安定してワンルームマンションを経営するために空室対策を押さえよう
単身者向けの賃貸ワンルームマンションを経営しているオーナー様は少なくないでしょう。マンション・アパートに関係なく、賃貸物件を経営するうえでは、空室を発生させず安定した家賃収入を得ることが重要です。ワンルームマンションで空室を抑えるには、入居者様のニーズに合わせた空室対策を行わなければなりません。
この記事では、ワンルームマンションでおすすめの空室対策や、対策を実施する際のポイントなどを解説します。その他、空室が発生しやすい物件の特徴、入居率が上がりやすい物件についても紹介するため押さえておきましょう。
-
近年では住宅数の増加と少子高齢化による人口減少から、賃貸物件の空室率が上がっています。借り手市場ともいえる状況から、時代のニーズに合った空室対策を行わなければ、賃貸経営を安定させることは難しいでしょう。
ワンルームマンションの経営でも、空室対策が重要です。まずは、空室リスクや対策の取り方を解説します。賃貸物件では空室リスクが伴う
入居者様に物件を貸し出して、家賃収入を得る仕組みが不動産投資です。所有する賃貸物件で貸し出している部屋が空室になり、家賃収入を得られなくなってしまうことを空室リスクといい、賃貸経営ではこのリスクが伴います。
長期間空室の状態が続いてしまうと、賃貸経営が安定しなくなる恐れがあります。賃貸物件の購入時、あるいは建築時にしっかりと物件を見極められれば、空室リスクを抑えられるでしょう。実際に空室が目立つようになってから対策を取っても、遅すぎることはありません。空室対策とは
空室対策とは、賃貸物件として貸し出している部屋で空室が発生しないように、オーナー様があらゆる対策を取ることです。空室が長引いてしまうと、賃貸経営には大きな痛手となります。そのため、今いる入居者様に対して長く住んでもらえるような対策を取ったり、空室の部屋にはできるだけ早く新しい入居者様を迎えたりといった対策を行わなければなりません。
なお、空室対策は入居者様に対応したもの以外に、管理会社向けの対策もあります。所有するワンルームマンションに適した空室対策を検討するようにしましょう。空室対策の始め方
空室が発生する原因はさまざまです。空室対策を実施する前に、物件の現状を把握して原因や改善が必要な課題を発見しましょう。
現状把握には、以下で解説するステップを順番に進めていくのがおすすめです。
1.入居状況の確認
ワンルームマンションであれば、空室期間の他に入居する男女の割合や、社会人・学生のどちらが多いのかなどを確認します。想定しているターゲット層が変化すると、対策方法も異なるためです。
2.入居者募集方法の確認
物件の特徴や詳細をアピールするには、インターネットを活用して物件情報サイトなどに情報を発信する必要があります。物件情報の登録状況を含め、家賃や初期費用が相場から見て適切かを確認しましょう。
3.物件状況の確認
新しい設備の導入やリノベーションを考慮し、物件の状態を確認します。建物の外観や内装、設備、間取りなどを見て、問題点や改善点を探しましょう。
4.管理・運営の確認
募集方法や物件の状態に問題が見当たらなかった場合、建物の管理・運営のやり方を見直してみましょう。共用部の掃除が十分にできていない、トラブル発生時の対応が悪いなど、建物の管理が不十分なことから、退去する人が出てきている恐れがあります。-
単身者向けのワンルームマンションでは、ファミリー層の契約は見込めません。そのため、ワンルームの賃貸物件に適した空室対策を行う必要があります。
ワンルームマンションの空室対策として、おすすめの方法は以下の8つです。保有する物件でこれらの対策が可能かどうか、確認してみましょう。人気の高い設備を導入する
物件の設備が古かったり、ニーズがなかったりすると空室の原因になります。そのため、空室対策として近年人気が高まっている設備を導入するとよいでしょう。人気が高い設備としては、住人が使える無料Wi-Fiや宅配ボックス、浴室乾燥機などが挙げられます。夏場は猛暑が続くため、エアコンは必須です。
物件選びの際、セキュリティ面を重視する人は多くいます。防犯設備であるモニター付きインターホンや、エントランスのオートロックがあると便利です。水回りの設備を新しくする
キッチンや洗面所、風呂、トイレの水回りにある設備が古いと、使いづらいうえに清潔な印象を感じられません。水回りの設備が古いと判断できる場合は、新しいものに入れ替えたほうがよいでしょう。
ワンルームマンションではユニットバスを採用している物件もありますが、最近はバストイレ別の物件も需要が伸びています。間取りや広さ、工事の費用などを考慮しつつ、バストイレ別にリノベーションするのも、水回りの一新に有効です。入居条件を見直す
空室の発生を抑えるために、物件の入居条件を見直してみましょう。ワンルームマンションに限らず、多くの賃貸物件では「ペット禁止」「高齢者入居不可」「外国人入居不可」の条件を設定しているケースが見られます。これらは、室内の汚損や住人同士でのトラブル、孤独死などを防ぐためです。
入居条件を見直し、ペットの飼育や高齢者・外国人の入居を許可することで、空室対策につながる恐れがあります。ペット可にする場合は、ペットによる室内の汚損を予防する工夫を行いましょう。高齢者の入居には身元引受人がいるか確認したり、外国人の入居を許可する際は、日本語力の確認や保証会社を付けたりなど、入居条件の体制を整えます。初期費用を見直す
初期費用とは、オーナー様側で自由に調整できる敷金・礼金のことです。家賃は一度でも下げてしまうと後から値上げするのが難しくなるため、見直すならまずは敷金・礼金を検討しましょう。
入居者様が物件に引っ越しをする際、引っ越し費用の他に不用品の処分費用や、家具の購入費用がかかります。敷金・礼金を調整できれば、入居者様の負担が減り入居のハードルも下がるでしょう。ただし、敷金・礼金を0円にした場合、オーナー様が受け取れる収入が減るため注意が必要です。情報サイトで物件の魅力を発信する
入居者様の退去が決まったら、情報サイトで空室になる部屋の広告を掲載します。部屋を借りたいと考えている人の多くが、物件の情報サイトを利用しているため、サイトに情報を掲載し物件の魅力をわかりやすく伝えることが大切です。物件がきれいに写っている写真を採用したり、近隣にある便利な店や施設を紹介したりなど、サイトを見るユーザーへ長所をアピールします。
管理会社に物件を任せているオーナー様は、物件の情報サイトで詳細を確認する際は、まず管理会社に相談してみましょう。管理会社を変更する
物件の管理業務を管理会社に委託しているオーナー様は少なくないでしょう。物件に適した空室対策をオーナー様に提案することも、管理会社の仕事の一つです。
空室が長期間解消されない場合、管理会社の宣伝・広告が弱い恐れがあります。そのため、管理会社の変更も空室対策としては効果的です。物件の入居率が高く、管理委託に関して信頼できる管理会社を選びましょう。共用部を掃除する
内見時の第一印象は、物件の共用部に影響を受けます。共用部の印象が悪いと、物件に対する好感度も下がります。
共用部とは、マンションのエントランスや階段・廊下、エレベーター、ゴミ置き場、駐輪場などです。内見次第で空室が埋まるかが決まるため、内見当日でも慌てないように、共用部の掃除は定期的に行うようにしましょう。
ゴミ置き場にゴミが散乱していないか、駐輪場が整理整頓されているか、共用部をきれいに掃除・整備しておくことが大切です。費用対効果を意識してリノベーションを行う
建物の外観や内装、設備が古くなり劣化が進んでいるようであれば、リノベーションを視野に入れてもよいでしょう。リノベーションとは、住人のライフスタイルに合わせて外観や内装、間取り、設備を改修することです。
空室対策にリノベーションは有効ですが、工事にかなりのコストがかかるため、費用対効果を意識して計画を立てなければなりません。ワンルームマンションの場合、クロスの貼り替えといった小規模なリノベーションであれば、そこまでの費用はかからないでしょう。
リノベーションを検討する際は、まずは専門の業者に相談してみるのがおすすめです。こちらでは、ハウスメーカーとしてリノベーションも取り扱っています。気になることがありましたら、お気軽にお問い合わせください。-
空室が発生しやすい物件には、築年数や立地の問題など共通した特徴があります。具体的な空室対策を把握するのも大切ですが、どういった条件で空室が発生するのかを押さえておきましょう。
築年数が古い
賃貸物件は建物である以上、年月が経つほど外観や内装、設備が劣化していきます。住宅は、基本的に築浅で新しいほど好まれる傾向があり、築年数が古いほど他の条件が良い場合でもニーズは下がってしまいます。物件選びの際に、まず築年数でふるいにかける人も少なくありません。
リノベーションを実施して外観や内装をきれいにしても、築年数が古いというだけで敬遠され、物件の情報サイトなどで詳細を見てもらえないことも考えられます。立地の利便性が低い
築年数や間取り、設備などに問題がない場合、立地や周辺環境が悪いケースが考えられます。単身者向けのワンルームマンションであれば、学生の入居者様も多いでしょう。近隣に駅や学校があると便利ですが、そうでなければ通学が不便です。コンビニやスーパーに関しても、物件から離れていると買い物の利便性が悪くなります。
線路や幹線道路がそばにある物件では、騒音が心配されます。また、火葬場や下水処理場といった、いわゆる嫌悪施設と呼ばれる場所が近い物件も、入居を敬遠されやすいでしょう。日当たりが悪い
方角や立地の関係から、建物の日当たりが不十分になるケースがあります。日当たりが悪い物件は、外に洗濯物を干す際に乾きにくかったり、室内に湿気が溜まりやすかったりといったデメリットもあるため注意が必要です。
ワンルームマンションでも、日当たりが悪い部屋は空室になりやすい恐れがあります。建物全体に日が当たっているように見えても、特定の時間だけ日当たりが悪くなる部屋があるかもしれません。間取りにニーズがない
間取りのニーズに需要がないと、入居を希望する人が集まらず空室発生につながります。ワンルームマンションでは、フローリングを採用している物件がほとんどであるため問題はありませんが、例えば和室がある物件はニーズが下がってしまうのが特徴です。
賃貸市場で和室の人気が下がっている現在、フローリングに変更する工事を行う物件も増えています。-
物件には空室が発生しやすい条件があるように、逆に入居率が高くなる特徴もあります。入居率が高ければ、退去する人も少なくなるでしょう。
ここでは、入居率が高いワンルームマンションの特徴を3つ解説します。好立地で周辺環境が良い
需要が高い立地にあり、かつ周辺環境が良好なワンルームマンションはニーズが高く、空室リスクの低下につながります。学校や会社にアクセスするための駅が近い、近所に買い物ができるスーパーやコンビニ、商業施設があるなど、住みやすい環境が整っていると入居率も上がるでしょう。
周辺環境は利便性の他に、治安も重要です。街灯の数や明るさ、人通りなどは夜間の治安に影響します。治安に関して不安が少なければ、女性からのニーズも得られるでしょう。設備が良く防音性も高い
便利で高性能な設備が賃貸物件に備わっていると、人気が高まります。ワンルームマンションの場合、無料Wi-Fiやオートロック、宅配ボックスなどが設備として人気です。
集合住宅では、生活音や騒音がトラブルにつながる恐れがあります。特に、両隣や上下階の部屋に注意しなければなりません。鉄筋コンクリートの建物は防音性や耐久性に優れているため、音に関するトラブルの発生をある程度は抑えられます。近隣物件との差別化も重要
近隣の賃貸物件と差別化を図るのも、ワンルームマンションで入居率を上げるための大切なポイントです。物件を適切に管理・運営し、入居者様の生活満足度を高められるようなサービスを心がけます。
差別化にあたっては、実際に近隣の賃貸物件を調査するとよいでしょう。賃貸物件として需要が高い設備やサービスを把握しておきます。-
賃貸物件では空室による収益悪化を防ぐため、適切な空室対策を行わなければなりません。しかし、現在住んでいる入居者様の退去を防ぐことも大切です。
退去を防ぐ方法としては、主に以下の3つが挙げられます。建物や設備などをしっかり管理する
設備の故障が多い、部屋に隙間風が入ってくる、隣や上下階の生活音が響くといった物件の問題は、退去されやすくなります。共用部のゴミ置き場が汚い、設備故障の対応が遅いなどの管理面の問題も、入居者様の退去を誘発するため注意が必要です。
入居者様の退去を防ぐためにも、建物や設備の管理を徹底し、物件全体に対する不満を溜めさせないようにしましょう。賃料への不満を無くす
賃貸物件の家賃は、立地や周辺環境により相場が決まっています。そのため、相場と家賃のバランスが適切でなければなりません。入居者様が、「借りている部屋の家賃は周りよりも割高だ」と感じてしまうと、退去を招いてしまう恐れがあります。
また、更新料を設定しているオーナー様も少なくないですが、更新料を払いたくないと考える入居者様も多く、更新料を取りやめるオーナー様が近年では増加しています。入居者同士のトラブルが発生しないようにする
住民同士のトラブルは、ある程度対策を取っていても突発的に起こってしまうケースがあります。迷惑行為に悩む入居者様の中には、管理会社へ連絡する人もいるでしょう。
住民同士のトラブルが発生しないように、日頃から注意しておくことが大切です。入居者様がトラブルに耐えられなくなった場合は、退去を選択してしまう確率が高まります。-
ここでは、ワンルームマンションで空室対策を行う際に、注意すべきポイントを3つ解説します。
競合物件を分析する
空室対策には、定期的な競合物件の分析が有効です。物件の情報サイトを活用し、近隣にあるワンルームマンションの空室状況や家賃、設備を調べて、保有する物件と比較し見直しを検討します。
競合物件の分析によって、保有する物件の強みや足りない部分を明確にできるため、差別化を図りやすくなるでしょう。空室対策は複数行う
空室対策には、さまざまな方法があることを紹介しました。対策を実施する際は、複数の方法を組み合わせるようにしましょう。
リノベーションなど、コストが大きい空室対策は予算を考慮しなければならないため、まずはすぐに取り組める対策を実施するのがおすすめです。対策は継続的に見直す
空室対策は、空室が解消されて終わりということはありません。入居者様のニーズは変化するため、同様の空室対策を取り続けていれば効果が薄れてしまうでしょう。そのため、空室対策には継続的な見直しが必要です。
見直しの際は、物件の課題や改善点を洗い出しましょう。入居者様に対して定期的にアンケートを実施するのも有効な方法です。-
ワンルームマンションは単身者向けの賃貸物件として、一人暮らしの学生や社会人に人気があります。しかし、賃貸物件である以上は入居者様の入れ替わりがあるため、一定期間空室が発生してしまうことを考慮しなければなりません。
入居者様の退去により空室が発生した場合は、初期費用の見直しやニーズが高い設備の導入などを行い、ワンルームマンションに適した空室対策を行いましょう。空室が長引くと、その期間中は家賃収入を得られないため注意が必要です。関連記事
-
地主の方の相続をスムーズに行おう!税金対策や土地の活用方法などを解説
土地や家を相続する場合、相続税などお金に関する問題に悩む方もいるのではないでしょうか。特に多くの土地を所有する地主の方は、相続の問題や節税に関しての悩みを抱えることも少なくありません。相続する土地が多ければ支払う相続税も増えてしまうため、節税手段を考える必要があるのです。また、土地や家のように規模が大きいものを相続する際は、遺言書を作成するケースがほとんどですが、それでも相続人同士でトラブルが起きてしまう場合もあるでしょう。さらに、不動産を相続した後はその土地や家を管理し、有効な活用方法の検討をしなくてはなりません。 こうした悩みを軽減すべく、この記事では、地主の方が行うべき節税方法や相続税の注意点を解説します。また、相続税の計算方法や、地主の方から土地を相続された方に向けた土地の活用手段についても紹介します。 しかし、所有している土地でアパート経営を始めるには、いくつかのリスクがあることも覚えておきましょう。それぞれのリスク回避のために適切な対策を行って、効率的な土地活用を行いましょう。 この記事では、土地有りでアパート経営を行うメリット・デメリットについて、そして経営を進める時の流れや必要な資金などについて解説します。
-
サブリースと家賃保証の違いは何?仕組みや特徴を解説
サブリースと家賃保証は、どちらも家賃を保証してもらえるサービスですが、特徴が異なります。オーナー様は、どちらのサービスが所有する賃貸物件に適しているか、よく検討する必要があるでしょう。 この記事では、サブリースと家賃保証の違いや、各サービスのメリット・デメリット、業者を選ぶポイントなどを解説します。
-
親が亡くなった際の家の名義変更について、登記義務化と併せて解説
自分の親が亡くなったら、残された財産を相続することになります。相談は必須ではないため、相続放棄をすることは可能ですが、少なくとも各種手続きは必要です。相続する財産の一つとして、不動産は代表的な例といえるでしょう。 この記事では、不動産の中でも家に焦点を当て、相続に際して必要となる名義変更手続きについて解説します。2024年4月1日からは、この名義変更手続きが義務化されるため、家を相続する可能性がある方は必ず把握しておきましょう。
タウングループ不動産管理事業- 賃貸債務保証業務代行 株式会社イズミ
- 賃貸契約に関する家財保険 イズミ少額短期保険会社
- 建物・お部屋のリフォーム 株式会社イズミリフォーム
不動産仲介・周辺事業- 賃貸不動産仲介(首都圏) タウンハウジング
- 賃貸不動産仲介(東海) タウンハウジング東海
- 賃貸不動産仲介(九州) タウンハウジング福岡
- 土地・建物の不動産販売及び仲介 タウン住宅販売
- 首都圏を中心に引越サービスを展開 タウン引越サービス
建築事業- 賃貸住宅の企画・設計・施工 アヴェントハウス
多角化事業- 都内を中心に飲食店を運営 タウンダイニング
- インドアテニススクール タウンインドアテニスアカデミー