資産管理会社を設立する目的とは?メリット・デメリットをご紹介
不動産や株式などの資産を多数所有している資産家のなかには、資産管理会社を設立して様々なメリットを受けている人もいます。また、資産管理会社の設立は、近年、一部の富裕層だけでなく副業や資産運用を行っているサラリーマンにも注目されています。
資産管理会社のメリットとしては、具体的に節税対策や相続対策、事業継承対策などが挙げられます。しかし、設立・運営するためにはコストがかかるのも事実です。
この記事では資産管理会社の役割と、設立することによるメリット・デメリットをご紹介します。設立の流れなどもご説明しますので、一定の資産を保有している方はぜひご参考ください。
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資産管理会社とは、自身の保有している資産を管理することを目的に設立される法人のことです。オーナーの資産管理・運用のみを目的とした会社であるため、「プライベートカンパニー」とも呼ばれています。
一般の企業とは異なり、資産管理・運用以外に事業活動を行わず、主な収入源は保有する不動産の賃貸収入と保有株式の配当収入です。
不動産については、資産管理会社が直接不動産を所有し維持管理・運営する「直接保有型」と、所有権をオーナーに残したまま維持管理・運営のみを法人が担う「管理委託型」、物件を一括で借り上げ転貸する「サブリース型」などがあります。実務は不動産管理会社に委託するケースがほとんどですが、業務の一部を資産管理会社が担うことも珍しくありません。
近年では会社設立のハードルが下がったことから、資産管理に留まらず小規模ビジネスの事業主体としてプライベートカンパニーを設立する人も増えています。本業の傍ら副業として賃貸経営や株式投資、資産運用を行っているサラリーマンも増えており、資産管理会社は一部の資産家・投資家だけのものではなくなりつつあるようです。-
資産管理会社を設立する理由は、個人で資産を保有し続けるより会社を設立して資産を移転した方が、様々な税制上のメリットを享受できるためです。
節税対策はもちろん所得分散や経費の範囲拡大など様々あります。ここでは、資産管理会社を設立するメリットについて、具体的にご紹介します。所得税が節税できる
個人の所得に課税される所得税は累進課税制で、所得額によって5%から45%まで段階的に引き上げられます。一方、法人所得に課税される法人税は800万まで15%、800万円を超えた分は23.2%です。このように、少ない税負担で済むため、法人化することで大幅な節税が可能になります。
以下では、個人の所得税と、法人の所得税を表で示しています。■所得税率
課税される所得金額 所得税率 住民税率(所得割) 1,000円 から 194万9,000円 まで 5% 10% 195万円 から 329万9,000円 まで 10% 330万円 から 694万9,000円 まで 20% 695万円 から 899万9,000円 まで 23% 900万円 から 1,799万9,000円 まで 33% 1,800万円 から 3,999万9,000円 まで 40% 4,000万円 以上 45% ※この表は、横にスクロールします。
■法人税率
区分 法人税率 法人住民税(法人税割) 平28.4.1以後 平30.4.1以後 平31.4.1以後 普通法人 資本金1億円以下の法人など 年800万円以下の部分 下記以外の法人 15% 15% 15% 7.0% 適用除外事業者 19% 年800万円超の部分 23.40% 23.20% 23.20% 上記以外の普通法人 23.40% 23.20% 23.20% ※この表は、横にスクロールします。
所得分散効果がある
法人化し個人所得を法人所得にすることで税金を節約できることをお伝えしましたが、配偶者や両親などの親族を従業員として雇用して役員報酬を支給し、所得を分散すればさらなる節税が可能です。
所得が1人に集中すると累進課税による所得税が課されますが、所得を分散することで所得税率の上昇を抑え税金の負担を軽くできます。また、役員報酬は給与所得に当たるため、報酬を受け取る親族は給与所得控除を受けることも可能です。
なお、役員報酬は経費として扱うことができるため、同時に法人税の節約も図れます。所得税と法人税の両方の節税につながれば、大きなメリットとなるでしょう。経費の範囲が拡大する
個人事業主は、所得を得るためにかかった費用を「必要経費」として扱うことが可能です。しかし、注意しなければならないのは個人事業主が経費として扱えるのは、事業活動に直接関わる「直接経費」のみという点です。例えば自宅の一部を事務所として使っている場合や、自家用車を仕事にも使っている場合などは、家賃や車の維持費を全額経費として扱うことは難しいでしょう。
一方、資産管理会社を設立して法人化すれば、経費の範囲が大幅に広がります。事業活動に直接必要な費用だけでなく、一部の「間接経費」も認められます。例えば、社宅として会社が借りている自宅の家賃や、社用車として購入した法人名義の車の維持費が経費として認められます。また、雇用している親族への報酬や退職金、旅費規定に定める日当、一部の生命保険料なども経費扱いが可能です。
このように、資産管理会社を設立することで様々な費用を経費として扱えるため、法人税の負担を減らせます。損益通算の範囲が拡大する
損益通算とは、利益から損失を相殺することです。黒字の所得から赤字の所得を差し引くことで、税金を圧縮することができます。個人事業では下記の通り、損益通算できる所得とできない所得が明確に定められています。
損益通算できる所得
・不動産所得(土地に係る利子以外)
・事業所得
・譲渡所得(不動産・株式等以外)
・山林所得
損益通算できない所得
・利子所得
・配当所得
・給与所得
・退職所得
・譲渡所得(不動産・株式等)
・一時所得
・雑所得
このように、個人事業に課される所得税では損益通算できない所得も存在します。
一方、法人に課される法人税では損益は一本化され利益と損失は自動的に通算されるため、個人事業のように損益通算できる所得とできない所得に分けられることがありません。もちろん本業での損益と本業以外での損益も通算できるため、法人化した方が税負担は軽くなるでしょう。繰越控除の期間を延長できる
個人事業と法人では繰越控除の期間も異なります。繰越控除とは、事業活動で生じた赤字を次年度以降に繰越し、利益から相殺することです。収益から赤字を差し引き、税金を圧縮できる制度で、個人では最長3年間の繰越が認められています。一方、法人では期間が延長され、最長10年間の繰越控除が認められます。
不動産投資は高額な初期費用がかかることが多いため、長期間の繰越控除によって損益の平準化を図ることが可能です。資産管理会社にとっては有利な制度と言えるでしょう。相続税が節税できる
資産家にとっては、相続税の負担も無視することができません。相続税は累進課税制で、最大55%もの税金が課されます。これは、多くの財産を保有している資産家には非常に大きな負担と言えるでしょう。
また、相続税は相続人となった日から10カ月以内に現金で納付しなければならないため、現預金以外に不動産などの財産を多数相続した場合は、費用の工面が難しい場合もあります。ときには不動産を手放さなければならない恐れもあり、資産継承という観点では大きな課題と言えます。不動産は分割も難しく、相続問題に発展する可能性も少なくありません。
なお、生前贈与の場合、年額110万円を超える贈与については贈与税が課税されます。贈与税も累進課税制で、相続税と同様最大55%の税率です。
そのため、現預金については、資産管理会社に資産を移転し会社の財産とし、役員報酬という形で親族に分配すると良いでしょう。報酬を受け取る親族には所得税が課されますが、相続税や贈与税より税負担が軽くなることが予想されます。
不動産についても資産管理会社の保有とすることで、相続財産から外すことが可能です。法定相続分に応じて資産管理会社の株式を分割すれば、無用な相続問題も回避できます。■相続税の速算表
法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額 1,000万円以下 10% – 3,000万円以下 15% 50万円 5000万円以下 20% 200万円 1億円以下 30% 700万円 2億円以下 40% 1,700万円 3億円以下 45% 2,700万円 6億円以下 50% 4,200万円 6億円超 55% 7,200万円 ■贈与税の速算表
基礎控除(110万円)後の課税価格 一般 18歳以上の者への直系尊属からの贈与 税率 控除額 税率 控除額 200万円以下 10% – 10% – 300万円以下 15% 10万円 15% 10万円 400万円以下 20% 25万円 15% 10万円 600万円以下 30% 65万円 20% 30万円 1,000万円以下 40% 125万円 30% 90万円 1,500万円以下 45% 175万円 40% 190万円 3,000万円以下 50% 250万円 45% 265万円 4,500万円以下 55% 400万円 50% 415万円 4,500万円超 55% 640万円 ※この表は、横にスクロールします。
事業継承対策になる
オーナー社長にとっては、事業継承も大きな課題です。経営している会社の半数以上の株式を保有している人が亡くなった場合、相続によって株式が分散し支配権を失ってしまう恐れがあります。
また、オーナー一族による支配権が維持できたとしても、法定相続人に株式が分割されることで議決権を握るステークホルダーが増加し、経営方針がまとまらない恐れもあるでしょう。
このような事態を避けるために、後継予定者以外の法定相続人には議決権のない無議決権株式を発行し相続することが大切です。後継予定者にのみ普通株式を相続することで、議決権を集約して安定した会社経営を行えます。社会保険へ加入できる
資産管理会社の役員は、役員報酬を受け取ることで給与所得者として扱われます。給与所得者は、加入申請を行うことで社会保険に加入できるのです。厚生年金や健康保険は、個人事業主が加入する国民年金や国民健康保険より保障が手厚いため、社会保険に加入できることは大きなメリットと言えます。
また、オーナーだけでなく役員として雇用している親族も社会保険に加入できます。国民健康保険や国民年金には扶養という概念は存在しませんが、社会保険では追加負担なく親族を扶養に入れることが可能です。-
ここまで、資産管理会社の設立には様々なメリットがあることをご紹介しました。しかし、会社の設立や維持にはコストがかかったり、事務負担が増えてしまったりなどのデメリットも存在します。
資産管理会社を設立する際は、デメリットをよく加味して検討しましょう。設立コストがかかる
会社を設立するには、様々なコストがかかります。まず、法定費用として下記の費用負担が発生します。
・定款印紙代:4万円
・定款認証手数料:5万円
・登録免許税:15万円
・印鑑作成・印鑑証明書取得費用・謄本取得費用:数千円
このように、株式会社を設立する場合、最低でも25万円前後の費用を負担する必要があります。合同会社の場合は、設立時の認証手続きが不要なため、定款認証手数料がかかりません。また、資本金の額を低くして登録免許税の負担を抑えられれば、最低10万円前後の費用負担となります。
その他、電子定款で公証役場の手続きをペーパーレス化して、定款印紙代を節約することも可能ですが、電子定款の作成には特別な機械が必要になるため、個人で作成することは難しいかもしれません。なお、電子定款の作成を含め、設立登記の手続きを司法書士などの専門家に依頼する場合は、報酬として6~10万円程度の費用が追加でかかります。維持コストがかかる
会社を維持していくにも、一定のコストがかかります。利益が出れば法人税や法人住民税が課税される上に、一定規模の法人の場合、市区町村によっては事業所税も課されます。
また、法人化することで会計処理が複雑になるため、対応する時間や知識が無い場合は専門家に依頼しなければなりません。税理士や会計士へ依頼するとなれば、毎年数十万円の費用負担が発生します。
その他、毎月の社会保険料の負担も忘れてはいけません。社会保険料は雇用主と従業員で折半して負担するものですが、経営者の場合は実質的に自分の社会保険料の全額を負担することになります。役員として雇用している親族が社会保険に加入している場合は、その分負担も大きくなります。資産移転コストがかかる
個人名義の財産を資産管理会社に移転する場面でもコストがかかります。資産家本人には「譲渡所得税」が、資産管理会社には「登記費用」等がかかります。
資産家本人にかかる費用
譲渡所得税:累進課税制で最大55%
資産管理会社にかかる費用
登録免許税:固定資産税評価額の2%
不動産取得税:固定資産税評価額の3~4%
消費税:譲渡価格の10%
登記費用:数万円
なお、登記を専門家に依頼する場合は、司法書士への報酬として5~10万円程度の費用が追加でかかります。会社保有の資産は自由に使えない
資産移転し一度会社の所有となった財産は、たとえオーナーでも自由に使うことはできません。上記でご説明した通り、資産を個人に戻すには役員報酬や配当として支払う必要があります。報酬や配当金には所得に応じた所得税が課されます。
また、役員報酬の金額は会社法に「定款または株主総会の決議によって定める」と明記されているため、個人の裁量で決定することはできません。役員報酬の改定についても会社法で厳密に定められており、急に資金が必要になったからと言ってすぐに増額することは不可能です。
一度会社の物となった財産を動かすにはコストと手間がかかるため、資産の配分は慎重に検討する必要があります。-
資産管理会社の設立には、前述したように一定のデメリットもあります。しかし、まとまった資産を保有している資産家にとっては、資産管理会社は無くてはならない存在です。所得が一定水準を超えた個人投資家やサラリーマンも設立を検討すると良いでしょう。この章では、実際に資産管理会社を設立する流れをご紹介します。
会社の基本情報を決める
資産管理会社を設立するには、まず社名や事業目的、本店所在地などの基本情報を決める必要があります。決めなければならない事項を一つずつ見ていきましょう。
社名
会社名にはいくつかのルールが定められています。まず、使える文字は漢字・ひらがな・カタカナ・ローマ字・アラビア数字と下記の記号です。
・「&」 アンパサンド
・「’」 アポストロフィー
・「,」 コンマ
・「‐」 ハイフン
・「・」 中点
・「.」 ピリオド
また、「株式会社○○」「○○合同会社」といったように会社の種類を含める必要があります。ちなみに、他社と同じ名称については、会社の所在地が異なれば名付けることも可能です。しかし、既存の会社が自社の名称を商標権登録している場合もあるため、注意が必要です。
事業目的
罰則規定は無いものの、会社は定款に定められていない事業を営むことができないことになっているため、新規に事業を起こす場合は定款を改定する必要があります。定款に定める事業目的は「明確性」「営利性」「適法性」が求められます。
なお、事業会社のような活動は想定されない資産管理会社の場合は「不動産の所有、賃貸借、管理および利用」「有価証券の投資」などが一般的です。
本店所在地
銀行などから融資を受ける場合は、本店所在地も重要です。銀行の定める営業エリアに会社の本店所在地が含まれていることを融資条件とする場合があるためです。
また、資産管理会社の場合自宅を本店所在地する人が多いですが、本店所在地は登記簿に記載され誰でも容易に取得・閲覧が可能なので注意しましょう。
出資者
出資者は自分だけでも問題ありません。親族から出資を募る場合もありますが、資産家本人の意向を反映するために、出資比率の過半数は資産家本人が負担するべきでしょう。ちなみに、親族を雇用し役員報酬を支払う場合でも、親族が必ずしも出資者である必要はありません。
資本金の額
以前は、株式会社を設立する場合は1,000万円、合同会社を設立する場合は800万円の資本金を用意する必要がありました。しかし、会社法が改正されたことでこれらの制限が撤廃され、資本金1円から会社を設立することができるようになりました。
ただし、あまりに資本金が少なすぎると対外的な信用が得られず、融資などが受けられない可能性があります。一方で、資本金が1000万円を超えると設立初年度から課税事業者として消費税が課税されます。
上記の内容を加味しつつ、資産管理会社の設立には資本金がいくら必要か、検討しましょう。
事業年度(決算月)
何月から何月までを事業年度とするのかを決めておく必要があります。決算月を何月にするかは特に定められていませんが、多くの企業が1~3月を決算月としていること、個人の確定申告時期と重なることを念頭に置いて決めましょう。
役員とその任期
資産家1人が代表取締役となり、資産管理会社を設立することが可能です。任期については原則2年間と定められていますが、株式譲渡制限会社(非公開会社)の役員任期は最長10年以内です。株式譲渡制限会社とは、株式を譲渡する際に取締役会または株主総会の議決が必要な会社です。設立登記に必要な書類を提出する
基本情報が決まったら、設立登記に必要な書類と資本金を用意します。必要なものは下記の通りです。
・代表者印・社印・銀行印
・定款
・登記書類
・開業届
・就任承諾書
・資本金
法務局に登記申請書類を提出後、通常1~2週間程度で設立登記が完了します。登記完了後、所管の税務署に開業届を提出します。青色申告を行いたい場合は、同時に青色申告承認申請書の提出も必要です。また、開業届は本店所在地の市区町村役場にも提出が必要なので忘れないようにしましょう。-
所得税と法人税の税率の違いにより、所得が多くなればなるほど資産管理会社を設立する恩恵を受けられます。では、具体的に年収がどの程度になった段階で法人化を検討すべきでしょうか。
節税という観点では、年収が700万円を超えると所得税率が法人税率を上回るため法人化した方が有利です。しかし、法人化するには一定の設立費用がかかります。また、たとえ赤字経営でも法人住民税の均等割が最低7万円、毎年発生します。法人化することで会計処理や税務処理が複雑になるため、場合によっては会計士や税理士に依頼する必要もあるでしょう。
これらの費用を加味すると、年収700万円で法人化してしまうとかえって負担が増えてしまう可能性があります。給与所得以外に投資収益や不動産収入などがある人や、サラリーマンなら年収1,000万円を超えたあたりで法人化するのが現実的でしょう。-
資産管理会社は、一般的には一定の資産を保有している資産家が設立するものです。しかし、現代では個人投資家や副業などを行っているサラリーマンも増えており、所得が一定の水準を超えた段階で法人化した方が税制上有利になります。具体的に資産管理会社を設立すべき人をご紹介します。
個人投資家
株式投資で収益を得ている個人投資家は、所得が一定の水準を超えたら法人化した方が良いでしょう。前述した通り、個人の所得に課される所得税は累進課税制となっており、5%から45%まで段階的に税率が引き上げられます。これに住民税も加えると、最大55%もの税負担となります。一方、法人に課される法人税は、800万円までが15%、800万円を超えた分は23.2%の税金が課されます。法人住民税と合わせても30%前後の税率で収まるため、所得が多くなればなるほど法人化するメリットは大きいと言えるのです。
また、個人事業主に比べると経費の範囲が広がる点も大きなメリットです。雇用している親族に支払う役員報酬や退職金だけでなく、社宅として法人が借り入れすれば自宅の家賃も経費として扱うことができます。
さらに、会社を設立して役員になることで、役員報酬を受け取っている給与所得者として扱われるため社会保険に加入することも可能です。厚生年金や健康保険は、個人事業主が加入する国民年金や国民健康保険より保障が手厚いため、大きなメリットと言えます。資産運用・副業を行っているサラリーマン
資産運用や副業を行っているサラリーマンも、個人投資家と同様、所得が一定水準を超えたら法人化した方が良いでしょう。所得の増加に伴い所得税より法人税の方が税率は低くなるため、法人化することで節税することが可能です。また、親族に役員報酬を支給して所得を分散することでも節税効果が期待できます。経費の範囲も広がるため、収益を手元に残しやすくなります。
将来的に相続税がかかると予想される資産家
財産の相続には相続税がかかります。加えて、生前贈与で財産を譲渡した場合は贈与税がかかります。年額110万円までは基礎控除が認められますが、これを超えた分については贈与税の課税対象です。贈与税も相続税と同様累進課税制で、最大55%の税率となっています。
親族を資産管理会社の役員として雇い入れ、役員報酬を支給することで多額の相続税や贈与税を負担することなく資産を移転することができます。
また、相続税は被相続人が死亡し法定相続人となってから10カ月以内に納付するよう定められています。現預金だけでなく不動産も相続した場合は、相続税の工面に苦労するかもしれません。場合によっては不動産を手放さなければならない恐れもあります。不動産などの換金や分割が難しい財産は、資産管理会社の保有としておけば相続の対象から外れます。かわりに法定相続分に応じて資産管理会社の株式を分割することで、スムーズに遺産相続を進めることが可能です。-
この記事では、資産管理会社についてご紹介しました。かつては一部の資産家が節税・相続・事業継承を目的として設立することの多かった資産管理会社ですが、近年では個人投資家や副業を営むサラリーマンなどの増加で広く一般に注目を集めています。
法人化することで税制面の様々なメリットを享受することが可能なほか、資産を相続・継承する意味合いでも資産管理会社には大きな意義があります。しかし、設立コストや維持コスト、事務負担の増加などのデメリットがあるのも忘れてはいけません。
この記事でご紹介したメリット・デメリットを加味し、自身の年収と照らし合わせて資産管理会社の設立を検討しましょう。関連記事
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