アパート経営にかかる年間経費の仕組みとは?相談先や節約のコツも徹底解説

アパート経営は、家賃や駐車場賃料の収入から管理会社への管理委託料などの経費を支出として差し引いた利益額に対して課税される仕組みです。アパート経営の支出には「経費」として認められるものと認められないものがあり、経費の仕組みを理解していると節税効果も生まれます。この記事ではアパート経営の収支に注目し、経費の仕組みや節税のコツ、アパート経営を行う際の頼りになる相談先について解説します。

不動産経営の成功率は?!

目次

アパート経営と年間経費の仕組み

  • アパート経営と年間経費の仕組み
  • 「経費」と呼ばれるものは、アパート経営を行う際の支出の一要素です。経費の解説を進める前に、物件のオーナーとしてアパート経営を行う際の一般的な支出と収入の全体像を整理しておきましょう。

  • アパート経営の支出内訳

    アパート経営に伴う支出はさまざまありますが、ここでは代表的な費用を紹介します。支出には経費として「落とせる費用」と「落とせない費用」に分かれますが、以下の支出は経費として落とせる費用となります。

    管理委託料
    アパート経営を行うオーナーは、物件の管理を管理会社に委託しているケースも少なくありません。委託内容によって金額は変動しますが、目安として家賃の5%程度です。

    建物修繕費
    住人の入退去時や定期的に必要になるのが建物の修繕費です。「原状回復」、「オーナーが費用を負担する補修」、「予防修繕」、「計画的な大規模修繕」が該当します。修繕は状況次第で高額な費用が発生することもあるので、日頃から修繕費を積み立てておくのが賢明です。なお、大規模修繕や耐用年数期間の機能向上目的の場合、資本的支出として減価償却費で対応することもあります。

    仲介手数料
    「仲介手数料無料」の物件で賃貸借契約が成立した場合、仲介した不動産会社へ支払う費用です。上限は宅地建物取引業法に基づき家賃の1ヶ月分です。別途「広告料」の名目で費用が発生するケースもあります。

    保険料
    物件の施設賠償責任保険や火災保険の保険料です。不動産のオーナーであればリスクヘッジとしても重要な保険です。自然災害だけでなく、盗難などの人為的な被害も保証対象になります。

    各種税金
    アパート経営による不動産所得には、毎年確定申告を行い納税が必要です。税金に関して詳細は後述します。

  • アパート経営の収入内訳

    続いて、アパート経営に伴う主な収入は以下の通りです。

    家賃
    アパート経営の主な収入源となるのが家賃(賃料)です。新規で入居する場合は当月分を日割りにし、前家賃として翌月分を契約時に支払うのが一般的とされます。なお、住宅として貸し付ける家賃は非課税なので注意しましょう。

    駐車場賃料
    別途駐車場を借りる場合の賃料です。基本的に家賃に準じて扱われますが、1ヶ月に満たない貸し付けには消費税が発生します。

    共益費や管理費
    税務上では共益費や管理費も収入と見なされ、こちらも基本的に家賃に準じて扱います。なお、実際の使用に対する電気代や水道代は経費となります。

    礼金
    礼金は、入居者からオーナー(大家)への謝礼に相当し多くは家賃1ヶ月分、居住用ならば非課税です。一部地域では、「保証金」や「敷引き」という名目で入居者が退去するまで預かり金となることもあります。

    更新料
    地域や管理会社、オーナーの意向次第で取扱いが異なるのが更新料です。設定される場合、通常は家賃1~2ヶ月分です。なお、「更新手数料」は物件のオーナーではなく管理会社の収入となります。

  • アパート経営の経費率の目安

    アパート経営の際は、オーナーは想定される経費を把握しておくことが大切です。支出に対する経費を試算するには「経費率」という指標がよく使われます。経費率は、所得(収入)に対して経費がどの程度の割合を占めるか示す値で、低いほど手取りの金額は増える仕組みです。経費率の相場は15~20%ですが、物件の状態や立地条件で変動します。
    経費が同額の物件でも、家賃水準が高い地域の方が経費率は低い傾向です。また、物件価格が同額の場合、固定資産税が安い地域の方が経費率は低い傾向にあります。管理会社と相談しつつ、無理のない範囲で調整しましょう。

  • 物件の「利回り」の理解は経営上必須

    アパート経営は、「不動産投資」と呼ばれる投資活動の一つです。投資の側面があるため、「利回り」を理解していなければなりません。投資を行う際は「利回り」を見極められるかで手元に残る利益が左右され、経営方針の参考にする際や、投資物件を選ぶ際に収益性を判断するためにも重要な指標です。
    不動産投資における利回りは、アパートなどの物件の購入費用(投資金額)に対して実際に得られた家賃収入の割合(%)を指します。利回りは収入と投資額で決まり、不動産投資広告に掲載されている利回りどおりの利益が保証されるとは限りません。

    利回りの種類は、以下の3種類です。

    表面利回り
    広告に掲載されている利回りは、この「表面利回り」が一般的です。年間の家賃収入を物件の購入金額で割った数値ですが、実際には仲介手数料や修繕費、固定資産税などの経費が引かれます。

    実質利回り
    アパート経営など不動産投資の際に注目すべきはこの「実質利回り」です。表面利回りから物件購入時の諸経費、年間の諸経費を引いた数値です。

    想定利回り
    不動産投資の際、空室ゼロの満室時の利回りを指した「想定利回り」もあります。広告に掲載される利回りは、想定利回りである場合もあります。常時満室であるとは限らないため、この数値を鵜呑みにしないよう注意しましょう。

    家賃収入がアパート経営の主な収入源ですが、常時満室を維持することは難しいこともあります。時期による入退去や需要の変化だけでなく、建物は徐々に経年劣化するものです。また、「高利回り=もうかる」という判断は誤りです。利回りは投資の収益性の判断指標ですが、投資額が少なければ受け取れる利益も少なくなるでしょう。

アパート経営の年間経費として落とせる費用

  • アパート経営の年間経費として落とせる費用
  • アパート経営に伴う諸費用や税金には、経費として落とせる(計上できる)ものと落とせない費用があります。アパート経営に直接かかわる経費、経営にかかわる部分とそうでない部分を明確に線引きできるかが判断基準です。

    経費として落とせる費用
    ・公租公課(※固定資産税、都市計画税などの税金。詳細は後述)
    ・各種保険料(※1年単位の保険はその年に計上可能、数年単位の場合は月割りで計上)
    ・修繕費
    ・管理委託料
    ・仲介手数料
    ・物件の広告宣伝費
    ・減価償却費
    ・水道光熱費
    ・通信費(事業に関連した郵便や電話料など)
    ・交通費(事業に関連したガソリン代や電車代など)
    ・接待維持費(事業に関連した飲食費、打ち合わせ費用など)
    ・専門家報酬
    ・新聞図書費(不動産関連書籍や業界新聞など)
    ・消耗品費
    ・青色事業専従者給与
    (※青色申告者と同じ生計の15歳以上の配偶者やその他の親族への給与)
    ・給料賃金
    ・投資ローンの利息部分(借入金の利子)、保証料

アパート経営の年間経費として落とせない費用

  • アパート経営の年間経費として落とせない費用
  • 経費として落とせない(計上できない)費用は主に以下の4種類です。アパート経営は経費を計上するほど、不動産所得の金額を減らせます。所得税の節税に思えますが、経費として見なされない支出を計上した場合、税務署から指摘され追徴課税が課せられることもあります。

    不動産と関係しない税金
    アパートなど不動産にかかる固定資産税、都市計画税、登録免許税、事業税などの税金は必要経費の対象ですが、それ以外の所得税、住民税、法人税、追徴課税など不動産に関係のない税金は経費の対象外です。

    投資ローンの元本
    ローンを利用して物件を購入した場合、利子は経費になりますが、借入金の元本は経費の対象外です。

    20万円を超える修繕費
    アパート経営には、建物や敷地内の修理に伴い修繕費用も発生します。費用は内容や程度によって大きく変動しますが、一ヵ所につき20万円以上を超える場合は経費ではなく資本的支出となります。資本的支出は、新たな資産を構築するための支出という意味です。費用は一旦資産に計上され、後で減価償却を行います。

    アパート経営に関連しない支出
    アパート経営の経費として認められるのは、アパート経営に関連した支出です。オーナー自身の生活費、建物や土地の売買費用は対象外です。車やスマートフォンなどプライベートと共用の場合、「家事按分」と呼ばれ面積の割合や使用時間の割合、ガソリンなど定量的な区分で按分し計算されます。

【アパート経営】年間経費の節約ポイント6選

  • 【アパート経営】年間経費の節約ポイント6選
  • 経営に伴う経費を節約するほど、オーナーの手取りの額は増えます。しかし、過度な経費削減は入居者の身の安全を脅かしたり、不満の原因となったりします。入居者が退去してしまえば収入自体が減るため、経営の質を低下させないことが大切です。ここでは、比較的節約しやすい6つのポイントを紹介します。

  • ①経費削減のコツは「賃貸管理料」

    アパート経営の経費で、占める割合が多いのは賃貸管理会社に支払う「賃貸管理料」です。家賃の約5%~10%が目安で、管理内容や物件構造によって金額は変動します。費用を抑えたい場合は一部をオーナー自身で行うと物件をチェックする意味でも合理的です。入退去の手続きやクレーム対応、修繕計画は依頼し、可能な範囲で自分でも行いましょう。

  • ②安定収入のコツは「入居者を絶やさない」

    アパート経営の収入源は入居者からの家賃が大半です。空室率を低く抑え、退去者が出たあともすぐに次の入居者が決まるのが理想です。空室対策は管理会社と共同で取り組み、周辺地域の賃貸需要や競合物件、家賃相場、物件に対する入居者の満足度も参考にしましょう。管理会社の担当との連携が重要になるので、日頃からこまめに連絡をとり情報共有する必要があります。

  • ③長期的な収支計画や見通しが大切

    アパート経営のような不動産投資は、長期的な計画を立てておくのが大切です。特に大規模修繕はまとまった支出にもなるため、積立金や自己資金も必要です。不急の修繕が発生した場合は時期を分散させることで、所得税を抑える効果が期待できます。アパート経営をするオーナーの中には、規模の小さい物件の経営からはじめ、経験を積んで複数物件を所有している方もいます。何かあった場合の迅速な対応だけでなく、長期的な視点も忘れないようにしましょう。

  • ④簿記の知識は経営に役立つ

    アパート経営には頼りになる専門家とのつながりも大切ですが、自身でもアパート経営関連の知識を増やすことも欠かせません。特に簿記の内容は経営の財政状況を判断できるため、経費の節約を考える際や確定申告時の手続きの際にスムーズに進められます。不明点はまず自分でも調べ、そのうえで専門家や各種相談先に相談するという能動的な姿勢が理想です。

  • ⑤パートナーとなる不動産会社選びを慎重に行う

    他でも触れていますが、アパート経営はパートナーとなる不動産会社選びが重要です。地域によっては多くの不動産会社があり、どこを選べばよいか判断に迷うこともあるでしょう。適切なタイミングで必要な範囲の修繕を行い、過度な修繕費を支払う事態を回避する目的もあります。不動産会社を選ぶポイントとしては、管理実績と共に「担当者が丁寧」「管理委託費が高すぎない」「客付け力(営業力)が高い」「仲介部署がある」などを確認すると良いでしょう。

  • ⑥経費率を下げるデメリットもある

    経費を節約し、経費率を下げるにも注意したい点があるのを忘れてはいけません。経費率が低ければ手元に残るお金は増えますが、過剰に経費節約を行った結果、物件の質を落としてしまうでしょう。経費の金額以外にも周辺地域の家賃相場や築年数も経費率に影響します。契約しているローンや保険も見直しつつ、建物の維持管理費は確保し、入居者が不満を抱えてしまわぬように注意してください。

アパート経営の年間経費と節税の考え方

  • アパート経営の年間経費と節税の考え方
  • アパート経営による不動産所得には、複数の税金が課税される仕組みです。経費同様、うまくやりくりすれば節税効果もありますが、複雑な税制面を理解するのは難しいこともあります。アパート経営を行う場合、具体的な節税方法を相談できる税理士を見つけておくのがおすすめです。ここでは、アパート経営を行う際にかかる税金を確認しながら節税方法について解説します。

  • アパート経営で発生する税金の種類

    アパート経営に伴う主な税金は以下の通りです。物件を取得した初年度に課せられる税金と、毎年課せられる税金に分かれます。アパート経営の収入は、総合課税方式です。他の給与所得などがある場合、合算した所得に対して課税額が決まります。

    初年度

    不動産取得税 固定資産税評価額 × 3%
    登録免許税 固定資産税評価額 × 0.4%
    印紙税 金額によって変動

    毎年

    ※自動的に課税(物件や土地の価値に応じて課税、節税できない)

    固定資産税 課税標準 × 1.4%
    都市計画税 課税標準 × 0.3%

    ※確定申告後に課税(利益に対して課税、一部節税できる)

    所得税 所得 × 累進課税率 – 控除額
    住民税 所得 × 10% + 均等割
    事業税 (総収入金額 - 必要経費 - 290万円)× 5%
    消費税 基準期間内で課税売上高が1,000万円を超える場合に発生
  • 副業でアパート経営を行うなら「確定申告」も必要

    アパート経営の不動産所得の納税や節税を行うには確定申告が重要になります。所得税は暦年課税として、1月1日〜12月31日までの所得が対象です。不動産所得から認められる範囲で「減価償却費」を差し引くと、その分所得を下げる(=納税額を下げる)ことができます。所得を正しく計上し、節税効果を高めるには税理士に相談するのがおすすめです。税理士に相談すると、税金関連の総合的な相談も行えます。

  • 赤字の場合は「損益通算」によって節税

    アパート経営を行っていると、状況によっては不動産所得より経費が上回ってしまうことも想定されます。当該年度の所得が赤字になった場合に有効なのが「損益通算」です。不動産所得以外にも、事業所得、譲渡所得、山林所得で赤字となった場合は損益通算によって所得総額を下げられます。結果的に課税される所得税を減らせるので、覚えておくと良いでしょう。

  • 年間所得が900万を超えたら法人化も検討

    アパート経営によって、年間所得が900万円を超えた場合は法人化した方が税金対策に有効です。法人化することで経費が認められる範囲も広く、課税税率も低くなります。また、法人化ならではの利点として、親族を役員とすることで役員報酬を利用した所得分配が可能なことから、さらに節税効果を高められます。ただし、対象となる経費項目が同じな点には気を付けましょう。

【お悩み別】アパート経営時の役立つ相談先一覧

  • 【お悩み別】アパート経営時の役立つ相談先一覧
  • アパート経営を行う場合は建物関連、購入費用などの資金面、家賃設定や入居者関連、節税などの税制面などの悩みを抱えることもあります。内容によっては専門性があるため、遅滞なく適切な判断を行う際は、悩みの分野別に相談先を知っておくと安心です。以下の相談先を参考に、アパート経営に伴う不安に正しく対処しましょう。

  • アパート経営を始めたいとき

    アパート経営を始めるときの相談先にはいくつか候補があります。それぞれの特徴を整理すると以下の通りです。相談は1社に限らず、いくつかの相談先を利用して比較しましょう。

    ハウスメーカー
    新規で投資用物件を建築する場合や、アフターフォローが充実しているのが特徴です。全国に支店を持つようなメーカーは業務が統一されており、サービスや品質に優れています。

    工務店
    ハウスメーカーよりも低価格で、建てる物件にこだわりを持ちたいオーナー向きです。比較的柔軟に対応してもらえますが、得意分野が分かれるため長年地域で営業している工務店を優先すると良いでしょう。

    不動産業者
    不動産業者は不動産の仲介や売買に伴う取引全般を行っています。アパート経営を行う場合、不動産の仲介業を専門にしている不動産業者に相談しましょう。担当者によってサービスに差があることもあるため、信頼できる業者を見極める必要があります。

    ファイナンシャルプランナー
    アパート経営など不動産投資を含めた資産運用全般を相談するならば、独立系のファイナンシャルプランナーが適切です。不動産購入や資金調達、保険、自身のライフプランなども相談できます。

  • アパートローンや融資関連

    アパートローンを利用する際は、融資を申し込む銀行に相談します。銀行など各金融機関は、不動産投資用のローン商品を提供しています。設定しているローン形式はさまざまですが、金利によって支払総額が変動するため、慎重にローンを利用しなければなりません。審査をスムーズに進めるためにも、内部事情も知るハウスメーカーに相談し、審査の動向も調査しましょう。

  • 家賃や入居者関連

    アパート経営を初めて運営すると想定した場合、入居者関連のトラブルや家賃の不払いなどの相談先は管理会社への相談が優先されます。内容次第では、管理会社ではなく物件を管理しているオーナー自身が対応しなければいけないケースや、深刻な場合は弁護士へ相談するケースもあるかもしれません。弁護士への相談は、各都道府県の弁護士会が行っている法律相談を利用すると低価格で相談可能です。日程が限られますが、平日夜間や土曜日も対応しています。緊急性が低い場合は候補の一つとして検討しておきましょう。

  • 確定申告関連

    アパート経営による収益には、毎年確定申告が必要です。書籍やインターネット上にも確定申告の手続きをまとめたサイトがありますが、手続きに不慣れな方は確定申告時期の前に行われる無料の相談会が便利です。ベテランの税理士が具体的なアドバイスをくれるので、相談前に申告書類を作成して不明点を整理しておくと効率的です。気になる方は、お住いの市町村の確定申告情報を確認してみましょう。

  • 相続税や税金関連

    相続税対策を目的に、アパート経営を検討された方もいるでしょう。相続税を含めた税金関連は理解するのも難しいため、相続税に力を入れている税理士に相談するのがおすすめです。税理士は、アパート経営による節税効果を高めたい場合や確定申告時の際に頼りになります。アパート経営のアドバイスも受けられるため信頼できる税理士を見つけておきましょう。ただし、税理士にも得意分野があるため、あらかじめHPなどを確かめる必要があります。

  • その他の相談先

    上記で紹介した相談先以外にも、アパート経営時のさまざまなトラブルやお悩みの相談先があります。事態が悪化する前に、迅速な対応を心がけましょう。どの相談先にも共通しますが「自分なりの考えをまとめておく」、「解消したい悩みや問題のリスト化」、「複数へ相談する」などは効率的な対応です。

    法テラス
    国が設立した機関で、各種法的トラブルの相談を受け付けます。具体的には賃貸借契約、家賃のトラブル、原状回復などの対応を行います。各都道府県に事務所があるため、弁護士や司法書士へ法律相談が可能です。条件を満たす場合は無料で相談できます。

    都道府県宅建協会
    各都道府県に、不動産会社をまとめる全国宅地建物取引業協会の支部があります。一般消費者(アパート経営を行う一般の方を含む)向けの無料相談を実施しており、不動産業界のベテラン相談員や弁護士(一部地域)が対応してくれます。

アパート経営の年間経費と収入事例

  • アパート経営の年間経費と収入事例
  • ここまで、アパート経営に伴う経費や節税方法を解説しました。国税庁が令和2年に不動産所得を調査したところ、アパート経営の平均収入は540万円程度という結果でした。この数値にはアパート以外の不動産所得も含まれますが、およその目安として参考にすると良いでしょう。なお、経費は「建物修繕や設備交換費用」「賃貸管理費用」「各種保険料」に大別され、このほかローンの返済や先述した税金も納める必要があります。以下は、アパート経営時の経費の目安です。

    建物修繕や設備交換費用

    フローリング張り替え 約20,000~60,000円/畳
    クロス張り替え 約750~1,500円/㎡
    トイレの便座交換 約50,000~100,000円
    ハウスクリーニング 約15,000~70,000円

    これらの項目は、退去者が出るたびの原状回復費用として発生します。なお、築年数が経過するほど費用が高くなる傾向にあります。

    賃貸管理費用

    管理手数料 家賃の約5%~10%
    仲介手数料(入居時) 家賃の約50%
    広告掲載料 家賃の約20%
    共用部の電気・水道代 毎月約10,000円
    共用部の清掃費 毎月約5,000円~
    接待交通費 物件によって異なる

    各種保険料

    建物時価の8割程度が目安。物件の構造や規模によって変動し、保険会社による違いよりも保険期間や補償の範囲によって費用が異なります。

アパート経営は経費以外で収益を増やせる?

  • アパート経営は経費以外で収益を増やせる?
  • アパート経営にかかる経費を節約すれば、手元に残る収益を増やせます。また、経費以外でも収支のキャッシュフローを改善し、収益を増やせるかもしれません。ここでは、アパート経営の収益を経費以外で増やす方法を紹介します。

  • 収益が見込める物件を見極める

    アパートに限らず、不動産投資は入居者がいてこそ成立します。収益を見込める物件を慎重に見極めるポイントは、物件の「利便性」「設備」「管理方法」の3つのバランスが大切です。自身が物件を選ぶ際も、駅からの距離や周辺施設の利便性を重視するでしょう。
    また、築年数が経過している物件は劣化によって割安傾向ですが、メンテナンスが行き届いていることが重要です。管理会社の評判なども参考に、入居者目線も意識して物件を見極めましょう。

  • 物件のメンテナンスを徹底し、価値を落とさない

    アパートなどの建物は、自然と経年劣化していくものです。アパート経営を続けるには、物件の価値を下げるスピードを遅らせるためにも、計画的で遅滞の無いメンテナンスが欠かせません。あらかじめメンテナンス費用を資金計画に含め、日頃から積立をしておきましょう。
    定期的なメンテナンスを重ねていれば、大がかりな修繕が必要になるリスクを下げます。入居者の目に留まりやすい外壁や階段、廊下などの共用部は特に重要です。加えて日常的に扱う水回りやガス、電気設備のメンテナンスも必要不可欠といえます。

  • ローンの頭金を増やす

    アパートは、物件次第では数千万単位の購入資金が必要になるケースがあります。まとまった資金を一括で支払うのは容易でなく、不動産投資の資金作りにローンを利用する方も少なくありません。低金利の場合、頭金が多いと審査が有利になる傾向があります。
    頭金は総額の1~2割が相場です。頭金を増やす以外にも、繰り上げ返済を積極的に行いつつ早期の完済を目指すのがおすすめです。なお、返済途中にローンの借り換えを検討する場合、必ずしも融資条件が改善するとは限らないので注意しましょう。

  • 節税効果が高いのは「中古物件」

    家賃などの不動産所得は課税対象ですが、節税効果を重視するなら中古物件がおすすめです。中古は新築物件よりも購入費用が安く、初期費用を抑えられます。新築よりも耐用年数も短いため、期間内は減価償却費として節税効果もあります。
    また中古アパートの場合、新築アパートよりも購入費用自体も安いため、初期費用を抑えることができるのも特徴です。中古物件は入居者を見つけられるか(客付け)がカギとなるため、過去のメンテナンスや居住状況、周辺地域の家賃相場もきちんと確認しましょう。

まとめ

  • まとめ
  • この記事では、アパート経営にかかる年間の経費に注目し、一般的な経費の項目や相場、計算方法、節約のコツを中心に解説しました。アパート経営を副業で行う方も少なくありませんが、収益に影響する税金や法律関連の仕組みを理解するのは容易ではありません。
    経費節約を意識するあまり、入居者の日々の生活に支障が出てしまうような修繕を放置することは利益の損失につながります。計画的な修繕計画のもとで物件を管理し、不動産としての価値を下げない意識が大切です。
    また、利益が出ていても正しく申告していないことで追徴金などのペナルティが課せられてしまうケースもあります。安心してアパート経営を継続するためにも、頼りになる良質なパートナーを見つけ、自身も入居者も満足度の高いアパート経営を目指しましょう。

FAQ

  • Qアイコン アパート経営と年間経費の仕組みを教えてください。

    「経費」と呼ばれるものは、アパート経営を行う際の支出の一要素です。物件のオーナーとしてアパート経営を行う際の一般的な支出と収入の全体像を整理しています。
    詳細はこちらを参考にしてください。

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