アパート経営で経費として落とせるもの、落とせないものを一覧で紹介

アパート経営で手取りを増やすためには、家賃収入を確保するだけでなく、適切に経費を計上して税負担を抑えることが重要です。しかし「どこまでが経費になるのか分からない」「税務署に否認されたらどうしよう」と不安に感じているオーナー様も多いのではないでしょうか。本記事では、アパート経営で経費に含まれる費用と含まれない費用、経費計上の際のポイントなどを解説します。

アパート経営での経費の基礎知識

  • アパート経営での経費の基礎知識
  • まずは、アパート経営における経費の基礎知識を理解しましょう。経費率や利回りなどの指標もアパート経営において重要です。

  • 個人事業主における経費とは

    経費とは、売上を得るために直接・間接的に必要な費用です。正しく計上することで、課税所得額が減って節税できる可能性があります。
    会社員の場合、業務に関わる費用は経費として精算可能です。一方、アパート経営をはじめとする個人事業主の場合、経費も自己負担する必要があります。必要経費として計上すれば不動産所得の計算から差し引けるため、節税できる可能性はありますが、経費そのものが還付されるわけではありません。

  • アパート経営の経費率の目安

    アパート経営の場合、家賃収入から経費を差し引いた金額が実質的な収益となります。そのため、経費の方が多い場合は赤字です。税負担を軽減できる可能性はありますが、キャッシュフローが悪化する恐れがあるため、不要な経費が発生していないか定期的に確認する必要があります。
    経費が多すぎないかどうか判断する際は、経費率の算出が効果的です。経費率は「(年間経費÷年間家賃収入)×100」で求められます。
    築年数や物件の条件によっても異なりますが、アパート経営の経費率は年間家賃収入の15~20%が目安です。

  • 経費率だけでなく利回りも重要

    アパート経営では、経費率だけでなく利回りも重要になります。利回りとは、投資した元本に対する1年あたりの収益の割合です。表面利回りや実質利回りなどの種類がありますが、収益性を正確に判断したい場合は経費や購入時諸費用などが反映される実質利回りを算出しましょう。
    実質利回りは「(年間家賃収入-年間経費)÷(物件購入価格+購入時諸費用)×100」で求められます。一棟アパートの場合、実質利回りの目安は6~10%程度です。立地や築年数によってはこれより低いケースもあります。

アパート経営での経費の判断基準

  • アパート経営での経費の判断基準
  • アパート経営での経費になる主な基準は以下の3つです。
    ・アパート経営に直接関係する支出
    ・アパート経営との関係性を証明できる
    ・一般的に見て支出額が妥当
    例えば、プライベートの食事の代金や自宅のインテリアの購入費用などはアパート経営と無関係であるため、経費として計上できません。また、アパート経営に関係があっても業務目的であることが証明できない場合、経費として認められない恐れがあります。一般的に見て金額が高すぎる不自然な支出も、経費として認められないでしょう。

アパート経営で経費に含まれる費用

  • アパート経営で経費に含まれる費用
  • ここでは、アパート経営で経費に含まれる費用を紹介します。なお、個人事業主を想定していますが、法人の場合は下記以外の費用も経費として計上できる可能性があります。

  • 固定資産税・都市計画税

    固定資産税とは、毎年1月1日時点で土地・家屋・償却資産を所有する個人や法人に対し、その所在する市町村が課す地方税です。都市計画税は市街化区域内の土地や建物を1月1日時点で所有する人に対し、都市計画事業や区画整理の費用として市町村が課す税金を指します。基本税率は固定資産税が1.4%、都市計画税は上限0.3%(制限税率)で、実際の税率は市町村により異なります。
    課税標準額に基本税率を掛けることで、それぞれの税額を求められます。建物の場合、課税標準額は固定資産税評価額です。土地は住宅用地の軽減措置が適用されるため、固定資産税評価額に一定の乗数を乗じたものが課税標準額になります。

  • 事業税

    事業税とは、道路整備や消防、警察などの行政サービスに要する経費の一部を負担する地方税です。個人事業主には個人事業税、法人には法人事業税がかかり、前年の所得に対して課税されます。個人事業税の計算式は「(事業所得額-事業主控除290万円)×税率」で、不動産貸付業は第一種事業に該当するため税率は5%です。ただし、個人事業税が課税される事業的規模の認定基準は都道府県によって異なり、小規模な貸付の場合は課税対象とならないケースもあります。

  • 不動産取得税

    不動産取得税とは、土地・家屋の購入・建築・贈与などによって不動産を取得した際に課される税金です。取得時に一度だけ課され、一般的に取得後半年~1年後に納税通知書が届きます。
    計算式は「固定資産税評価額×税率(4%)」です。ただし、2030年3月31日までの取得に限り(令和8年度税制改正により延長。財務省「令和8年度税制改正の大綱」)、土地と居住用の建物は軽減税率3%が適用されます。また、アパートの場合は床面積が一定の範囲内であれば、不動産取得税の軽減措置を受けられます。

  • 登記費用

    建築・売買・相続・贈与などによって不動産の所有者が変わった場合、不動産所有権の登記が必要です。登記費用は法務局へ登記申請を行う際にかかる登録免許税のほか、手続きを司法書士に代行してもらう際にかかる報酬も含まれます。
    登録免許税の種類と税率は以下の通りです。なお、課税標準額は原則として固定資産税評価額が使われます。

    土地 建物
    所有権移転登記(売買、贈与、交換など) 課税標準額×2.0%(※1) 課税標準額×2.0%(※2)
    所有権移転登記(相続) 課税標準額×0.4% 課税標準額×0.4%(※3)
    所有権保存登記(新築住宅の取得、建築) 課税標準額×0.4%
    抵当権設定登記 借入額×0.4% 借入額×0.4%(※4)
    抵当権抹消登記 1,000円/1件 1,000円/1件
    ※1:2029年3月31日までは1.5%(令和8年度税制改正により適用期限が3年延長されました。財務省「令和8年度税制改正の大綱」)
    ※2:個人が自己居住用の家屋を取得した場合で一定の要件を満たす場合は0.3%
    ※3:個人が自己居住用の家屋を取得した場合で一定の要件を満たす場合は0.15%
    ※4:個人が自己居住用の家屋を取得した場合で一定の要件を満たす場合は0.1%

  • 印紙税

    印紙税とは、契約書や領収書などの課税文書に課される国税です。アパート経営では、不動産売買契約書、建築請負契約書、ローン契約書(金銭消費貸借契約書)などが課税文書に該当します。不動産売買契約書の場合、印紙税額は以下の通りです。なお、電子契約を利用した場合は課税文書に該当しないため、印紙税はかかりません。

    契約金額 印紙税額(本則) 軽減後の印紙税額
    10万円超50万円以下 400円 200円
    50万円超100万円以下 1,000円 500円
    100万円超500万円以下 2,000円 1,000円
    500万円超1,000万円以下 10,000円 5,000円
    1,000万円超5,000万円以下 20,000円 10,000円
    5,000万円超1億円以下 60,000円 30,000円
    1億円超5億円以下 100,000円 60,000円

  • 損害保険料

    損害保険料とは、火災保険や地震保険など物件の災害・事故リスクに備えて加入する保険の料金です。火災・地震保険料は経費として計上できますが、複数年契約の場合は支払った全額ではなくその年分を按分して計上する必要があります。

  • 修繕費

    退去に伴う原状回復や屋根・外壁・設備の維持管理に伴う修繕費は、経費として計上できます。ただし、工事の内容によっては資本的支出とみなされ、その年の経費として計上できないケースがある点に注意しましょう。修繕費か資本的支出かの判断は、金額だけで決まるものではありません。資産価値を高めたり耐用年数を延ばしたりする工事は資本的支出となり減価償却の対象になりますが、原状回復や通常の維持管理であれば高額でも修繕費として処理できる場合があります。

  • 減価償却費

    減価償却とは、高額な固定資産の購入費用をその資産が使用できる期間にわたって分割し、毎期経費として計上する会計処理です。購入時に一括で支払うものの、計上時には現金支出を伴わないという特徴を持っています。
    2016年4月1日以降に取得した建物は、定額法という計算方法で減価償却費を計上します。定額法の計算式は「取得価額×定額法の償却率」です。定額法の償却率は、建物構造によってそれぞれ定められています。

    構造 耐用年数 償却率
    木造 22年 0.046
    木造モルタル造 20年 0.050
    鉄骨造(3mm以下) 19年 0.053
    鉄骨造(3mm超、4mm以下) 27年 0.038
    鉄骨造(4mm以上) 34年 0.030
    鉄筋コンクリート造 47年 0.022
    鉄骨鉄筋コンクリート造 47年 0.022

  • 青色事業専従者への給与

    青色事業専従者とは、青色申告をする個人事業主と生計を一にする15歳以上の配偶者・親族で、年間を通じて6か月を超える期間その事業に従事している人です。この青色事業専従者に支払う給与は事前に税務署へ届け出ることで、全額を必要経費として計上できます。
    ただし、アパート経営では原則として5棟10室以上の事業的規模でなければ経費として計上できません。また、実際の業務に見合っていない給与の場合、経費として認められない恐れもあります。

  • 管理委託費

    不動産管理会社に不動産業務を委託する際に支払う管理委託費も、経費として計上できます。ただし、オーナー様自身が管理会社を設立している場合、管理料が相場の範囲内であり、管理の実態がなければなりません。形式だけの会社の場合は経費として認められず、税務署から指摘を受ける恐れがあります。
    また、サブリース形式の場合は、通常の管理委託費は発生しません。サブリースとは、不動産会社が物件を丸ごと借り上げ、入居者に又貸しする賃貸管理方式です。入居者から得た賃料から一定の手数料を差し引いたうえでオーナーにお金を振り込むため、名目上は管理委託費ではなく家賃収入になります。

  • 広告宣伝費

    入居者募集の際、不動産会社に支払う広告宣伝費も経費として計上可能です。チラシ・看板などの制作費や不動産サイトへの掲載料はもちろん、入居が決まった際に支払う成功報酬も含まれます。ただし、建物と一体になっている屋外広告で10万円を超える場合は広告宣伝費として経費計上できません。この場合は建物附属設備として減価償却することで、経費として計上できます。

  • ローンの事務手数料

    アパートの取得のために銀行から融資を受ける場合は銀行に事務手数料を支払いますが、これも経費として計上できます。金額は定額制と定率制の2種類に分けられ、定額制は税込で3万~5万円が相場です。一方、定率制は借入額に一定の料率を掛けた金額を支払います。相場は借入額の2.2%(税込)です。

  • ローンの保証料

    連帯保証人の代わりにローンを保証してくれる保証会社を利用する際に支払う保証料も、経費として計上できます。多くの金融機関では、保証会社との契約を融資の条件としているケースが見られます。
    支払い方法には借入時に一括で支払う外枠方式と、金利に上乗せして分割で支払う内枠方式の2種類があります。外枠方式の相場は借入額の約2.0~2.2%です。

  • 従業員への給与

    アパート経営で従業員を雇っている場合、その従業員への給与も経費となります。ただし、経費として認められるためには相応の労働の実態が必要です。そのため、親族を名目上の従業員として置いても、労働の実態がなければ経費計上はできません。

  • 地代・家賃

    借地でアパートを経営している場合、地代を経費として計上可能です。他の人が所有しているアパートを借り、転貸してアパートを経営している場合は支払っている家賃も経費に含まれます。
    ただし、土地や建物の所有者は他人である必要があります。生計を一にする親族から土地やアパートを借りている場合、地代・家賃は経費として計上できません。

  • 解体費・立ち退き料

    建て替えや老朽化による解体費、入居者に退去してもらうために支払う立ち退き料は経費として計上できます。ただし、アパートを取り壊して自身の居住用住宅を建てる場合は経費として認められません。なお、立ち退き料は家賃の6~10か月分が相場で、解体費は坪単価で計算されるのが一般的です。

  • アパートローンの金利部分

    アパートローンを組んでいる場合、金利部分は借入金利子として全額経費として計上可能です。所得が黒字の場合、経費として計上することで高い節税効果を得られるでしょう。ただし、後述するアパートローンの元本部分は経費として計上できません。

家事按分が必要な費用

  • 家事按分が必要な費用
  • 経費の中には、仕事とプライベートの両方で使う費用がありますが、これらは家事按分をすることで経費として計上可能です。家事按分が必要な費用として、水道光熱費や通信費などが挙げられます。

  • 家事按分とは

    家事按分とは、個人事業主が自宅や私物を仕事とプライベートの両方で使う場合、電気代や家賃などの費用を事業に使った分だけ経費として計上することです。利用割合を出す方法はさまざまありますが、税務署が合理的で客観的に説明できる方法であれば認められます。
    例えば、家賃の場合は面積の割合で家事按分するのが一般的です。水道光熱費や通信費は使用時間の割合、交通費であれば使用量の割合で計算します。

  • 水道光熱費

    エントランスや廊下、階段など、共用部分で発生する水道光熱費も経費として計上できます。水道光熱費の目安は1棟当たり月数千~1万円です。管理事務所として自宅の一部を使用している場合、面積の割合に応じて家事按分する必要があります。

  • 通信費

    アパート経営で発生した通信費も経費に含まれます。具体的には、管理会社との電話代や物件検索のインターネット利用料、書類の郵送代などです。私用のスマホやネット回線などと共用する場合、使用時間や日数に応じて家事按分する必要があります。

  • 交通費

    アパート経営で発生した交通費も経費に含まれます。具体的には、物件を調査する際の交通費や遠方に所有している物件を確認するための交通費などです。物件だけでなく、不動産会社への訪問やセミナー・勉強会参加のための移動も対象となる可能性があります。プライベートと兼用する自家用車の場合、距離や時間に応じて家事按分が必要です。

  • 接待交際費

    アパート経営において、業務の円滑化や情報収集に必要と認められる接待交際費は経費として計上できます。具体的には、管理会社との会食やお中元・お歳暮、セミナーの懇親会の費用などです。一方、一人での飲食やアパート経営と無関係な人物との会食などは家事費とみなされ、経費になりません。

  • 新聞図書費

    不動産投資に関する情報収集や市場調査などのために購入した書籍・専門誌・新聞の費用も、経費として計上できます。具体的には、経営に関連するビジネス書や税法関連の資料、不動産業界専門紙などです。少額の場合は消耗品費や雑費として処理できるケースもありますが、定期購読のように一時的な費用ではない場合は新聞図書費に区分した方が適切でしょう。

  • 消耗品費

    アパート経営のために使用した消耗品費も経費として計上できます。ただし、取得価額が10万円未満、または使用可能期間が1年未満であることが一般的な基準とされています。具体例として、文房具や清掃道具などが挙げられます。自宅兼事務所で私用としても使う場合、家事按分が必要です。

経費計上できない費用

  • 経費計上できない費用
  • アパート経営ではさまざまな費用を経費として計上できますが、以下の費用は経費計上できません。これらの費用を経費として計上すると、税務署から指摘を受ける恐れがあります。

  • 修繕されていない場合の修繕積立金

    修繕積立金とは、将来の大規模修繕に備えてオーナー様が内部的に積み立てておく資金のことです。
    一棟アパート経営の場合、将来の修繕に備えて任意で積み立てている資金は、実際に修繕工事を行うまでは必要経費として計上できません。経費として認められるのは、あくまで修繕工事を実施し、支出が確定した時点です。そのため、将来の外壁塗装や屋根の改修に備えて資金を確保していても、積立段階では経費にならない点に注意しましょう。

  • 不動産購入時の仲介手数料

    不動産会社を介して物件を購入する際に支払う仲介手数料は、経費として計上できません。これはアパートの購入費用の一部としてみなされるためです。
    仲介手数料は建物・土地それぞれの取得価額に含まれますが、建物の分は耐用年数に応じて数年~数十年かけて減価償却費として経費化できます。一方、土地は劣化しないため減価償却ができず、将来その物件を売却する時まで経費にはなりません。

  • アパートローンの元本部分

    先述の通り、アパートローンの元本部分は経費になりません。これは借りたお金を返しているだけであり、資産が建物や土地などに置き換わっただけとみなされるためです。また、基本的にアパートローンは物件の購入費に使われますが、これは減価償却費として経費化されるため、元本も経費にすると二重計上になってしまいます。

  • アパート経営とは無関係な税金

    アパート経営とは無関係な税金も経費にはなりません。具体的には、アパート経営と無関係な買い出しで生じた消費税や経営しているアパート以外の不動産の固定資産税や都市計画税などです。また、利益に対して発生する所得税や住民税、法人化している場合の法人税も経費として計上できません。

  • 団体信用生命保険特約料

    団体信用生命保険特約料とは、ローンの契約者が死亡または高度障害状態になった際、ローン残債を保険金で完済できる団体信用生命保険の加入にかかる費用です。金融機関へ毎月ローンを返済する際、金利に上乗せする形で支払います。相場は年率0.2〜0.4%程度とされることが多いです。
    個人事業主が団体信用生命保険に加入する場合、特約料は経費として計上できません。これは万が一に対する備えであり、事業から収益を得るうえで必要なものではないためです。一方、法人の場合は特約料を経費として計上できます。

  • 固定資産税精算金

    固定資産税精算金とは、その年の固定資産税・都市計画税を引き渡し日や起算日を境に売主と買主が日割りで負担し合うお金です。法的義務はありませんが、売主と買主の税負担を平等にするため、不動産売買では一般的に行われます。
    不動産の売買価格に上乗せされる形を取るため、経費として計上できません。不動産購入時の仲介手数料と同様、建物・土地それぞれの取得価額に含まれ、建物の分は減価償却費として数年かけて経費化されます。

  • アパートの購入代金

    アパートの購入代金は自己資金分・ローン分を問わず、経費として計上できません。これは物件の貸借対照表上の資産そのものを得るための資金であり、資本的支出に当たるためです。ただし、建物の取得価額は減価償却費として耐用年数に応じて毎年経費として計上できます。

経費計上する際のポイント

  • 経費計上する際のポイント
  • ここでは、経費計上する際のポイントを解説します。損益通算や繰越損失、法人化の仕組みなどを理解して、節税効果を高めましょう。

  • 確定申告を忘れない

    原則として、給与所得以外に年間20万円以上の所得がある場合は確定申告が必要です。申告期間は、2月16日~3月15日までに前年1年間分の確定申告を行います。主な必要書類は以下の通りです。
    ・確定申告書
    ・青色申告決算書(青色申告の場合)
    ・収支内訳書(白色申告の場合)
    ・本人確認書類
    ・領収書やレシート
    ・賃貸契約書
    ・納付通知書
    ・借入金の返済予定表
    ・家賃送金明細書
    なお、確定申告には白色申告と青色申告の2つがあります。白色申告は事前の届出が不要で、簡単な帳簿で記帳できる方法です。主に、小規模な副業をしている人や初めて確定申告する人が利用します。
    一方、青色申告は一定の帳簿に基づいて確定申告することで、税制優遇を受けられる方法です。e-Taxでの電子申告または優良な電子帳簿保存の要件を満たすことで最大65万円の特別控除を受けられる(満たさない場合は55万円)ほか、その年の損失を翌年以降3年間にわたって繰り越して課税所得を圧縮できる可能性があります。また、少額減価償却資産の特例により、年間合計300万円まで、40万円未満のものを一括で経費計上できます(2026年4月1日以降の取得分から対象が拡大され、適用期限も2029年3月31日まで延長されました)。
    5棟10室以上の場合は事業的規模と判断されるため、青色申告のメリットを最大限に活用できるでしょう。ただし、申告するためには事前の届出や指定された方法での記帳が必要です。

  • 損益通算を活用する

    損益通算とは、1年間に生じた特定の所得の利益と損失を合計できる税制上の仕組みです。納め過ぎた所得税や住民税などは、確定申告を通じて還付されます。これにより、課税所得を圧縮して税負担を軽減できるでしょう。

  • 法人化も視野に入れる

    アパート経営の収入が多い場合は、法人化も視野に入れましょう。個人所得税・住民税は高額所得者ほど税率が上がる累進課税ですが、法人所得税・住民税は一定の税率を乗じる比例課税です。そのため、課税所得が900万円を超える場合は法人化した方が税負担を軽減できる可能性があります。繰越損失も3年間から最大10年間にまで伸びるため、赤字が出た際にも対応しやすくなるでしょう。
    また、法人化すると自身への役員報酬や生命保険料の一部など、個人事業主では認められない費用も経費として計上できるようになります。法人化には手間と費用がかかりますが、節税を重視する場合には、検討する価値のある選択肢といえるでしょう。

  • 信頼できる専門家に相談する

    経費として計上できるか判断の難しい支出が多く、経費として認められない支出を経費として計上してしまうと税務署から指摘を受ける恐れがあります。そのため、不安な場合は記帳や確定申告を税理士に代行してもらいましょう。これにより、正確性を向上させつつ、節税効果が期待できます。
    また、不動産管理会社や金融機関などへの相談も有効です。経費だけにとらわれず、キャッシュフローを改善することで、アパート経営の安定化につながる可能性があります。

まとめ

  • まとめ
  • 経費を正しく理解することは、アパート経営の収益力向上につながる可能性があります。認められる経費を適切に計上し、認められない支出を誤って申告しないよう注意することが大切です。判断に迷う場合は専門家に相談し、税務リスクを回避しながら安定した経営を目指しましょう。

FAQ

  • Qアイコン アパート経営で経費として落とせるものは何ですか。

    固定資産税・都市計画税、事業税、不動産取得税、登記費用、印紙税、損害保険料、修繕費、減価償却費、管理委託費、広告宣伝費、ローンの事務手数料・保証料・金利部分などが挙げられます。水道光熱費や通信費、交通費などは家事按分をしたうえで計上します。

  • Qアイコン 経費として落とせないものは何ですか。

    修繕を実施していない段階の修繕積立金、不動産購入時の仲介手数料、アパートローンの元本部分、アパート経営とは無関係な税金、個人の団体信用生命保険特約料、固定資産税精算金、アパートの購入代金などは経費として計上できません。

  • Qアイコン アパート経営の経費率の目安はどのくらいですか。

    築年数や物件の条件によっても異なりますが、年間家賃収入の15〜20%が目安です。収益性を判断する際は、経費や購入時諸費用を反映した実質利回りで確認しましょう。一棟アパートの実質利回りは6〜10%程度が目安とされています。

  • Qアイコン 家事按分とは何ですか。

    自宅や私物を仕事とプライベートの両方で使う場合に、事業に使った分だけを経費として計上することです。家賃は面積の割合、水道光熱費や通信費は使用時間の割合など、合理的で客観的に説明できる方法であれば認められます。

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アレップス コンテンツ編集部

アレップス コンテンツ編集部では、アパート経営や不動産投資に関するお悩みを解決すべく日夜スタッフが情報の最新かつ濃密な記事の発信を行っています!

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