点として、5つのポイントを押さえておきましょう。

  • 評判が良く安定した実績があるか

    買取を依頼する際は、業者の評判と実績の確認が大切です。インターネットでの口コミやレビューを見て、悪い評判がないかをチェックしましょう。買取実績は、業者がホームページで公開している情報を確認します。
    評判が良く安定した実績があることを把握できれば、安心して取引できる業者である可能性があります。

  • 説明が丁寧か

    信頼できる優良な業者の特徴として、売却取引に関する説明が詳しく丁寧であることが挙げられます。
    見積もりや手数料などの費用について、どういった根拠で算出されているのかを、わかりやすく明確に説明してくれる業者を選ぶようにしましょう。

  • 担当者は親身に対応してくれるか

    売却取引の担当者が、親身に対応してくれるかどうかも大切なポイントです。会社の規模が大きく実績が豊富な業者であっても、担当者が不親切だと安心して取引を進められません。
    不動産買取では、売主側の話や要望をしっかりと親身に聞いてくれる担当者がいる業者を選ぶことが重要です。

  • 迅速に対応してくれるか

    不動産買取を進めるうえでは、迅速な意思決定と行動が必要です。素早い対応ができる業者と取引することで、スムーズに売却を進められるでしょう。
    急な問い合わせでも即座に対応してくれる業者は、顧客のニーズに応えようとする姿勢が感じられます。柔軟で迅速な対応が可能かどうかは、業者の質を把握するための指標になるでしょう。

  • 地域性を理解しているか

    地域性を理解している買取業者は、地域の不動産市場や需要と供給を熟知しています。そのため、相場に適した価格設定を提案してくれます。
    売却したい不動産がある地域の特徴を十分に理解している業者に依頼することで、相場の適正価格で買取を進められるでしょう。

まとめ

  • まとめ
  • 不動産買取で物件を売却しようとした時、悪質な業者と売却契約を結んでしまう、契約後に査定額を下げられるといったトラブルが起きるケースも少なくありません。
    こういったトラブルに遭わないためには、複数の業者に査定を依頼したり、事前に価格相場を確認したりなどの対策が有効です。
    トラブルに巻き込まれてしまった場合は専門的な機関や窓口に相談し、早急な解決を進めていきましょう。

FAQ

  • Qアイコン 不動産買取とは何ですか?

    売却したい不動産を買取業者に直接買い取ってもらう方法が不動産買取です。買取業者は、売主から買い取った不動産をリフォーム、あるいはリノベーションをして再度販売します。

  • Qアイコン 「買取」と「仲介」の違いについて教えてください。

    買取と仲介の違いは、仲介手数料の有無や売却までの期間、売却価格などです。仲介では仲介手数料がかかり、売却までの期間も買取より長くかかります。売却価格について、買取は相場価格よりも2〜3割程度安くなることが多い反面、仲介のほとんどは市場価格です。

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アレップス コンテンツ編集部

アレップス コンテンツ編集部では、アパート経営や不動産投資に関するお悩みを解決すべく日夜スタッフが情報の最新かつ濃密な記事の発信を行っています!

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