サラリーマンの不動産投資は失敗しやすい?実際の事例と対策を紹介
現在、サラリーマンで副業する方は少なくないでしょう。その中でも、不動産投資による不労所得は一見、苦労も少なく魅力的に映るかもしれません。確かに、十分な不動産投資への知識と適切な利益獲得の方法を把握していれば、毎日が忙しいサラリーマンの副業としてはピッタリといえるでしょう。しかし、「サラリーマンの不動産投資はやめておいた方がよい」という声もあります。
本記事では、サラリーマンの不動産投資における実際の失敗事例を紹介しつつ、不動産投資で成功するためにはどうすればよいのか解説します。また、最後に、サラリーマンの不動産投資で知っておきたいQ&Aも紹介しているので、これから不動産投資を検討しているサラリーマンの方は併せて参考にしてみてください。2024年現在、サラリーマンで副業する方は少なくないでしょう。その中でも、不動産投資による不労所得は一見、苦労も少なく魅力的に映るかもしれません。確かに、十分な不動産投資への知識と適切な利益獲得の方法を把握していれば、毎日が忙しいサラリーマンの副業としてはピッタリといえるでしょう。しかし、「サラリーマンの不動産投資はやめておいた方がよい」という声もあります。
目次
- 1 サラリーマンの不動産投資が失敗しやすいと思われる理由
- 2 サラリーマンの不動産投資における失敗事例
- 2.1 海外転勤で節税効果を得られなかった
- 2.2 新築ワンルームマンションを購入してむしろ出費がかさんだ
- 2.3 不動産業者の不正に手を貸す結果になってしまった
- 2.4 中古のワンルームマンション購入でキャッシュフローが得られなかった
- 2.5 住宅ローンの繰上返済で資金不足に陥ってしまった
- 2.6 不動産業者の言葉を鵜呑みにしてしまった
- 2.7 都合の良い予測を立ててしまった
- 2.8 利回りだけに着目して出費がかさんでしまった
- 2.9 想定外の入居者によって費用がかさんだ
- 2.10 社会人になってすぐに投資を行ってしまった
- 2.11 シミュレーションが不足していた
- 2.12 短期的な利益を追求してしまった
- 2.13 自己資金なしでも“FIRE”できるという言葉を信じてしまった
- 3 サラリーマンの不動産投資を失敗に終わらせないためにはどうすべきか
- 4 サラリーマンは不動産投資に向いている?
- 5 ココが知りたい。サラリーマンの不動産投資Q&A
- 6 まとめ
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サラリーマンの不動産投資に対してマイナスな声が上がる理由としては、「失敗する人には必ずといってよいほど共通した点があること」と、「失敗する人の大半が大きな勘違いをしていること」が挙げられます。また、サラリーマンとして不動産に投資を行う場合は、それに伴うデメリットも把握しておかなければなりません。まずはそれぞれについて解説します。
失敗する人には共通点がある
不動産投資で失敗するサラリーマンには、大まかに4つの共通点が存在します。
1つ目は、「不動産投資について勉強しようとしない」という点です。基本的にサラリーマンの不動産投資は、本職に従事しながら不動産業者などに物件の維持管理や仲介を任せるパターンが大半でしょう。そのため、投資した不動産は業者に一任しておけばよいという誤った認識をしてしまうのです。しかし、不動産投資についての知識を持っておらず、業者にいわれるがままに従うと、結果として損をするおそれがあります。完璧な知識を持っておく必要はありませんが、せめて自らが損をしない程度の勉強はしておくべきでしょう。
2つ目は、「収支の計画性がない」という点です。本職の収入と家賃収入があれば、短期的には多額の収入が懐に入ってくるように感じるかもしれません。残念ながら、投資対象の不動産には修繕費用や管理会社に支払う費用、保険料や固定資産税、ローンなどのランニングコストが定期的に発生します。そのため、計画的に収支計算を行わなければあっという間に家計が火の車になってしまいます。不労所得で悠々自適に生活できると思っていたら、毎月支払わねばならない出費に追われて、最悪の場合、破産してしまうおそれすらあるのです。
3つ目は、「短期的な利益だけに注目している」という点です。不動産投資で得られる収入は、主に家賃収入となるため、物件に入居者が集まらなければ収益は発生しません。どちらかというと、中長期的に収入を得られる投資方法といえます。
4つ目は、「リスクヘッジが疎かである」という点です。詳しくは後述しますが、不動産投資には多くのリスクが伴います。発生し得るリスクに対して備えておかなければ、想定外の出費が必要になったり、損害を被ったりした際に適切な対応ができません。結果として損害の方が大きくなってしまった、ということにもなりかねないため、不動産投資に伴うリスクについてはあらかじめ把握しておくようにしましょう。サラリーマンの不動産投資におけるよくある勘違い
前述した4点については、不動産投資を行う前にしっかりと認識を改めておきましょう。加えて、サラリーマンの不動産投資においては以下のような勘違いをされているケースも少なくありません。
会社を辞めてもよい
このような認識を持って不動産投資を行おうと検討している場合は、よほど安定した地盤を持っていない限り投資を行うべきではありません。仮に会社を辞めて不動産収入のみに頼ろうとした場合、入居者が集まらず家賃収入が入ってこなければ、無収入で支払うべきお金だけが出ていく状態になってしまいます。サラリーマンを継続していればある程度安定した額の給与が毎月支払われるため、家賃収入が少ない、またはゼロの時でも乗り切れる可能性はあります。ゆえに、不動産投資を検討しているサラリーマンは、会社を辞めることは絶対にやめておきましょう。
大規模な賃貸経営が可能
多額の投資を行い、不動産業者に管理・仲介を任せて大規模な不動産の経営とサラリーマン業の両立を考えている方もいるかもしれません。しかし、不動産業者には当たり外れがあるため「物件の管理が疎か」「仲介に力を入れておらず入居者が集まらない」というケースもあります。また、あまりに規模の大きい経営を行おうとすると、事業規模の不動産投資と見なされて副業規定から外れ、処分対象になるおそれもあるのです。サラリーマン業と不動産投資を両立させたいのであれば、不動産業者選びと物件選びには慎重になるべきでしょう。デメリットの把握が重要
不動産投資においては、以下3点のデメリットもあらかじめ把握しておきましょう。
物件を選ぶ大変さ
効果的な投資を成功させるのであれば、物件の「立地」「設備」「利回り」などの各種条件を合算し、利益が出そうな不動産を選ぶ必要があります。好条件の物件を見つけることは簡単ではないため、物件選びを見誤ると投資額に対して期待していたようなリターンは見込めません。
物件を売却したくてもできないケース
購入した不動産は、いずれ売却して利益に還元するのが目的の一つでもあります。しかし、売りたい時に売れるわけではありません。「数カ月以内に売却して資金に換えたい」と考えていても、買い手が見つからなければその間、物件の維持管理費用などを支払いながら買い手を探すことになります。
物件の維持管理
サラリーマンである投資者本人が行うことは多くないかもしれませんが、物件の維持管理にかかる費用は必ず発生し、その費用は業者に支払わなければなりません。維持管理を怠ると、物件の価値が下がっていき、入居者の減少、そして家賃収入の減少にもつながります。また、災害や事故などで突発的な修繕費用が必要になるケースも考えられます。そのような際にしっかりと対応してくれる業者と連携しておくこと、そして何が起こっても大丈夫なように修繕費用・維持管理費用を貯めておくことが重要です。-
ここからは、実際に発生したサラリーマンの不動産投資における失敗事例を複数紹介します。以下のような事態が発生し得ることを把握しておきましょう。
海外転勤で節税効果を得られなかった
ある商社勤務のAさんは、長い勤続年数に比例してその年収も2,000万円近くまで上昇していましたが、同時に所得税も増加しました。何とか節税できないかと考えていたところ、キャッシュフローはプラスマイナスゼロではあるものの節税効果の期待できる物件の購入を勧められ、投資を始めます。給与と不動産それぞれの所得を損益換算して所得税の節税を実現しましたが、物件の購入から2年後には海外への転勤が決まります。海外で得た給与所得は損益換算できないため、結果として節税効果もキャッシュフローもないただの物件を所有することになってしまったのです。
新築ワンルームマンションを購入してむしろ出費がかさんだ
老後の資産形成を目的として新築のワンルームマンションを購入したBさんは、営業担当者とのシミュレーションで月に1万円の赤字が発生することを確認していました。しかし、「借金を返せば資産として残るし、老後の副収入を得る基盤になる」という担当者の甘言に乗ってしまい、加えて余剰資金でさらに複数の物件を購入します。ところが、入居者の退去に伴い家賃は下落していき、赤字額は20万円にまで拡大してしまったのです。この事態を打開すべく、Bさんはキャッシュフローの得られる中古一棟不動産の購入を検討しましたが、既存のローン残債が多すぎたため融資が下りず、毎月数万円の赤字を負担し続けることになりました。
不動産業者の不正に手を貸す結果になってしまった
Cさんは、資産額が多くアパート経営も満室で順調ではありましたが、ある不動産業者の不正に知らぬ間に手を貸す結果になりました。というのも、不動産業者はCさんに対して「年収の30倍までローンを引ける」と提言し、Cさんに3億円の借入を行わせ新築のアパートを3棟購入させました。しかし、Cさんが不動産業者に提出した預金通帳は3億円という融資を通すため、業者によって改ざんされていたのです。本来であればCさんは、3億円もの融資を受けることは不可能だったため、属性に対して適正ではない融資を受けている状態になってしまいました。
Cさんのアパート経営は順調であったため大きな被害を受けることはありませんでしたが、資産拡大のためのさらなる不動産購入は不可能という状態に陥ってしまったのです。中古のワンルームマンション購入でキャッシュフローが得られなかった
会社員のDさんは、副収入を目的として利回り7%、月に約10万円の家賃収入が得られる中古のワンルームマンションを購入しました。確かに家賃収入は入ってくるものの、その他の支出(ローン、維持管理費、修繕費用、固定資産税、原状回復費用など)と合算すると数十万円のマイナスとなってしまう結果となりました。キャッシュフロー(お金の流れ、収支)を正確に把握しておかなければ、たとえ予定通りの家賃収入が入ってきても出費の方がかさむおそれがあるのです。
住宅ローンの繰上返済で資金不足に陥ってしまった
1,000万円という高い年収のEさんは、約500万円の自己資金が必要になる物件の購入を希望していました。Eさんほどの年収があれば、500万円の自己資金を用意することは難しくないように見えますが、実はEさんは住宅ローンの繰上返済を行っており、必要な額の資金を用意できなかったのです。繰上返済でローンをまとめて清算すること自体は問題ありませんが、副収入や節税を目的として不動産投資を行うとする場合、ある程度の資産が必要になります。
不動産業者の言葉を鵜呑みにしてしまった
「掘り出し物の物件がありますよ」という不動産業者の言葉を信じてしまったFさんのケースでは、都心部ではなかなかお目にかかれない良質な物件という割に、築年数が古く不安の残る物件を購入する羽目になってしまいました。結果、修繕費用などにばかり出費がかさみ、家賃収入はほとんど得られない状態になってしまったのです。不動産業者によっては、良い情報だけを提供して何とか購入・売却のマッチングを成立させようとするケースもあるため、少しでも不安が残る物件の場合は購入を即決しないように気を付けましょう。
都合の良い予測を立ててしまった
Gさんは、「現状では空室が続いている物件だが、今後期待されるオリンピック需要で借り手が続出し、オリンピックの閉幕後でも売却すれば利益が出る」という業者の言葉を信じて物件を購入しました。しかし、予想していたような借り手は現れず、利益を得ることはできませんでした。不動産業者の言葉を鵜呑みにするのもよくありませんが、安易に都合の良い予測を立てて不動産投資を行うことは避けるべきでしょう。
利回りだけに着目して出費がかさんでしまった
あるワンルームマンションを購入したHさんの場合、利回りは7.8%で家賃収入は65,000円、築年数8年と新しめで副収入としては申し分のない物件でしたが、購入から半年後に空室状態になりました。それから約7カ月もの期間、新しい入居者が見つからず、1,000万円で購入した物件のローンを自身の給与から支払うことになってしまいました。この期間における利回りは2.6%にまで減少しています。ローンを組んで不動産投資を行う際には、堅実な返済計画を立てたうえで投資に臨むことが前提のため、利回りが良いからという理由だけで物件を購入するのは危険です。
想定外の入居者によって費用がかさんだ
物件状態、経営状況も申し分ない不動産を購入したIさんですが、ある日突然、入居者の1人が失踪し連絡も取れない状態に陥ってしまいました。当然家賃収入は入ってこないため、空室と同様の状況です。本来、入居者が支払うはずであった家賃や原状回復費用など、全てIさんが肩代わりする結果となってしまい、大きな損失を被ることになってしまいました。このように、一見順調に見える不動産経営の場合でも、入居者の属性によって悪影響を受けるおそれがあるため、入居審査を厳格にするなどの対応が必要になるでしょう。
社会人になってすぐに投資を行ってしまった
サラリーマンとして勤務してから数年しか経っていないJさんは、会社の先輩から聞いた不動産投資に興味を持ち、自分もやってみようと意気込んでいました。しかし、勤続年数の短さから融資が下りず、「数百万円の頭金と高金利」という条件下であれば融資可能と判断され、親からの借金と高金利という二重苦の状態で不動産投資をスタートします。結果、毎月の家賃収入よりも返済額の方が多く、常に赤字の状態になってしまったのです。焦って不動産投資を始めてしまったJさんでしたが、あと数年待てば低金利かつ頭金なしの状態で融資を受けることも可能だったかもしれません。
シミュレーションが不足していた
不動産投資は、事前に綿密なシミュレーションを行ったうえで実行するのが前提といっても過言ではありません。Kさんの場合、月々の支出がどれくらいになるのか、その内訳はどういったものなのかを詰めないまま不動産投資を行ってしまい、利益よりも出費の方がかさむ結果となりました。
短期的な利益を追求してしまった
不動産投資は、投資を行ってすぐに利益が発生するものではありません。そのため、利回りの高さや条件の良さなど、利益が見込めると安直に判断して投資を行うのは非常に危険です。Lさんは、好条件の物件ゆえに短期で利益が得られると思い込んでいましたが、なかなか入居者が見つからず、しばらくの間は支出のみが発生していました。不動産投資の前提を把握しないままに実行してしまうと、このような事態に陥るおそれがあるのです。
自己資金なしでも“FIRE”できるという言葉を信じてしまった
「FIRE:Financial Independence, Retire Early:経済的自立と早期リタイア」は、サラリーマンにとって一つの夢のようなものでしょう。不動産投資関連のセミナーで、「FIREの実現が可能」という言葉に踊らされたMさんは、わずか10万円の自己資金で投資可能・家賃収入で将来安泰だという営業マンの言葉を信じ、マンションを購入しました。その際、詳細な収支計画の話はなく、数カ月後自己資金から持ち出す出費が年に100万円以上になっていることに気付きました。自分が投資に失敗したと気付くのにはあまりに遅すぎたのです。
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簡潔に述べると、サラリーマンの不動産経営は最初から黒字経営であるべきです。そのためにはどうすべきか、4つのポイントにフォーカスして見ていきましょう。
不動産投資とは何かを把握すること
不動産投資は、購入した物件を他者に貸し出し、賃料から収入を得ることです。その際、長期的な目線で安定した収入を得られるかどうかが重要となります。長期的に見ると購入した物件は年数を経るごとに老朽化していくため、定期的な修繕やリフォームが欠かせません。そのため、どれくらいの期間物件を保有し、維持管理を行うのか決めておく必要があります。
また、購入した物件を売却することで得られる売却益も見越してきましょう。購入した際の価格と同額で物件を売却することは、減価償却の観点からほぼ不可能ではあるものの、売却益と家賃収入を合わせた場合に、購入額よりもプラスになっていれば利益が発生していることになります。
「物件保有期間における安定した収入」と「最終的な売却益がプラスになること」を目指すのが不動産投資なのです。リスクの原因と対処法を把握すること
不動産投資には、主に以下のようなリスクが伴っています。それぞれの内容と対策を頭に入れ、必要に応じて対応できるようにしておくことが重要です。
リスク 対策 空室 空室保証のある管理会社を選ぶ、競合と比較して好条件の物件を購入する 修繕 事前に管理状況を確認する、修繕計画や修繕積立金が十分かどうか確認する 金利上昇 低金利の際に繰上返済を行う、金利上昇のタイミングで物件を売却する 家賃滞納 入居審査を厳格にする、賃貸借契約の内容を明確にする 地震 新耐震基準に基づいた耐震構造の物件を選ぶ、立地条件を確認する 火災 火災保険に加入する 倒産 実績のある業者と契約する、(公財)日本賃貸住宅管理協会に加盟している業者を選ぶ 家賃下落 設備や内装をリフォームする 不動産価値の変動 変動しづらい賃貸需要のあるエリアや物件に投資する 成功するためのポイントを把握すること
サラリーマンの不動産投資で成功するためには、先述した長期的な目線における安定した収入の確保を見据えることだけでなく、「不動産投資で何を得たいのか」について明確にしておくことも重要です。たとえば「定年退職までにローンを完済し、老齢年金に加算する形で家賃収入を私的年金とする」という明確な目的を掲げておけば、そのためにどうしていくべきか計画を立てやすくなります。また、不動産投資を行う前に相場や物件の価値について詳細に調査しておくことも大切です。
不動産業者選びを適切に行うこと
不動産業者の質はピンキリです。投資を行う顧客に寄り添い、詳細に計画を立ててくれて、欠点や不安点についても包み隠さず伝えてくれる優良な業者が存在する一方で、自社の利益のみにしか関心がなく、不動産投資を行う顧客のことは二の次という質の悪い業者も存在します。まずは、業者のいうことをそのまま鵜呑みにしないことが大切です。そして、自身も不動産投資についてある程度勉強し、問題点や不安点を都度、業者に伝えられるようにしましょう。加えて、不動産業者を選ぶ際には複数社を比較することをおすすめします。
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ここまで、サラリーマンの不動産投資が失敗する理由や事例、対処法についてお伝えしてきましたが、「サラリーマンだからこそ不動産投資に向いている」側面もあります。サラリーマンの不動産投資におけるメリットと、向いている理由についてそれぞれ見ていきましょう。
サラリーマンが不動産投資を行うメリットについて
メリットとしては主に5つが挙げられます。
1つ目は、「管理しなくてよい」という点です。サラリーマンとしての本職がある以上、物件の管理は管理会社に一任することになるケースがほとんどです。やることといえば、家賃収入の振込確認や、何か問題が起きた際の対応報告を受けるくらいでしょう。
2つ目は、「節税につながる」という点です。不動産所得が赤字になれば、サラリーマンとしての給与所得と損益通算を行うことで合計所得が少なくなり、所得税の節税につながります。また、所得税が節税されれば住民税の節税にもつながるため、よりお得になるでしょう。
3つ目は、「生命保険代わりになる」という点です。団体信用生命保険に加入していれば、万が一、物件の所有者である個人が亡くなったり重度の障がいを負ったりしても、ローン残債は全額保険金で返済されることになります。その結果、遺族や家族にはローンのない物件=資産が残されることになり、家賃収入源として所有し続けることも、売却して利益を得ることも可能になるのです。
4つ目は、「私的年金の確保」です。仮に、定年退職までにローンを完済すれば、残された物件は家賃収入源または売却益を得られる資産となります。老齢年金と合算すれば老後の資産として重要な役割を担うことになるでしょう。
5つ目は、「インフレ対策になる」という点です。不動産は減価償却の観点から見ると、年数を経るごとにその価値が下落していくケースがありますが、インフレによって物価が上がれば不動産の価値も上がる可能性があるため、資産としての物件の価値が大きく下落するおそれは小さいと考えられるでしょう。そのため、インフレ対策に最適といえます。サラリーマンが不動産投資に向いている理由とは?
単刀直入に述べると、サラリーマンは毎月安定した給与収入があるため、「お金を貸しても滞りなく返済できる能力がある」と見なされるケースが多いといえます。ゆえに、融資を受けられる可能性が高いのです。もちろん、サラリーマンと一概にいっても上場企業のサラリーマンから零細企業のサラリーマンまでその属性はさまざまであるため、全てのサラリーマンが融資を受けやすいわけではありません。
とはいえ、毎月の経済状況が安定しているという点では、その他の職種よりも不動産投資に向いているといえるでしょう。-
最後に、サラリーマンの不動産投資におけるよくあるQ&Aを紹介します。
不動産投資は少額からでも可能?
融資を受ける金融機関によっては、フルローンを組めるケースがあるため、自己資金が少額、あるいはなくても投資できます。しかし、後々の返済が困難になるおそれが非常に高いことから、ある程度の自己資金を用意したうえで投資を始めるのが理想的です。
理想的な利回りはどれくらい?
一般的には、3%から7%程度が理想的な利回りとされています。注意しておきたいのは、都心部にあったり新築であったりする好条件の物件であるのにもかかわらず、利回りが高い物件は何か問題がある場合です。
株式投資とは違うの?
株式投資は、短期間のうちに資産を売却することで売却益を得られる構造となっています。一方、不動産投資は長期的に家賃収入を得ることで利益を得られる構造です。前者は価格の変動を予測することが難しく、後者は比較的安定して収益を得られる可能性が高いという違いがあります。短期間で利益を得るか、長期的な目線で利益を得るか、目的に応じて投資方法を選ぶとよいでしょう。
人口が減っているが、将来性はあるの?
全国的な人口減少と空き家問題は日本国として大きな課題の一つです。とはいえ、単身高齢者の増加や都心部への人口集中という点に目を向ければ、まだまだ将来性はあるでしょう。特に、単身向けのワンルーム需要はさらに増加する可能性があるため、投資対象としては現状、絶好の機会といえるかもしれません。
もちろん、人口よりも住宅の方が多くなっている現実も見据えつつ、計画的に投資を行う必要があります。不動産の管理って具体的には何をするの?
基本的に、サラリーマンが不動産投資を行う際には管理会社に物件の管理を一任するケースが多いため、1から10まで知っておく必要は必ずしもありません。しかし、どのように管理業務が行われているのかを知らないと入居者や業者とのトラブル発展につながるため、ある程度は認識しておいた方がよいでしょう。
簡潔に述べると、賃貸借契約や物件の維持管理、家賃の集金、入居者の募集と管理といった管理および仲介業務が不動産の管理業務になります。専属大家の場合はこれらを個人で行うことになりますが、サラリーマンや副職として不動産投資を行う大家の場合、ほとんどの業務は管理会社に任せて振込確認やトラブルがあった際の対応報告を受ける程度で済むため、あまり気にし過ぎる必要はないでしょう。家賃が下がりにくい物件の特徴が知りたい
端的に述べると、入居者にとって住み心地の良い物件は家賃が下がりにくいといえます。内外装が清潔である、設備が整っている、定期的に清掃や修繕が行われる、入居者からの提案やクレームに対して迅速に対応できるなど、入居者目線で住みやすいとされる物件はそれだけで価値があるため、家賃が下落する心配はそれほどありません。
なお、物件の位置するエリア全体の価値が下がり、当該エリアにおける物件の家賃相場が下落してしまうと、家賃を下げざるを得なくなってしまうおそれがある点には注意が必要です。空室が増えるとどうなる?
増えれば増える分だけ、家賃収入が減少します。それはつまり、収支のバランスが崩れることも意味します。ローン残債や固定資産税、維持管理費など、定期的に支払わなければならない出費からは逃れられないため、家賃収入が減れば自身の給与や貯蓄から出費に充てる必要があるでしょう。自分自身の生活費や交際費などの出費も含めると家計が火の車になるおそれもあります。このような事態を避けるためにも、入居者の退去が決まった段階で募集を開始したり、家賃保証サービスを利用したりといった対策が必要です。
ローンがあっても物件を売却できる?
売却することは可能です。売却益でローンを完済することも可能な他、場合によってはローンを完済した状態であっても、残った売却益が手元に残り、結果として利益になる可能性もあります。ただし、物件を売却してもローン残債を完済できない場合、自己資金で賄う必要があるため、その点には注意しましょう。
会社が倒産してしまったら?
倒産した会社が「物件を購入した販売元」である場合、物件を購入した時点で所有権はオーナー様に移るため、特に問題はありません。一方で、管理会社が倒産してしまった場合、新たな管理会社と契約を結ぶか、公益財団法人日本賃貸住宅管理協会のような組織に相談することが必要になります。
※参考:公益財団法人日本賃貸住宅管理協会物件の資産価値について
一般的に、不動産は築年数の経過につれてその価値が減じていくものですが、築年数が古くても当該エリアや物件の需要が高ければ資産価値が大幅に減少することは多くありません。一方で、新築物件であっても、需要がなければ資産価値は下落していきます。
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サラリーマンとして不動産投資を行う場合、ワンルームマンションやアパートの1室や数室に絞って投資を行うのが理想です。そして、投資対象とする物件は現在、そして将来的にも需要が見込まれる物件を選ぶことが重要となります。
このような物件を選ぶにあたって、本職で忙しいサラリーマンからすると自力で探し求めるのは困難を極めるため、信頼でき、かつ実績のある不動産業者と相談しながら投資対象を選定するとよいでしょう。
本記事で紹介した、サラリーマンによる不動産投資における複数の失敗事例を参考にしつつ、ご自分に適した不動産投資のやり方をぜひ検討してみてください。ご検討に際しては、当社でもご相談を承っておりますので、お気軽にご相談ください。-
サラリーマンは不動産投資に向いていますか?
サラリーマンだからこそ不動産投資に向いている側面があります。サラリーマンの不動産投資におけるメリットと、向いている理由を解説しています。
詳細はこちらを参考にしてください。 -
FIREとはどういう意味ですか。
FIREとはFinancial Independence, Retire Earlyを略した造語で、経済的自立と早期リタイアという意味です。
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