オーナーチェンジ物件のデメリットを把握して上手く賃貸経営を行おう

オーナーチェンジ物件を購入する際に、デメリットが気になるオーナー様は多いでしょう。賃貸経営を行うには、事前にさまざまなリスクを把握することが大切です。
この記事では、オーナーチェンジ物件のデメリットやメリット、注意点などを解説します。また、オーナー様が気になるQ&Aも紹介しておりますので、併せてご参考ください。

目次

オーナーチェンジ物件について

  • オーナーチェンジ物件について
  • オーナーチェンジ物件とは、入居者様が居住している状態で、賃貸物件のオーナー様が変わる物件のことです。新しいオーナー様に、物件はもちろん入居者様の賃貸借契約をそのまま引き継ぎます。
    一方、修繕義務や敷金返還義務などのオーナー様の義務も引き継ぐ必要があります。
    ちなみに、物件所有者(オーナー様)のみ変わる(チェンジする)物件であることが、オーナーチェンジ物件と呼ばれる由来です。

オーナーチェンジ物件に付随するデメリット

  • オーナーチェンジ物件に付随するデメリット
  • オーナーチェンジ物件には、さまざまなデメリットやリスクが存在します。
    ここでは、オーナーチェンジ物件のデメリットを見てみましょう。

  • 物件の状態を把握しづらい

    オーナーチェンジ物件では、入居者様が居住している状態で賃貸物件の売買を行うため、部屋の状態を確認することは困難です。そのため、想定よりも室内の壁や床が傷んでいたり、水道や電気などの設備が故障していたりするおそれがあります。
    入居者様が退去されるタイミングで、初めて室内リフォームの必要性が発覚するケースもあるようです。

  • 家賃設定や契約内容などを引き継がなければならない

    オーナーチェンジ物件では、一般的に入居者様との賃貸借契約をそのまま引き継ぎます。そのため、現在の家賃が相場に合っていなくても、変更できないのが一般的です。
    また、オーナー様のデメリットが大きい契約内容であっても、変更するには入居者様の同意が必要になります。

  • 入居者選びができない

    賃貸物件が空室状態で、新規の入居者様を募集する時であれば、オーナー様は入居者様を選べます。
    しかし、オーナーチェンジ物件では入居者様を選べません。そのため、ルールやマナーを守っていない入居者様が居住しているケースがあります。

  • すぐに修繕が必要になるおそれがある

    オーナーチェンジ物件は基本的に中古物件であるため、修繕が必要になるおそれがあります。築年数が古いほど修繕費も高くなり、物件購入後すぐに修繕しなければならないこともあるのです。

  • 入居者が一斉退去するおそれがある

    物件購入後、入居者様が一斉に退去するおそれがあります。例えば、物件の周辺に規模の大きな工場や大学があり、移転となった場合です。工場や大学に通勤・通学している人が入居しているケースは多くあり、移転してしまうと賃貸の需要は失われるでしょう。

  • 入居者が悪質であるケース

    オーナーチェンジ物件では、入居者様が悪質である場合もあります。また、旧オーナー様が物件を早く売りたいために、悪質な入居者様の存在を新しいオーナー様に伝えないケースもあるようです。
    以下に、悪質な入居者様の例を挙げました。

    ・隣人トラブルを頻繁に起こす
    ・ゴミ出しのルールを守らない
    ・家賃を滞納する など

オーナーチェンジ物件にはメリットもある

  • オーナーチェンジ物件にはメリットもある
  • オーナーチェンジ物件には、デメリットのみならずメリットも存在します。
    続いて、オーナーチェンジ物件のメリットを見てみましょう。

  • すぐに家賃収入を得られる

    オーナーチェンジ物件の購入時にはすでに入居者様が居住しているため、新築で新しく入居者様を募集する物件と比べると、すぐに家賃収入を得られます。
    家賃収入まで空白の期間が生じないのは、オーナー様にとって大きなメリットでしょう。

  • 融資を受けやすい

    オーナーチェンジ物件を所有することで、融資を受けやすい場合があります。入居者様がすでに居住しており、すぐに安定した収益を得られるため、融資が通りやすくなるのです。
    しかし、入居者様が居住していても、空室率が高かったり家賃が安く利益をあまり出せていなかったりすると、融資は通りづらくなります。

  • 経営計画を立てやすい

    オーナーチェンジ物件では、物件を購入した時点で過去の資料を参考にできるため、経営計画を立てやすいでしょう。
    参考になる過去の資料の例を以下に挙げました。

    ・毎月の家賃収入の金額
    ・過去に発生した修繕費用
    ・空室率の平均
    ・入居者様の平均居住年数 など

  • 初期費用を抑えられる

    オーナーチェンジ物件は、一般的な空室物件より安く売られることが多い傾向です。また、すでに入居者様が居住しているため、新たにリフォームを考える必要がありません。そのため、物件購入の初期費用を抑えられることもあります。

  • 賃料の下落率が緩やか

    築20年程の中古物件は、築浅物件と比べて家賃が急激に下落しづらいといわれています。また、オーナーチェンジ物件は新築時より家賃が下落した状態で取引されることが多くあります。そのため、家賃下落率が緩やかであり、安定して家賃収入を得られるでしょう。

  • 相場よりも安価で購入できる場合がある

    オーナーチェンジ物件は、相場よりも安価で購入できるケースがあります。物件によっては、周辺地域の相場よりも安く家賃を設定している場合があり、安価な分家賃収入は少なくなるでしょう。しかし、物件を引き継いだ後は、入居者様が退去すると新しいオーナー様により自由に家賃を設定できます。そのため、家賃の値上げにより、高い収益を得ることが期待できるのです。

  • 入居者を募集する手間と費用を省略できる

    オーナーチェンジ物件を購入すると、入居者様を募集する手間や費用を省略できます。
    省略できる手間や費用の例を、以下に挙げました。

    ・入居者様を募集するためのチラシ作成や依頼費
    ・壁や床などの設備の修繕
    ・入居者様の審査業務
    ・契約内容の作成や賃料設定業務 など

    入居者様募集に必要な手間や費用、精神的負担などを省けることは、大きなメリットといえるでしょう。

  • パートナー企業の引継ぎが可能

    オーナーチェンジ物件を購入すると、旧オーナー様が取引していたパートナー企業(設備会社・管理会社・ガス会社など)をそのまま引き継ぎできます。一からパートナー企業を見つけることは、特に初めて不動産投資を行うオーナー様にとって、大きな負担や手間がかかるかもしれません。そのため、パートナー企業を引き継ぎできると、経営がスムーズに進められるでしょう。
    ただし、旧オーナー様から直接引き継ぐ必要があるため、旧オーナー様へ契約状況の確認を行う必要があります。

オーナーチェンジ物件における注意点

  • オーナーチェンジ物件における注意点
  • オーナーチェンジ物件を購入する際は、トラブルが発生しないよう注意しなければならないポイントがあります。
    ここでは、オーナーチェンジ物件における注意点を解説します。

  • 修繕歴やリフォーム歴に注目

    物件をきちんと管理している旧オーナー様は、過去に行った修繕の詳細が記載されている「修繕履歴表」を保有しています。
    修繕履歴表に記載されている内容の例は以下の通りです。

    ・エレベーターの点検実施の有無
    ・屋根の防水工事を実施した日時
    ・外壁を修繕した日時
    ・建物の設備のメンテナンス内容 など

    物件の購入前に修繕履歴やリフォーム歴を確認し、緊急に設備を修繕しなければならないリスクを避けましょう。

  • 管理運営状況について

    入居者様の募集や家賃設定の見直しのために、過去の管理運営状況を確認することが重要です。レントロールや修繕履歴を見るだけでなく、これから修繕が必要と予想される設備や工事費用などを予測しながら、管理の状況を把握しましょう。

  • 契約事項や敷金の取り扱い

    オーナーチェンジ物件では、賃貸借契約をそのまま引き継ぐため、契約事項をしっかり確認することが大切です。
    確認したいポイントを以下に挙げました。

    ・保証人や保証契約の有効性
    ・修繕義務や原状回復の特約
    ・更新料

    また、敷金の返還義務は新オーナー様に継承されるため、敷金の取り扱いに注意が必要です。
    敷金の返済方法には、関東方式と関西方式が存在します。

    ・関東方式:賃貸物件の価格から、敷金の金額を差し引く決済方式
    ・関西方式:賃貸物件の価格から、敷金の金額を差し引かない(敷金の持ち回り)決済方式

    旧オーナー様と新オーナー様のどちらかの居住地が関東、あるいは関西である場合は、敷金の取り扱いに注意しましょう。

  • 売却理由について

    オーナーチェンジ物件を購入する前に、売却理由を確認しましょう。賃貸物件を売却する際に、旧オーナー様は何らかの理由があって売却しています。一般的には「資産を組み換えたいから」や「資産を整理したいから」と返答されますが、本当の理由の把握が難しい場合もあるため、自身で調査することも大切です。
    例えば「ルールやマナーを守らない入居者様がいるから」「近隣の工場や大学の移転が予定されているから」などの理由であれば、物件購入後の経営計画に影響を及ぼしかねません。そのため、旧オーナー様だけでなく、役所や仲介不動産などに確認を取るとよいでしょう。

  • 賃貸需要について

    オーナーチェンジ物件では、すでに入居者様が居住しているため家賃収入をすぐに得られますが、ずっと住み続けるとは限りません。たとえ空室になってもスムーズに次の入居者様が決まるよう、賃貸物件やエリアに賃貸需要があるかを確認しておきましょう。
    賃貸需要を調査するには、近辺にある物件の入居者募集状況を見たり、現地の様子を確認したりする方法がおすすめです。

  • 賃料設定について

    現在の家賃設定が相場と合っているかを、物件の購入前に調査しましょう。家賃設定が相場より安い場合は、何らかの理由があるかもしれません。例えば、適正の相場では入居者様が集まらなかったり、相場が上がっても家賃を見直さなかったりしたケースが考えられます。 また、家賃設定が高すぎる時は一時的なサクラ入居者を利用し、利益率が高い賃貸物件であると見せかける例もあります。そのため、オーナーチェンジ物件を購入する前は、適正相場を念入りに調査しましょう。

  • レントロールの確認

    オーナーチェンジ物件の購入時は、レントロールを確認して過去の運用状態を把握しましょう。レントロールとは、賃貸借条件の一覧表のことで、旧オーナー様が管理しています。
    レントロールに記載されている内容の例を以下に挙げました。

    ・各部屋の賃料
    ・敷金の金額
    ・共益費または管理費
    ・契約の年月日
    ・契約者の属性 など

    レントロールを参考にし、経営計画の具体的なシミュレーションに役立てましょう。

  • 購入は信頼できる不動産業者を通す

    オーナーチェンジ物件を購入する際は、信頼できる不動産会社を通すことが大切です。
    信頼できるか見極めるには、以下のポイントを確認しましょう。

    ・物件のメリットとデメリットをしっかり説明してくれるか
    ・十分な販売実績があるか
    ・オーナー様の目的や方針を尊重し、良質な物件を提案してもらえるか
    ・質問に迅速かつ丁寧に答えるか

    物件購入時は、親身になってオーナー様に物件を提案する不動産会社を利用しましょう。

  • 大規模修繕が発生する時期と費用の確認

    大規模修繕が発生する時期と、おおよその費用を確認しておきましょう。オーナーチェンジ物件は中古物件であるため、大規模修繕工事がいつ必要になるかわかりません。また、工事費用が高額になるおそれもあります。これまでの修繕歴を確認し、修繕の時期を予測すると安心です。

  • 現地調査は必須

    書類上の履歴を見るだけでは、物件情報を完全に把握することは困難です。そのため、現地調査に行き、情報の詳細を確認しましょう。
    現地調査で確認したい項目の例は以下の通りです。

    ・エレベーターが老朽化していないか
    ・ごみ捨て場が清掃されているか
    ・外壁のはがれや傷はないか
    ・植栽の定期管理がされているか
    ・近隣に高層マンションの建設予定がないか など

    物件を長期間運用するために、現地調査を必ず行いましょう。

オーナーチェンジ物件として前大家が売却する理由

  • オーナーチェンジ物件として前大家が売却する理由
  • 入居者様が居住しており、毎月家賃収入を得られるにもかかわらず物件を売却するのには、いくつかの理由が考えられます。
    ここでは、オーナーチェンジ物件として前オーナー様が売却する理由を見てみましょう。

  • 売却のタイミング

    不動産投資の利益は、毎月入居者様から支払われる家賃と売却による収益の合計で確定するため、売却のタイミングによって変動します。
    時期を見極めて物件を売却することで多くの利益を得られるため、最適なタイミングで売却するオーナー様が多くいるのです。

  • 賃貸経営の先行き

    賃貸経営が赤字になり、物件を売却するケースがあります。このケースでは、なぜ該当する物件で経営状況が悪化したのか、詳細に調べる必要があるでしょう。経営が困難になった理由には、近隣の工場や大学が移転・撤退したといった、周辺環境の変化も考えられます。 物件購入後に、新オーナー様の経営も赤字にならないよう、慎重に調査しましょう。

  • まとまった資金の必要性

    まとまった資金が緊急で必要になった場合に、物件を売却することもあるでしょう。例えば、マイホームの購入や車の購入など、高い買い物をしたい時が考えられます。不動産投資は、家賃収入を長期間安定して得られますが、一度にたくさんの収益を得られるわけではありません。そのため、まとまった資金が必要になった時は、物件を売却する方法があります。

  • 他物件への買い替え

    現在所有している物件を手放し、他物件へ買い替えるために売却するケースがあります。例えば、事業拡大を目指しており、物件の投資方法を変更する場合に物件を売却し、その売却による利益を買い替える資金として活用するのです。

  • 入居者・業者とのトラブル

    入居者様や業者とのトラブルが発生した場合に、物件を売却することがあります。業者とのトラブルでは、買取業者に「他の業者では買い取ってもらえないけど、うちでは買い取りできます」とだまされて、売却してしまうケースがあるようです。
    また、入居者様に家賃滞納者が多くいたり、近隣トラブルが絶えなかったりすることも、売却理由の一つに挙げられます。

  • 大規模修繕の時期が近い

    マンションやアパートなどの集合住宅では、大規模修繕が必要な時期の前に売却したいと考えるオーナー様は少なくないでしょう。よって、修繕費用を負担しても収益が得られるのかを見極める必要があります。例えば、外壁や廊下・階段などは12年周期、電気設備や給排水設備は15年周期で修繕が必要です。修繕周期を参考にし、大規模修繕の必要性を確認しておきましょう。

  • 一身上の都合

    一身上の都合により、物件を売却する場合もあるでしょう。例えば、病気や高齢により管理する体力がなくなったり、転職や転勤などで引っ越しをしなければならなくなったりするケースが挙げられます。物件のほとんどの管理業務は不動産会社に任せられますが、オーナー様自身でも行わなければならない業務もあります。

オーナーチェンジ物件の購入で発生する権利と義務

  • オーナーチェンジ物件の購入で発生する権利と義務
  • オーナーチェンジ物件を購入した場合、借地借家法第31条により賃貸不動産における権利と義務が発生し、旧オーナー様から引き継がなければなりません。

    ‘‘建物の賃貸借は、その登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物について物権を取得した者に対し、その効力を生ずる。’’

    加えて、法律に基づいて発生する権利と義務を以下に紹介します。

    新オーナー様に引き継がれる権利
    民法第601条:入居者様から賃料を受け取る権利
    民法第601条:契約終了時、建物を返してもらう権利
    民法第621条:契約終了時、入居者様に部屋を原状回復をしてもらう権利

    新オーナー様に引き継がれる義務
    民法第601条:建物を入居者様が使用できるようにする義務
    民法第606条:建物を修繕する義務
    民法第622条の2第1項:契約終了時、入居者様へ敷金を返還する義務

改正民法の影響について

  • 改正民法の影響について
  • 2020年(令和2年)4月1日から、改正された民法が施行されました。
    ここでは、改正民法の影響について解説します。

  • 貸主の修繕義務

    民法第606条「建物を修繕する義務」では、旧民法でもオーナー様に修繕の義務がありました。しかし、改正後は「ただし、入居者様による事由で修繕が必要な場合は、この限りではない」という但し書きが加えられています。
    つまり、入居者様によって破損・故障したものは、入居者様が修繕すべきだといわれているのです。

  • 借主の原状回復範囲

    民法第621条「契約終了時、入居者様に部屋の原状回復をしてもらう権利」において、通常使用や経年劣化で損耗したものには、入居者様に原状回復義務はないことが加えられました。例えば、日焼けによって畳が変色しても、経年劣化によるため入居者様の原状回復義務はありません。

  • 物件が使用できない場合について

    雨漏りやトイレの水漏れなどで物件の一部が使用できなくなった場合は、賃料を減額しなければならないとされました。ただし、入居者様の過失によるものには減額が適用されません。

  • 敷金の定義

    改正民法により、敷金という言葉が定義されます。
    旧民法には敷金に関する内容は記載されておらず、改正民法の条文で初めて定義されました。

オーナーチェンジ物件に自分が住む場合は?

  • オーナーチェンジ物件に自分が住む場合は?
  • オーナーチェンジ物件に住みたいと考えるオーナー様はいるでしょう。
    ここでは、オーナーチェンジ物件に住む場合のポイントやメリット・デメリットを解説します。

  • 定期建物賃貸借契約と普通建物賃貸借契約の違い

    オーナー様自身がオーナーチェンジ物件に住みたい時には、賃貸借契約の種類を把握しましょう。賃貸借契約の形態には「定期建物賃貸借契約」と「普通建物賃貸借契約」があります。定期建物賃貸借契約とは、契約の更新がなく、期間を満了すると契約が終了する賃貸借契約のことです。
    一方、普通建物賃貸借契約とは、契約の更新が可能で解約するまでは更新して住み続けられる賃貸借契約を指します。

  • 入居者に退去してもらうには

    普通建物賃貸借契約の場合で入居者様に退去してもらいたいときは、正当な理由のもとで立ち退き料を支払う必要があります。しかし、オーナー様自身がオーナーチェンジ物件に住みたいという理由は、正当な理由には当てはまりません。
    定期建物賃貸借契約では期間が満了すると賃貸借契約を終了できるため、入居者様の退去後、オーナー様は物件に住むことが可能です。ただし、中途解約は不可能なため、契約期間満了を待つ必要があります。

  • 立退料の相場とポイント

    入居者様の退去を待てず、すぐに住みたい場合は、強制退去をさせるために立ち退き料を支払う必要があります。立ち退き料の金額の相場は、40~80万円程度です。その中には、引っ越し代金や敷金・礼金、新しく引っ越し先を決めるための手数料などが含まれています。
    ただし、金額は交渉で決まるため、穏便に話し合いながら、納得してもらえる金額を提示しましょう。

  • 自分が住むメリットとデメリット

    オーナーチェンジ物件に自分が住むメリットとデメリットを以下に挙げました。

    メリット
    自宅用の物件よりも安く購入できる場合がある
    自身が住むまでの間、しばらく家賃収入を得られる
    売却する際に節税特例を利用できる

    デメリット
    すぐに住めない
    入居者様を退去させる時に費用がかかる
    金利の高い不動産投資ローンを組まなければならない

オーナーチェンジ物件に関するQ&A

  • オーナーチェンジ物件に関するQ&A
  • ここでは、オーナーチェンジ物件に関するQ&Aを見てみましょう。

  • 売却難易度はあるのか?

    オーナーチェンジ物件には、売却しやすい物件と売却しづらい物件が存在します。
    「売却しやすい」といわれている物件を以下に挙げました。

    ・築浅物件
    ・駅から近い、生活利便施設が充実しているなど、好立地の物件
    ・区分マンション(ワンルーム)

    一方で、築年数の古い木造アパートは「売却しづらい」といわれています。減価償却期間が残っていないため、融資を受けづらい傾向です。

  • 敷金は引き継がれるのか?

    入居者様から預かっている敷金は、旧オーナー様から引き継ぎます。ただし、契約内容や地域によっては引き継がないケースもあるため、確認しておきましょう。

  • 入居者トラブルについては開示してもらえるのか?

    仲介会社に、入居者トラブルの有無を問い合わせることは可能です。しかし、トラブルの内容を正直に開示してもらえるかはわからないため、レントロールや現地調査でおかしいと感じたら物件の購入は控えた方がよいかもしれません。

  • 購入後に賃料の値上げは可能か?

    オーナーチェンジ物件を購入したあとは、賃料を値上げすることは困難です。「周辺地域と比べて賃料が安い」「入居者様の了承を得られる」などの状況であれば、値上げできる可能性はあります。
    しかし、現実的にはハードルが高いかもしれません。

  • 大家の変更について入居者に報告義務はあるのか?

    オーナーが変更したことは、手続きが完了したあと各入居者様に速やかに報告する必要があります。入居者様が「オーナー様や管理会社が変更されたこと」「家賃の振込先が変更されたこと」などを知らなければトラブルに発展するおそれがあるため、確実に通知しましょう。

  • 売買に際して翌月分の賃料を精算してもらえるのか?

    一般的には、入居者様に翌月分の賃料を支払ってもらいます。そのため、旧オーナー様が翌月分の賃料を受け取っていることがほとんどです。賃料分の代金は、物件の売買代金から差し引くといった調整をして精算してもらえます。

  • 家賃の滞納状況はヒアリングすべきか?

    家賃滞納の有無は、オーナーチェンジ物件の購入前に必ず確認しましょう。長期間滞納している入居者様がいると、家賃収入が得られないどころか強制退去せざるを得ない場合に立ち退き料が必要になります。購入前にはしっかりヒアリングをして、慎重に判断することが大切です。

まとめ

  • まとめ
  • オーナーチェンジ物件には、さまざまなデメリットが存在します。しかし、事前にデメリットを把握して対処することで、オーナーチェンジ物件購入のリスクは減らせるでしょう。
    また、旧オーナー様から新オーナー様に引き継がれる義務や権利が決められているため、法律もよく確認する必要があります。入居者様に需要がある物件を選び、安定した賃貸経営を行いましょう。

FAQ

  • Qアイコン オーナーチェンジ物件のデメリットを教えてください。

    オーナーチェンジ物件には、デメリットやリスクが存在します。それぞれ解説しています。
    詳細はこちらを参考にしてください。

  • Qアイコン オーナーチェンジ物件とはどういう物件ですか?

    オーナーチェンジ物件とは、入居者様が居住している状態で、賃貸物件のオーナー様が変わる物件のことです。新しいオーナー様に、物件はもちろん入居者様の賃貸借契約をそのまま引き継ぎます。

この記事を書いたのは…

著者イメージ
アレップス コンテンツ編集部

アレップス コンテンツ編集部では、アパート経営や不動産投資に関するお悩みを解決すべく日夜スタッフが情報の最新かつ濃密な記事の発信を行っています!

アレップス コンテンツ編集部では、アパート経営や不動産投資に関するお悩みを解決すべく日夜スタッフが情報の最新かつ濃密な記事の発信を行っています!

関連記事

  • 不動産小口化商品で大手が選ばれる理由は?選び方のポイントも解説

    副業として家賃収入を得たい、将来のための資産を形成したいなど、不動産投資を行う理由はそれぞれです。多くの資金を必要とする不動産投資ですが、不動産小口化商品であれば少額から投資ができるため、近年では注目を集めています。 不動産小口化商品を取り扱っている事業者は多くいますが、大手が扱う商品を選ぶ方が少なくありません。大手の不動産小口化商品が選ばれる理由としては、実績の多さやサポートなどが挙げられます。 この記事では、不動産小口化商品の基本的な概要や選び方の注意点、大手が選ばれる理由などをわかりやすく解説します。

    詳しく見る
  • 土地の相続トラブルを避けよう!不動産の遺産分割の流れを解説

    故人(被相続人)が残した財産をどうするかの話し合いにおいて、相続人同士が裁判で争うまでにこじれてしまうケースは少なくありません。土地や家などの不動産関連の相続財産は平等に分割するのが難しいため、相続方法に関する話し合いがまとまりにくい傾向にあります。また、相続にはさまざまな法律や税金が関係してくるため、専門家の介入なしでは解決が難しいのも事実です。土地に関連した相続トラブルのパターンを把握し、事前にある程度の対策を行っておきましょう。 この記事では、土地の相続トラブルが発生する理由、主な遺産分割方法、相続が行われる流れを解説します。 しかし、所有している土地でアパート経営を始めるには、いくつかのリスクがあることも覚えておきましょう。それぞれのリスク回避のために適切な対策を行って、効率的な土地活用を行いましょう。 この記事では、土地有りでアパート経営を行うメリット・デメリットについて、そして経営を進める時の流れや必要な資金などについて解説します。

    詳しく見る
  • 中古アパートを購入する注意点とは?投資や経営を成功させるポイントを解説

    先行きの見えないコロナ禍においても不動産投資市場は活況にあり、投資用物件として中古アパートの購入を検討する方もいるのではないでしょうか。他の投資用物件と比べた場合、中古アパートの購入は、利回りの高さや管理の手間、価値の下がりにくさなどが魅力です。しかし、投資を行っている全ての方が運用に成功しているわけではありません。中古アパート特有の注意点を知り、あらかじめ十分に対策を行っておくと安心です。 インターネットや各メディアでは、さまざまな不動産投資関連の情報があふれており、真偽に迷うこともあるでしょう。この記事では中古アパートに着目し、購入する際の注意点やメリットを解説します。併せて、投資を成功に導くポイントについても紹介します。 しかし、所有している土地でアパート経営を始めるには、いくつかのリスクがあることも覚えておきましょう。それぞれのリスク回避のために適切な対策を行って、効率的な土地活用を行いましょう。 この記事では、土地有りでアパート経営を行うメリット・デメリットについて、そして経営を進める時の流れや必要な資金などについて解説します。

    詳しく見る

タグ一覧

「タウンのかんり」が選ばれる理由

創業45年、管理戸数55,602戸(※2024年7月末時点)。

多くのオーナー様に選んでいただいている理由があります。

詳しく見る

お問い合わせ

どんな些細なことでも、
ずっと先の話でも構いません。
お気軽にお問い合わせください。
無料相談
無料相談
無料家賃査定
無料相談
タウングループ
不動産管理事業
不動産仲介・周辺事業
建築事業
多角化事業