親が住んでいたマンションの相続におけるポイントおよび注意点とは

親が亡くなった際、子は親のあらゆる遺産について相続する権利を得ます。それは不動産であったり、金銭であったり、あるいは親が残した負債であったりするでしょう。いずれにしても、法定相続人である子には親の全財産を相続する権利が発生し、それに伴い各種手続きも必要になるのです。
この記事では相続する財産の中でも不動産、特にマンションについて焦点を当て、相続の大まかな流れや相続に際して必要となる各種手続き、税関係で把握しておくべきことなど網羅的に解説します。今後、親の住むマンションを相続する可能性のある方は、相続についての知識を身につけておきましょう。

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親が住んでいたマンションを相続する流れ

  • 親が住んでいたマンションを相続する流れ
  • まずは、親のマンションを相続する際の流れを解説します。大まかに5つの段階を踏んで進めます。

  • 遺言書があるかどうか確認する

    はじめに、親が遺言書を残しているかどうかについて確認しましょう。残されている場合は、その内容に沿って相続手続きを進めていくことになります。
    なお、遺言書には「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」「公正証書遺言」の3種類があり、自筆証書遺言と秘密証書遺言の場合は家庭裁判所に提出の上、検認をしてもらう必要があります。この際、「遺言内容の改ざんを防止」するために未開封の状態で提出しなければなりません。
    公正証書遺言が残されている場合、その場で開封・内容の確認ができます。近くの公証役場に持参の上、確認しましょう。

  • 法定相続人を調査する

    次に行うのが法定相続人の調査です。法定相続人は民法に基づき常にその配偶者が該当しますが、配偶者も亡くなっている場合は被相続人の子、直系尊属(父母や祖父母など)、被相続人の兄弟姉妹の順で相続する権利が発生します。被相続人に複数の子がいる場合など、後々トラブルにつながり得るケースが想定されるため、法定相続人の調査については漏れがないように確認しましょう。被相続人の出生までさかのぼる戸籍謄本などを用いることで、どれくらいの法定相続人が存在しているのかが明確になります。
    なお、法定相続人にあたる方が既に亡くなっている場合や、相続放棄をする方がいる場合などには、その方の子や孫などに相続権が継承されていきます。そのため、記載されている法定相続人以上の関係者が存在している可能性があることを把握しておきましょう。

  • 遺産分割協議を行う

    法定相続人の調査後は、判明した法定相続人間で遺産分割協議を行います。分割できる金銭とは異なり、マンションは「法定相続人のうち誰が取得するのか」について、話し合いの上決定しなければなりません。詳細は後述しますが、この話し合いを踏まえて遺産協議分割書を作成する流れとなります。

  • 名義変更手続きを行う

    相続する方が決まったら、マンションの名義変更手続きを行います。この手続きを行わないと、例え相続権があっても自身の所有物とはなりません。所有物ではないマンションは、売却したり担保に入れたりということができないため、早めに行うようにしましょう。なお、2024年4月1日より相続登記の義務化が始まります。やむを得ない事情がない限りは、相続登記を行わないと罰則の対象となるため、放置せず必ず手続きを行いましょう。

  • 相続税の申告をする

    最後に相続税の申告を行います。相続する財産の総額が基礎控除の範囲内である場合は、相続税は発生せず申告の必要もありません。ただし、基礎控除の範囲を上回る場合や、いずれかの特例を利用した場合は申告する必要があります。相続税の詳細についても後述しています。

親が住んでいたマンション相続に際して必要な相続登記とは

  • 親が住んでいたマンション相続に際して必要な相続登記とは
  • ここでは、マンション相続に必要な相続登記について解説します。併せて、各種手続きの詳細も見ていきましょう。

  • 相続登記について

    マンションに限らず、不動産を相続する際には相続登記手続きが必要です。言い換えると「マンションの名義変更手続き」となります。被相続人の遺産は、法定相続人であれば誰でも相続する権利を有するものの、相続登記を行わない限りは相続人の所有物とはなりません。相続人にとって所有物でないマンションは売却や担保入れ、賃貸としての貸し出しなどが自由に行えないだけではなく、放置すれば所有者不明の物件として残されることになり、社会問題となっている所有者不明の建物・土地の増加につながってしまいます。このような理由から、相続登記は早めに行うようにしましょう。
    なお、相続登記に際して必要となる書類は以下の通りです。

    被相続人 戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍
    (被相続人の出生から死亡までの連続したもの)
    相続人 戸籍謄本
    (全ての法定相続人について必要)
    (住民票
    (名義変更する方のもの)
    その他 固定資産評価証明書
    (名義変更する年度のもの)
    相続関係説明図
    (戸籍謄本などの原本を返却するために必要)
    遺産分割協議書、印鑑証明書
    (法定相続分以外で名義変更を行う場合)
    不在籍証明書、不在住証明書、登記済証明書、上申書
    (必要書類がそろわない場合などに必要)
    手続きを代行してもらう司法書士事務所によって異なるため、上記はあくまでも一例です。
    これらの書類と登記申請書を記載の上、法務局へ登記申請を行います。
  • 法定相続人とは

    法定相続人については、民法第二章「相続人」の第887条、第889条、第890条にて明記されています。まず、亡くなった方の配偶者は常に法定相続人です。それに順じて、亡くなった方の子、亡くなった方の直系尊属(父母や祖父母)、亡くなった方の兄弟姉妹が法定相続人として認められます。相続することを放棄した方や内縁関係にあたる方は相続人には含まれません。
    ここで注意したいのは、法定相続人にあたる方が亡くなっている場合、その方の子や孫が相続権を継承する点です。また、法定相続人が2人以上存在する場合、原則として均等に分割することになっています。

  • 遺産相続および遺産分割の方法

    遺産分割には、「現物分割」「代償分割」「換価分割」「共有分割」の4種類が存在します。

    現物分割
    例えば被相続人がマンションを含む財産を有している場合、「マンションは配偶者」「金銭は長男」「自動車は長女」に分割して相続したり、マンションを共有名義で相続したりする方法です。手続きがシンプルである点、財産の評価をめぐってトラブルになりにくい点がメリットといえます。デメリットとしては、実際の価値を鑑みた際に不公平となる恐れがある点、土地を分割して相続した際に価値が下がる恐れがある点、および土地を分割して相続できないかもしれない点が挙げられます。

    代償分割
    法定相続人のうち特定の方1人がマンションを相続し、その他の相続人に対しては相当額の代償金を支払う方法です。マンションという不動産を分割して相続することはあまり現実的ではないため、比較的公平に相続手続きを進められる点がメリットといえます。一方、代償金を支払う側と支払われる側とで見積もる金額に差が発生し、トラブルに陥る恐れがあります。また、そもそも代償金を支払うだけの資金力がマンション取得者にあるかどうかも問題です。相続人全員に代償金を支払える余裕がなければ、この手法は利用できません。

    換価分割
    マンションを売却して得られる利益を相続人間で分割相続する方法です。相続人全員の同意が必要ですが、「残されたマンション自体はいらないので金銭が欲しい」という場合に有効といえるでしょう。得られた利益を分配するため、非常に公平な形で遺産相続を完了できます。しかし、相続人の中に不動産への思い入れのある方がいる場合は、話し合いがもつれる恐れがあります。また、売却手続きに手間がかかったり、思ったようにマンションが売却できなかったりというケースが発生し得るのが難点です。

    共有分割
    共有分割は、上記3つの分割手法を取ることが困難な場合に行う最後の手段といわれています。なぜなら、現物分割と代償分割、および換価分割ができない状態にあるということは、相続人間でかなり話し合いがもつれているケースがほとんどだからです。また、財産を共有という形で相続することは、その後も共有関係が永続することを意味します。共有分割まで話し合いがもつれてしまった相続人間で共有関係を維持することは不可能に近く、非常に高い確率でトラブルが続くといえるでしょう。そのため、一旦共有分割を行い、共有関係を解消するために「共有物分割訴訟」を起こし、関係を解消することが望ましいとされています。

  • 遺産分割協議について

    原則として、遺言書による指定がない場合、被相続人の財産は法定相続人間で「法定相続分に応じて」相続することになっています。しかし、相続人全員の同意がある場合、法定相続分に準ずることなく自由に財産分割を行えるのです。この際に行われる話し合いを遺産分割協議と呼びます。
    例えば、母の名義だったマンション、および現金を子である兄弟AとBが相続する場合、法定相続分にのっとればマンションと現金を半分ずつ相続することになります。しかし、遺産分割協議を行えば「Aはマンションを相続」し「Bは現金を相続」する、という形にすることも可能になるわけです。
    もちろん、残された財産を自由に分割するには相続人全員の同意が必要となります。1人でも反対する方がいる場合、遺産分割協議は成立しません。この場合は解決に向けて、家庭裁判所に調停や審判を申し立てる必要があります。また、相続人の中に未成年者がいる場合、その方に代わって特別代理人を選任し、家庭裁判所に申し立てを行わなければなりません。

親が住んでいたマンションを相続する際の税関係について

  • 親が住んでいたマンションを相続する際の税関係について
  • マンションを相続する際は、主に「登録免許税」と「相続税」が発生します。ここでは、マンション相続時に納める必要のある税金について、計算方法や節税措置の内容を解説します。

  • 登録免許税

    登録免許税とは、不動産の登記、および会社・個人の商業登記に際して収める必要がある税です。マンションの相続に際して収める必要のある登録免許税は、以下の計算式で算出できます。

    固定資産税評価額 × 0.4% = 登録免許税額

    なお、2025年3月31日までは、以下の条件を満たす場合、登録免許税の免税措置が取られています。

    相続により土地を取得した個人が登記を受ける前に死亡した場合の措置
    父が亡くなった後、名義変更手続きを行わないまま母が父名義のマンションに住み続け、そのまま亡くなった場合、子は「父から母へ」と「母から子へ」というように2回の登記手続きを行わなければなりません。この場合、子は2倍の費用を負担することになります。こうした負担を軽減するため、「父から母へ」の部分については登録免許税が免税される、ということです。ただし、それぞれの登記手続きにかかる書類の取得費用は負担する必要があるため注意しましょう。

  • 相続税

    被相続人が残した財産の総額が基礎控除額を上回る場合、相続税が課されます。基礎控除額は、以下の計算式で算出します。

    3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の人数 = 基礎控除額

    なお、相続税の税率については以下の通りです。

    法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
    1,000万円以下 10%
    3,000万円以下 15% 50万円
    5,000万円以下 20% 200万円
    1億円以下 30% 700万円
    2億円以下 40% 1,700万円
    3億円以下 45% 2,700万円
    6億円以下 50% 4,200万円
    6億円超 55% 7,200万円

  • 相続税評価額計算方法

    相続税を算出するためには、相続税評価額が必要です。マンションの場合、マンションの「建物部分」と「土地部分」それぞれの相続税評価額を算出しなければなりません。
    建物部分に関しては、毎年送付される固定資産税課税明細書に記載の固定資産税評価額を確認すれば分かります。
    土地部分については、以下の計算式で算出可能です。

    路線価(1㎡あたり)× 土地面積(㎡)× 持分割合 = 土地部分の相続税評価額

    路線価は、国税庁のHPにアクセスし、財産評価基準目次で「路線価図」を選択後、市区町村と町・丁目を選択すれば調べられます。
    なお、路線価がない地域もあるため、その場合は「倍率方式」というやり方で評価が可能です。同じく国税庁のHPにて、市区町村選択画面で「この都道府県の評価倍率表を見る」を選択するか、町・丁目の選択画面で「この市区町村の評価倍率表を見る」でそれぞれの評価倍率表が表示されるので、確認してみましょう。固定資産税評価額にそれぞれの評価倍率をかけることで、土地の価格を評価できます。

  • 節税はできるのか

    登録免許税は、条件を満たす場合に限り免税措置が取られていますが、相続税についてはどうなのでしょうか。マンションに適用される相続税の節税措置としては、以下の4つが挙げられます。

    相続税の配偶者控除
    「1億6,000万円」または「法定相続分以内の相続」の金額までは、配偶者の課税価格について相続税が課されなくなります。
    ただし、これは配偶者に限定された節税措置であり、子には適用されません。

    小規模住宅の特例
    対象の土地について、土地の評価額を減額します。対象となる土地は以下の通りです。

    対象となる土地 土地の概要
    特定居住用宅地など 亡くなった方の自宅
    貸付事業用宅地など 賃貸物件や貸駐車場などの収益物件
    特定事業用宅地など 亡くなった方の事業用地
    特定同族会社事業用宅地など 亡くなった方自身が経営する同族会社に貸していた土地
    ※同族会社(故人と親族の持株割合が5割を超える会社)
    また、土地区分による限度面積、および評価額の減額割合は以下の通りとなっています。
    用途 土地区分 限度面積 減額割合
    自宅 特定居住用宅地など 330㎡ 8割
    収益物件 貸付事業用宅地など 200㎡ 5割
    事業用地 特定事業用宅地など 400㎡ 8割
    売却する場合の取得費加算の特例
    相続した土地や建物について「相続から3年10カ月以内」に売却を行った場合、納めた相続税額の一定金額が相続した資産の取得費に加算される特例です。通常、マンションを売却して得られた利益からは、資産の取得費を差し引いた金額について譲渡所得税が課されます。しかし、この特例を利用すれば、相続税額のうち一定の金額について取得費に加算できるため、譲渡所得税の節税が可能となるのです。

    配偶者居住権の活用
    相続が発生する前に被相続人の配偶者が生活していた住宅について、配偶者が相続を行わなくても引き続き住める、という権利が配偶者居住権です。この権利を活用すれば二次相続対策につながり、配偶者だけでなくその子についての相続税も節税できます。

親が住んでいたマンション相続後の選択肢とは

  • 親が住んでいたマンション相続後の選択肢とは
  • マンションの相続後、相続人には3つの選択肢があります。この時の注意点として、相続したマンションを放置することは絶対に避けましょう。2023年現在、相続した不動産を放置することに対して罰則は科されません。しかし、2024年4月1日より相続登記の義務化が開始され、やむを得ない事情がない限りは相続登記せず放置することに対して罰則が適用されます。また、名義変更した上で放置することもおすすめできません。マンションなど不動産は、所有しているだけで固定資産税や管理維持費などがかかる上に、年々その価値が下がってしまいます。こうしたデメリットがあるため、相続後は以下3つの選択肢いずれかを取ることが賢明です。

  • 住む

    まずは、引き続き住む、あるいは引っ越してきて住むという選択肢があります。土地勘がある場合は生活自体が楽になると予想でき、思い入れがあるという側面からも住むことにはメリットがあるといえるでしょう。一方、固定資産税など税負担がかかる点には注意が必要です。

  • 売る

    住むのが難しく、管理も難しい場合は思い切って売却してしまうのも一つの方法です。マンションを所有している状態では、管理費や固定資産税といった負担がかかります。そのため、手元にまとまった現金を得られる可能性が高い売却はおすすめの選択肢といえます。ただし、予想よりも安い価格でしか売れなかったり、譲渡所得税がかかったりするのが難点です。
    もし、相続したマンションの売却を検討する場合は、複数の不動産会社に売却査定を依頼してみましょう。こうしたご相談については、弊社でも承っておりますのでお気軽にご相談ください。

  • 貸す

    手放すほどではないけれど、相続したマンションを使って利益を得たいと考えている場合は賃貸物件として貸し出す方法が有効です。うまくいけば家賃収入によって定期的な不労所得を得られる他、貸し出すことをやめても所有権は自身にあるため、自分が住むことも可能です。修繕・リフォーム費用がかかったり、不動産管理・仲介に際して手数料を支払う必要があったりするものの、マンションの立地や築年数など条件が良ければ高い効果を期待できます。この場合も、不動産会社へあらかじめ相談することをおすすめします。

  • 相続したマンションをどうするか決めるポイント

    相続したマンションをどう取り扱うかは、以下の点を比較した上で考えると良いでしょう。

    選択肢 ポイント
    住む 自身のみならず、子や孫まで住む可能性が高ければ所有資産として残す
    売る 住まず、管理もしない可能性が高ければ他者に売却し利益を得る
    貸す 将来的に住む可能性があり、利益も得たい場合は一定期間貸し出す
    売る場合と貸す場合は「高く売れるのか」「借り手のニーズがあるのか」という点を正確に把握した上で行動に移すことがポイントです。

親が住んでいた古いマンションを相続する際の問題

  • 親が住んでいた古いマンションを相続する際の問題
  • 相続するマンションが古く老朽化している場合、いくつか注意点があります。それぞれについて見ていきましょう。

  • 老朽化したマンションの相続リスク

    相続時点で、マンションが老朽化しているケースは多いでしょう。この場合、以下のような問題が考えられます。

    空室増加のリスク
    老朽化しているマンションについては、マンション管理組合が行う管理維持業務が機能不全を起こしており、新規に住む方が少なくなっていく傾向があります。結果として、マンションの老朽化は進み、ほとんど廃墟のようになってしまう恐れがあるのです。住み続けるにせよ、売るか貸し出すにせよ、空室が多く廃墟化しているマンションには相応のリスクが伴うということを覚えておきましょう。

    売却および貸出リスク
    老朽化の激しいマンションは、買い手や借り手からすると魅力がありません。相続して売却、または貸し出すことで利益を得ようと考えても、買い手や借り手が現れなければいつまでも所有しているマンションの税や管理費を負担しなくてはならなくなります。売却や貸出が難しい場合は、相続放棄をするという選択肢があることも覚えておきましょう。

  • 分譲マンションの飽和

    都市部を中心に、新築の分譲マンションが次々と建設されています。これは、人口が減少している現代において、都市部への人口流入が増加しているからだといわれています。一方、地方における既存のマンションについては今後、存続の危機が迫っている状況です。住む人がいなくなればマンションを管理する費用が捻出できなくなり、マンションそのものの存続ができなくなるからです。
    このように、人口が減少しているにもかかわらず新築マンションの数は増加している現状では、築古マンションの魅力は減退の一途をたどるでしょう。親が住んでいたマンションが古い場合は、こうした問題についても把握しておく必要があります。

  • 維持費の問題

    古いマンションを相続すると、所有権は自身に移るため、マンションの管理維持費や固定資産税の負担が自分にのしかかることになります。住まず、売らず、貸し出しもしない場合、年間数十万円の費用を負担することは無駄なため、相続したマンションをどのように取り扱うかよく考えましょう。

  • 建て替え・修繕の問題

    老朽化したマンションを建て替えたり、大規模な修繕を行ったりする場合にはプールしておいた修繕積立金を使用します。しかし、老朽化の度合いによっては積立金だけでは足りないケースもあるのです。この際、マンション管理組合から一時金を支払うよう求められることもあります。高齢化などが原因でこの一時金を支払えない住民が多いと、結果としてマンションの建て替え・修繕が行えず、さらに老朽化が進んでしまう悪循環となるでしょう。

  • 相続を放棄した場合について

    ここまで見ると、老朽化したマンションは相続放棄をしてしまえば解決なのではないか、と考える方もいるかもしれません。しかし、相続放棄とは「一切の財産について相続することを放棄する」手続きを指します。つまり、老朽化したマンションだけ相続せず、親が残した現金などは相続するということはできないのです。また、仮に相続放棄を行っても、相続財産管理人が選出されるまでの期間はマンションの管理義務が生じます。
    マンションが老朽化して価値がなさそうだからという理由だけで相続放棄はせず、他に相続したい財産がある場合は、適切に相続手続きを行った上で売却するなどの手段を取るようにしましょう。

まとめ

  • まとめ
  • 亡くなった親のマンションを相続するにあたっては、適切な手続きを踏んでいく必要があります。そして、相続後はマンションの条件などを鑑みた上で「住む」「売る」「貸す」という3つの選択肢があることを覚えておきましょう。
    相続したマンションを売却したり、賃貸物件として貸し出したりすることを検討する場合は、近くの不動産会社に相談してみるのがおすすめです。なお、不動産に関するご相談は当社でも承っています。ぜひ、お気軽にご相談ください。

FAQ

  • Qアイコン 相続登記について教えてください。

    マンションに限らず、不動産を相続する際には相続登記手続きが必要です。言い換えると「マンションの名義変更手続き」となります。被相続人の遺産は、法定相続人であれば誰でも相続する権利を有するものの、相続登記を行わない限りは相続人の所有物とはなりません。

  • Qアイコン 法定相続人とはどこまでですか?

    まず、亡くなった方の配偶者は常に法定相続人です。それに順じて、亡くなった方の子、亡くなった方の直系尊属(父母や祖父母)、亡くなった方の兄弟姉妹が法定相続人として認められます。相続することを放棄した方や内縁関係にあたる方は相続人には含まれません。

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