他人から不動産をもらった場合の贈与税はいくら?計算方法や手続き方法などを解説
贈与税は、親や祖父母から受け取る場合と、他人から受け取る場合とで税率が異なります。特に他人から不動産を贈与された場合は、一般税率が適用されるため税負担が大きくなりやすい傾向です。
また、不動産は評価方法が複雑であるため、想定以上に税額が高くなるケースもあります。
本記事では、他人間の不動産贈与における贈与税の仕組みや計算方法、手続きの流れについて分かりやすく解説します。
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他人に不動産を渡す際は、贈与・譲渡・遺贈の3つの方法があります。まずは、これら3つの違いを把握しましょう。
贈与とは
贈与とは、当事者の一方が自身の財産を無償で相手に与える意思を示し、相手がそれを承諾すると成立する契約です。民法第549条で定められており、双方が合意して初めて法的効力を持つため、財産を引き渡す側の意思だけでは成立しません。不動産取引における贈与は、親から子どもへ自宅を無償で引き継ぐケースや、祖父母から孫へ現金を渡して住宅購入資金に充てさせるケースなどが該当します。
譲渡とは
譲渡とは、所有する財産や権利を他者へ移転させる行為全般を指す法律用語です。法的には、無償で財産を渡す贈与も広義の譲渡に含まれます。しかし、不動産において譲渡と呼ぶ場合、対価を受け取って財産を引き渡す有償譲渡を意味するのが一般的です。例えば、自身が所有するマンションを第三者に市場価格で売却する行為は有償譲渡に該当します。なお、譲渡により利益が発生した場合、譲渡人には所得税や住民税がかかる場合があります。
遺贈とは
遺贈とは、遺言書を用いて自身の財産を個人や法人に無償で与えることです。民法の規定に基づき、財産を与える側が死亡した際に初めて法的効力が発生します。贈与は当事者双方の合意を必要とする契約ですが、遺贈は遺言者の意思のみで成立する点が特徴です。そのため、財産を受け取る側の事前の承諾は必要ありません。
主に、法定相続人以外の第三者である内縁の配偶者や知人などに対して財産を残したい場合に利用されます。なお、遺贈には特定の財産を指定して渡す特定遺贈と全財産の一定の割合を指定して渡す包括遺贈の2種類があります。それぞれの比較表
贈与・譲渡・遺贈の比較表を以下にまとめました。
項目 贈与 譲渡 遺贈 時期 生前 生前 死後 対価 無償 基本的に有償 無償 合意 双方の合意が必要 双方の合意が必要 遺言者のみで成立 税金 贈与税 所得税 相続税 -
譲渡や遺贈と比べて比較的早いタイミングで財産を渡せる点が贈与のメリットとされていますが、その代わりに贈与税が課せられます。他人間の不動産贈与では親族間に比べて税率が高くなるため、仕組みを把握して事前に計画を立てておく必要があります。
贈与税とは
贈与税とは、個人から個人へ無償で財産が移転した際、財産を受け取った側に対して課される国税です。現金・不動産・株式などが対象で、相続税を補完する役割があります。1月1日~12月31日までの1年間に受け取った贈与財産の価額を合算し、翌年の2月1日~3月15日までに所轄税務署へ申告・納税を行う必要があります。
税務上における他人とは
贈与税の税率は、贈与者と受贈者の関係によって異なります。対象となる財産は一般贈与財産と特例贈与財産です。特例贈与財産は父母や祖父母などの直系尊属から、贈与年の1月1日時点で18歳以上の子どもや孫などの直系卑属へ贈与された財産です。通常より低い税率が適用される場合があります。
一方、他人間の贈与は一般贈与財産に分類され、特例税率よりも負担が重い一般税率が適用されます。-
贈与税の課税方式には、暦年課税と相続時精算課税制度の2つがあります。課税方式によって計算方法が異なるため、それぞれの計算式や税率を把握しておきましょう。
暦年課税
暦年課税とは、1年間に贈与された合計額が110万円を超える場合、その超えた分に対して贈与税がかかる方式です。1年間の贈与額が110万円以下の場合、贈与税は発生せず、税務署への申告手続きは不要とされています。
暦年課税の計算方法
暦年課税の計算式は、「(1年間の贈与財産の合計額-110万円)×税率-控除額」です。計算結果がマイナスになる場合、贈与税はかかりません。基礎控除後の課税価格に応じ、以下の税率が適用されます。
一般贈与財産
特例贈与財産基礎控除後の課税価格 税率 控除額 200万円以下 10% – 300万円以下 15% 10万円 400万円以下 20% 25万円 600万円以下 30% 65万円 1,000万円以下 40% 125万円 1,500万円以下 45% 175万円 3,000万円以下 50% 250万円 3,000万円超 55% 400万円 基礎控除後の課税価格 税率 控除額 200万円以下 10% – 400万円以下 15% 10万円 600万円以下 20% 30万円 1,000万円以下 30% 90万円 1,500万円以下 40% 190万円 3,000万円以下 45% 265万円 4,500万円以下 50% 415万円 4,500万円超 55% 640万円 相続時精算課税制度
相続時精算課税制度とは、原則60歳以上の父母・祖父母から18歳以上の子ども・孫へ財産を贈与する際に利用できる方式です。この制度を選択すると、累計2,500万円までの特別控除枠が適用され、枠の範囲内であれば不動産のような高額な財産を一度に受け取っても贈与税は課されません。また、2024年の税制改正により、特別控除枠とは別に年間110万円の基礎控除枠も新設されました。
ただし、特別控除を利用して非課税で受け取った財産は贈与者の死亡時に相続財産へ加算され、最終的に相続税として精算される仕組みとなっています。また、一度特定の贈与者に対してこの制度を選択すると、暦年課税へと戻せなくなるため注意が必要とされています。相続時精算課税制度の計算方法
相続時精算課税制度の計算式は、「(贈与財産の合計額-110万円-特別控除残額)×20%」です。非課税枠を超えた部分は一律20%の税率が適用されるため、多額の贈与に適しています。
一方、相続時の計算は「相続財産+贈与時の相続税評価額-基礎控除」です。計算された相続税額から納付済みの贈与税を差し引けば、最終的な納税額が求められます。なお、基礎控除額以内の贈与を相続財産に足し戻す必要はありません。-
贈与税に関する控除や特例はさまざまありますが、他人間の贈与でもこうした控除・特例は使えるのでしょうか。ここでは、控除・特例で使えるものと使えないものを解説します。
基礎控除は誰でも利用できる
暦年課税で認められている年間110万円の基礎控除は、贈与者と受贈者の関係を問わず誰でも利用できる制度です。内縁の配偶者や血縁関係のない第三者などから不動産の贈与を受けた場合でも、この控除を適用して課税対象額を減額できます。なお、基礎控除は受贈者1人当たりで計算されるため、複数の他人から財産を受け取った場合は全てを合算しなければなりません。
各種特例の利用は難しい
贈与税の負担を大幅に軽減できる各種特例は法律で定められた特定の親族関係が要件となるため、他人間での利用は難しいでしょう。例えば、贈与税の配偶者控除は法律上の婚姻関係にある配偶者に限定されており、内縁関係では適用できません。
また、住宅取得等資金の贈与税の非課税特例は父母や祖父母などの直系尊属から受けた贈与のみ対象です。そのため、血の繋がっていない第三者はもちろん、兄弟姉妹や叔父などの親族からの贈与でも特例の利用はできません。相続時精算課税制度も利用できない
相続時精算課税制度についても、他人間での不動産贈与では利用できません。この制度を適用するためには、贈与する側が60歳以上の父母・祖父母、贈与される側が18歳以上の子ども・孫でなければならないためです。そのため、内縁の配偶者や友人などから不動産を譲り受ける場合も同様に適用要件から外れます。他人間の贈与では、暦年課税の一般税率を用いて贈与税を計算するのが原則です。
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不動産贈与では、その不動産の種類によって評価方法が変わります。評価方法の違いを把握し、正確な税額を算出しましょう。
土地
土地の評価額を算出する方法は、対象地の所在地に応じて路線価方式と倍率方式の2通りです。市街地に位置する土地は路線価方式で評価され、国税庁が毎年公表する道路ごとの1㎡当たりの基準価額に実際の土地の面積を乗じて計算します。対象の土地が角地に面していたり細長い形状だったりした場合、土地の利用効率を反映させるために補正率による価額の調整が行われる場合もあります。
一方、路線価が設定されていない郊外の土地は倍率方式が採用されます。これは市町村が算定した固定資産税評価額に対し、国税庁が地域別に定めた一定の評価倍率を掛け合わせて評価額を算出する仕組みです。家屋
建物を贈与された場合の評価額は、対象となる建物の固定資産税評価額がそのまま贈与税の評価額として適用されます。固定資産税評価額は各市町村が家屋の構造や築年数などを基準に決定する価額で、課税明細書や固定資産評価証明書で金額を確認可能です。一般的に、固定資産税評価額は新築時の工事費用の5~7割に設定されているといわれます。対象の家屋を第三者に賃貸している場合、借家人が持つ借家権を考慮し、算出した評価額から一定割合を減額する措置が適用されます。
マンション
マンションの一室を譲り受けた場合、建物の固定資産税評価額と敷地権割合に応じて土地の評価額を合算して計算します。ただし、市場取引価格と評価額との間に生じる差を是正するため、2024年1月1日以降の贈与から区分所有財産に対する評価方法が導入されました。新基準では、マンションの築年数・建物の総階数・対象住戸の所在階・敷地持分の狭小度の4つを基に評価乖離率を算出します。算出された評価水準が市場価格の6割を下回る場合、従来の評価額に専用の補正率を乗じて評価額の補正が行われます。高層階であるほど市場価格との差が開きやすいため、タワーマンションの上層階を譲り受ける際は評価額が大幅に増額されます。
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贈与税がかかるのであれば、格安で売買すればいいのではと思う方もいるかもしれませんが、こうした取引はみなし贈与に該当する恐れがあります。ここでは、みなし贈与の意味や当てはまるケースを解説します。
みなし贈与とは
みなし贈与とは、実質的に財産を無償で受け取ったのと同様の経済的利益を得た場合に、当事者間の合意にかかわらず税務上贈与とみなす制度です。税負担の公平性を保つ目的で適用され、贈与税を逃れる意図や悪意がなくても課税対象に含まれます。そのため、意図せぬ形で税務署から指摘される恐れがあります。
低額で不動産を譲り受けた
不動産を通常の市場価格より大幅に低い価額で買い取った場合、本来の時価と実際の売買価格との差額分がみなし贈与として扱われます。例えば、市場価格が5,000万円の土地を知人から1,000万円で購入した場合、差額の4,000万円を無償で得たものとみなされ、その部分は贈与税の対象です。
なお、大幅に低い価額に明確な基準額や割合が法律で定められているわけではありません。個別の事情や市場動向を基に、税務署が判断します。不動産のローン・借金を免除・肩代わりしてもらった
自身が抱えている不動産の住宅ローンや借金について、第三者に返済を免除してもらったり肩代わりしてもらったりした場合もみなし贈与に該当します。例えば、知人が住宅ローンの残高を一括で立て替えて金融機関に返済した場合、肩代わりしてもらった人は本来支払うべき債務を免れ、経済的利益を得た状態です。
この時、返済額に相当する現金が直接手渡されていなくても、債務が消滅した金額分を贈与されたものとして贈与税が課されます。ただし、債務者に返済能力がなく、親族が肩代わりしなければ生活が破綻するようなやむを得ない事情がある場合、非課税となる可能性があります。対価を支払わず不動産の名義変更のみ行った
売買代金といった対価を支払わず、法務局で不動産の所有権移転登記を行い、名義だけを書き換えた場合もみなし贈与とみなされる可能性があります。相続トラブルの回避や便宜上の理由で親から子どもに名義を変更した場合も、税務上は登記名義人となった者が不動産を無償で取得したとみなされます。この場合、固定資産税評価額や路線価などを基準に算定された評価額に対して贈与税が課されます。なお、名義変更後に元の名義に戻しても、一度完了した贈与を取り消すことは基本的に認められません。
出資割合と異なる共有名義にした
複数人で資金を出し合って不動産を購入する際、実際の負担額と登記上の所有権割合が食い違っているとその差額がみなし贈与に該当します。例えば、夫が4,000万円、妻が1,000万円を出資して5,000万円の住宅を購入したにもかかわらず、登記上は夫婦半々の共有名義にしたケースです。
この場合、妻の正規の持分は5分の1ですが、登記上は2分の1となっているため、差額である1,500万円分の不動産を夫から妻へ無償で贈与したとみなされます。特に、夫婦で住宅ローンを利用する際や二世帯住宅の建築資金を親と分担する際には注意が必要です。-
不動産を他人に譲る際、贈与税以外にも費用がかかります。具体的には、登録免許税や不動産取得税、司法書士への報酬などです。
登録免許税
登録免許税とは、不動産の名義を贈与者から受贈者へ変更する所有権移転登記の際に国へ納める税金です。税額の計算方法は、「不動産の固定資産税評価額×2%」となっています。例えば、固定資産税評価額が2,000万円の土地の場合、税額は40万円です。
納付は登記申請時に収入印紙を申請書に貼り付けて行うのが一般的ですが、オンライン申請を利用する場合は、電子納付も選択できます。この税金に免税点はなく、評価額がどれだけ低くても発生するとされているため注意が必要です。また、贈与によって名義を変更した場合は売買や相続に比べて税率が高くなります。不動産取得税
不動産取得税とは、不動産を新たに取得した際に所在地の都道府県から一度だけ課される地方税です。有償無償にかかわらず課税対象となるため、贈与によって取得した場合でも受贈者に納税義務が生じるとされています。
税率は原則として固定資産税評価額の4%です。ただし、2030年3月31日までは特例により(令和8年度税制改正により延長。財務省「令和8年度税制改正の大綱」)、土地と住宅用家屋に限り3%となります。
また、宅地を贈与された場合は評価額を2分の1にしたうえで税率を掛ける措置もあります。例えば、評価額1,000万円の宅地であれば、税額は「1,000万円×1/2×3%」で15万円です。司法書士への報酬
報酬額は依頼先や不動産の筆数や評価額などによって異なりますが、一般的な居住用不動産の贈与の場合は5万~10万円が相場です。依頼前に複数の事務所から見積もりを取って比較検討すると、費用を抑えられる可能性があります。
印紙代
不動産の贈与契約書を作成する際、文書の記載内容に応じて課される印紙税の支払いにかかる費用です。契約書に収入印紙を貼り付け、消印を押すことで納税が完了します。
不動産を無償で贈与すると、有償の売買契約とは異なり契約金額の記載がない文書として扱われるため、1通当たりの印紙代は一律200円です。贈与者と受贈者の双方が原本を保管する目的で契約書を2通作成した場合、合計400円が必要となります。
ただし、契約書内にローン残債を肩代わりする負担付贈与の旨や現金の贈与についての記載が混在している場合、その金額に応じて印紙税が発生する恐れがあります。なお、電子契約を利用して作成した場合、金額にかかわらず印紙税はかかりません。譲渡所得税
個人間の贈与であれば原則として譲渡所得税はかかりませんが、特定の条件を満たすと不動産を手放した贈与者側に課税される場合があります。一つは個人から法人へ不動産を贈与した場合です。この場合、税務上は時価で売却したとみなされ、不動産の取得時より価値が上昇していればその値上がり益に対して譲渡所得税が発生します。
もう一つは受贈者が不動産のローンや借金を肩代わりする負担付贈与の場合です。贈与者は債務を免れ、経済的利益を得た状態になるため、有償譲渡と同じように扱われます。この時、不動産取得費より免除された債務額が上回っていると、利益が発生したとみなされて贈与者にも譲渡所得税や住民税が課されます。-
ここでは、他人から不動産を贈与された場合の計算シミュレーションを行います。諸費用は考慮せず、あくまで贈与税のみの計算です。
一戸建てを無償で譲り受けた場合
他人から無償で一戸建てを譲り受けた場合、一般贈与財産の税率を適用した暦年課税で贈与税を計算します。例えば、土地の路線価評価額が1,500万円、家屋の固定資産税評価額が500万円の場合、贈与財産の合計額は2,000万円です。
ここから基礎控除額の110万円を差し引くと、課税価格は1,890万円となります。これを一般税率の速算表に当てはめると3,000万円以下の区分に該当するため、税率は50%、控除額は250万円です。つまり、最終的な贈与税額は695万円となる計算です。相場より安く譲り受けた場合
市場価格より大幅に安い金額で不動産を譲り受けた場合、時価と実際の売買価格の差額がみなし贈与として課税対象となります。例えば、時価3,000万円のマンションを他人から1,000万円で購入したと仮定しましょう。この時、差額の2,000万円は無償で譲り受けた財産とみなして計算されます。
基礎控除額の110万円を差し引くと課税価格は1,890万円となり、先ほどと同様に一般税率を適用すると、最終的な贈与税額は695万円となる計算です。ローン残債とともに不動産を譲り受けた場合
ローン残債とともに不動産を引き継ぐ負担付贈与の場合、路線価や固定資産税評価額ではなく時価で不動産が評価されます。例えば、時価4,000万円、路線価評価額3,000万円の土地を2,500万円のローン残債とともに引き継ぐと仮定しましょう。この時、贈与財産額は時価から債務額を差し引いた1,500万円となり、基礎控除額の110万円を引くと1,390万円となります。
これを一般税率の速算表に当てはめると1,500万円以下の区分に該当するため、税率は45%、控除額は175万円です。つまり、最終的な贈与税額は450万5,000円となる計算です。-
他人からの不動産贈与には、税負担や維持管理の手間が生じるといったリスクがあります。以下のリスクも踏まえて、不動産贈与を受けるかどうか判断しましょう。
固定資産税や都市計画税が発生する
不動産を取得すると、その年の翌年から固定資産税が課されます。市街化区域内に位置する不動産の場合、都市計画税も納めなければなりません。税額は各自治体が定める固定資産評価基準を基に計算され、税率は原則として固定資産税が1.4%、都市計画税が最大0.3%です。
また、建物を自身で利用せず空き家のまま放置し、倒壊の危険がある特定空家等や管理不全空き家に自治体から指定されると、固定資産税の軽減措置の適用外となります。この場合、土地の税負担が最大6倍にまで跳ね上がる恐れがあります。修繕費や維持管理費がかかる
不動産を健全な状態で保つためには、定期的なメンテナンスが必要です。一戸建ての場合は築年数の経過に伴い、外壁塗装や屋根の葺き替え、設備の交換などを修繕するためにまとまった費用が必要になります。
また、分譲マンションの場合でも居住の有無にかかわらず管理費や修繕積立金を管理組合に支払わなければなりません。さらに、庭の除草や掃き掃除などの日常的な管理にも手間や費用がかかります。贈与者の相続人から遺留分を請求される恐れがある
法定相続人には、最低限の遺産の取得割合(遺留分)が保障されています。遺留分が侵害された場合、遺留分侵害額請求を行うことで、侵害された相当額の金銭の請求が可能です。
他人間の生前贈与でも相続開始前の1年間に行われたものは、遺留分の算定基礎となる財産に組み込まれます。また、贈与者と受贈者の双方が相続人の遺留分を侵害すると承知のうえで行った贈与の場合、1年以上前の契約でも対象です。仮に贈与者の配偶者や子どもから遺留分侵害額請求を受けた場合、受贈者は不足分を現金で精算する必要があります。訳あり物件の恐れがある
他人へ不動産を無償で渡す背景には、不動産市場では買い手がつかない理由が隠れているかもしれません。具体的には、過去に建物内で事件・事故が発生した心理的瑕疵物件やシロアリ被害・雨漏りなどの物理的瑕疵物件などです。
また、接道義務を満たしておらず建物の建て替えが不可能な場合や隣地との境界線があいまいで所有権の境界紛争を抱えている場合もあります。このような問題を抱えている不動産を引き受けてしまうと、自身で居住できず、第三者への売却や資産運用も困難になるでしょう。-
トラブルを未然に防ぐためには、正しい手順で手続きを進めることが重要です。ここでは、贈与手続きを進める際の手順を解説します。
贈与契約書を交わす
口頭の約束でも法的効力はありますが、後々のトラブルを防ぐためには書面を作成するのが一般的です。契約書には、贈与者と受贈者の氏名や住所、不動産の引き渡し日などを記載します。対象の不動産の情報は、法務局で取得できる登記事項証明書の内容と同じように記載することが望ましいとされています。土地であれば所在・地番・地目・地積、建物であれば所在・家屋番号・種類・構造・床面積を書き写しましょう。
署名欄には双方が実印で押印し、印鑑証明書を添付すると文書の信頼性が高まります。完成した書類は規定に従って収入印紙を貼り付け、消印を押して当事者で各自1通ずつ保管します。所有権移転登記を行う
引き渡し日に合わせて、対象の不動産の所在地を管轄する法務局で名義変更を申請します。必要書類は贈与者の印鑑証明書と登記識別情報通知または登記済権利証、受贈者の住民票と当該年度の固定資産評価証明書です。贈与の事実を客観的に証明する登記原因証明情報として、作成した贈与契約書も併せて提出しましょう。
申請書には登録免許税分の収入印紙を貼り付け、窓口や郵送で提出します。書類に不備がなければ、申請から1~2週間で手続きが完了し、新たな登記識別情報通知が発行されます。贈与税の申告と納付を行う
不動産を引き受けた年の翌年2月1日~3月15日までに、受贈者の住民票がある住所地を管轄する税務署へ贈与税の申告と納税を済ませます。申告手続きには、国税庁のWebサイトや税務署で入手できる贈与税の申告書第一表を使用し、本人確認書類やマイナンバーカードの写しを添付して提出します。他人間の贈与では基本的に特例を適用できないため、親族関係を証明する戸籍謄本を提出する必要はありません。書類の提出は窓口への持参や郵送でできるほか、e-Taxを利用した電子申告も可能です。期限を過ぎると延滞税や無申告加算税などが課される恐れがあるため、余裕を持って納めましょう。
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直系尊属から直系卑属へ贈与された財産は低い税率が適用される一方、他人間の贈与は特例税率よりも負担が重い一般税率が適用されます。他人間の贈与では基礎控除を利用できますが、相続時精算課税制度や各種特例の利用は基本的にできません。そのため、贈与税額は高くなるでしょう。
また、不動産の種類によって路線価や固定資産税評価額や敷地権割合など評価の基準は異なります。贈与税以外にも、登録免許税や不動産取得税などの費用がかかる場合があります。こうした手続きは複雑なため、必要に応じて司法書士や税理士などに相談するとよいでしょう。-
他人から不動産をもらうと贈与税の税率は変わりますか。
変わります。父母や祖父母などの直系尊属から18歳以上の子や孫へ贈与された財産(特例贈与財産)には低い特例税率が適用されますが、他人間の贈与は一般贈与財産に分類され、負担が重い一般税率が適用されます。
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他人間の贈与で使える控除や特例はありますか。
暦年課税の年間110万円の基礎控除は、贈与者と受贈者の関係を問わず利用できます。一方、贈与税の配偶者控除や住宅取得等資金の非課税特例、相続時精算課税制度は、法律上の親族関係が要件となるため利用できません。
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みなし贈与にはどのようなケースが該当しますか。
市場価格より大幅に低い価額で不動産を譲り受けた場合、住宅ローンや借金を免除・肩代わりしてもらった場合、対価を支払わずに名義変更だけを行った場合、出資割合と異なる共有名義にした場合などが該当します。
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贈与税以外にかかる費用を教えてください。
登録免許税(固定資産税評価額×2%)、不動産取得税、司法書士への報酬(5万〜10万円程度)、贈与契約書の印紙代などがかかります。負担付贈与の場合は、贈与者側に譲渡所得税や住民税が課される場合もあります。
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