【100坪の土地】アパート建設した際の部屋数は?パターン別
相続などの理由で100坪ほどの土地を保有している方のなかには、活用方法がわからず困っている方もいるのではないでしょうか。「何もせず放置していてはでもったいない」と考える方もいるはずです。
そこでおすすめの土地活用方法が、「賃貸アパート」です。100坪の土地に賃貸アパートの建設には、部屋数や間取りが大切ですが、うまく経営できれば安定した家賃収入が期待できます。
この記事では、100坪の土地にアパートを建築したときの部屋数を中心に、役立つ知識や成功ポイントを解説します。
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100坪で建設できるアパートについて紹介する前に、まずは法律や用途地域について知っておきましょう。建物を建設する際には、法律などで制限がされていないか確認することが大切です。
用途地域
アパートを建てる際、建築予定地が住居の用途地域として認められていないといけません。用途地域とは、計画的な市街地を形成するために定められたエリアのことです。
このエリアは大きく「住居」「商業」「工業」の3つに分けることができ、それぞれに建物の制限が行われています。
■住居用地域
第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域・第一種中高層住居専用地域・第二種中高層住居専用地域・第一種住居地域・第二種住居地域・準住居地域・田園住居地域の8種があります。いずれも、アパートの建設が可能な地域です。
■商業用地域
近隣商業地域・商業地域の2種があり、こちらもアパートを建設できます。1階部分に店舗を併設する形態も可能です。しかし、ビジネスや店舗エリアとして設定されているため、住居用地域よりも居住性は下がります。
■工業用地域
準工業地域・工業地域・工業専用地域の3種があります。工業専用地域では、アパートを含む住宅の建設は許可されていません。地区計画
地区計画とは、良好な市街地の整備のために定められた制限などを指します。街づくりの方針や、建築物の用途や規模や形態、公共施設や道路まで細かく定められているため、事前に確認が必要です。
地区計画を細かく定める理由として、街全体に統一感が生まれることが挙げられます。特に、敷地面積などの限度の設定では、景観をきれいに保つ役割があります。建ぺい率と容積率
では、建物を建設する際に大切な、建ぺい率と容積率について見ていきましょう。
建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合のことです。建築面積÷敷地面積×100で計算できます。
数値の上限は、前述した用途地域ごとに設定されており、たとえば住宅系用途地域では、30%から80%とされています。
土地所有者のなかには「せっかく土地があるのだから無駄なく使いたい」という方もいるでしょう。しかし、建ぺい率が高すぎる家は、防災や風通しの観点から望ましくないとされています。安全でゆとりのある家にするため、建ぺい率は設けられているのです。
一方、容積率は、敷地面積に対しての延べ床面積の割合を指します。延べ床面積とは、それぞれの階の「床面積」を合計した面積のことで、容積率は「土地に対して何階の建物を建てることができるのか」を定めるための基準とも言えます。
容積率も用途地域により制限されており、住宅系用途地域では、容積率は50%から500%の範囲で定められています。100坪の土地で容積率上限が150%であれば、延床面積は150坪まで建設可能です。
容積率が定められている理由として、「人口制限」が挙げられます。人口が増えすぎたり、一点に集中しすぎたりすると、インフラ整備などが滞る可能性があります。このような事態を避けるためにも、容積率が定められています。
このように、法律や地域によって様々な制限が設けられています。アパート、マンションに限らず、建物を建設する際は、事前によく確認しておくことが大切です。-
- では、100坪の土地には、何部屋のアパートが建てられるのでしょうか。1坪は約3.3平方メートルのため、100坪は約330平方メートルになります。これは6レーンの25メートルプール1つ分に相当します。
建築物の構造によっても異なりますが、一般的に、単身向けでは7部屋、2人向けでは3~4部屋、4人家族向けでは2部屋程度建てられます。また、30坪程度の戸建てであれば2~3戸程度建てられます。そのため、戸建て賃貸として経営も可能でしょう。
なお、自動車が必須の地域に建設する場合は、駐車場を設けることも検討しましょう。100坪で駐車場も用意すると、アパート全体で4戸から6戸くらいの戸数が多いようです。もっとも都市部の駅近物件なら、ワンルームとして戸数を多めに設定して、駐輪場やバイク場でも十分な場合もあります。-
- アパートを建設するなら、その土地のニーズを考慮した集客率の高い物件を建てたいものです。では、100坪の物件を建てるには、どのような土地が適しているのでしょうか。
100坪でアパートを建設するために、考えなければならないのは「駐車場の有無」です。駐車場を設置すると、建築面積が狭くなり収益が下がりかねません。そのため、まずは、「建設予定地周辺に駐車場がある」もしくは「駅の周辺で利便性が高い」土地を選びましょう。
また、アパート構造は、「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」「鉄筋鉄骨コンクリート造」に大別されます。100坪はアパートとしてそれほど大規模な用地ではないため、予算が安い点からも、木造が選択されることが多いようです。
ただし、木造は日本の気候風土にマッチしており、通気性にも優れますが、集合住宅では防火性や遮音性の低さが気になるかもしれません。その場合は、耐震性も高い鉄骨造や鉄筋コンクリート造を検討しましょう。-
ここまで、100坪の土地でアパート経営を行う方法について、ご紹介してきました。では、実際にアパート経営を行うメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。デメリットとも比較して、土地活用方法として有効な方法を見つけたいものです。以下で、見ていきましょう。
メリット
■高い収益性がある
階層を増して多くの部屋数を用意することで、高い収益性が期待できます。特に、都心部などで容積率の上限が高く設定されている地域では、大きなアパートを建てられるでしょう。
また、居住ニーズにあわせたアパートを建築することで、入居率も高まり、安定した収入が得られます。
■節税効果が期待できる
アパート運営は、所得税や住民税、贈与税、相続税、固定資産税などの節税になります。居住用の建物を設置することで税法上の種々の特例を受けられ、戸数を増やすほど節税効果も増します。デメリット
■都市部は競争率が高くなる
都市部の利便性が高い立地は、ライバルとなる賃貸物件が多く存在します。入居者を確保するためにも、競合物件の情報を調査しておくと良いでしょう。たとえば、設備や間取り、入居者の世帯数などを調査しておくと、周辺地域のニーズが掴めます。
■空室リスクがある
アパート経営は、入居者がいなければ成り立ちません。そのため、立地や競合物件などの理由で、空室が出てしまうと、その分収入は減ってしまいます。アパートは戸建てよりも供給戸数が多いため、入居者の需要とマッチできなければ満室にするのは難しいでしょう。周辺地域の調査を徹底的に行い、需要に即したアパートを建設しましょう。
■駐車場が必要な場合もある
地方や郊外、都市部でも駅から離れていると、戸数分の駐車場の設置は必須です。前述したように、駐車場を設けると建築面積が減り、部屋数も減ります。-
- それでも、アパート経営は、収益性の高さが魅力です。老後の生活資金や副収入として頼れる方法であることから、人気が高い土地活用方法と言えます。
では、100坪の土地に新規にアパートを建築するときには、どれくらいの費用がかかるものなのでしょうか。
アパート建設の費用は、工法によって異なります。前述したように、アパート建設には「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」「鉄骨鉄筋コンクリート造」などがあります。これらの坪単価は、おおよそ以下のようになっています。木造 鉄骨造 鉄筋コンクリート造 鉄骨鉄筋コンクリート造 坪単価 約50~60万円 約70~80万円 約90~100万円 約120万円~
では、次に本体工事費を見ていきましょう。本体工事費は、人件費や資材費、工事費を含み、坪単価×延べ床面積で計算できます。上記の表どおりに計算すると、以下のようになります。木造 鉄骨造 鉄筋コンクリート造 鉄骨鉄筋コンクリート造 坪単価 約5000万円~ 約7000万円~ 約9000万円~ 約12000万円~
付帯工事費は、本体工事費とは別に発生する費用のことです。建設するアパートの規模によっても異なりますが、建築費用の10~20%を占めるとされています。具体的には、地盤改良工事やインフラ工事などの費用が含まれます。
一方、諸経費は、税金やその他の費用のことです。ローンの手数料や不動産所得税、設計費などが含まれます。これらの費用のなかには、確定申告をする際に経費として計上できるものもあるため、記録を残しておくことが大切です。
このように、アパートを建築するには、様々な費用がかかります。また資材価格の上昇など、外的要因によっても大きく価格は変動します。上記でご紹介したデータは、あくまでも参考程度にしておき、具体的な費用は不動産屋などに相談しましょう。当社ではそのような相談も承っておりますので是非お気軽にご連絡ください。費用が高くなるケース
前述した費用よりも、建築費用が高くなってしまうケースもあります。たとえば「高い仕上げ材を使用したとき」「部屋数を増やしたとき」「設備を充実させたとき」などです。
■高い仕上げ材を使用したとき
アパート建設費用の約40%が材料費と言われています。そのため、仕上げ材などの費用が上がると、必然的に建設費用も高くなります。たとえば、タイルを玄関に敷き詰めるなど、細部にこだわりすぎると予想以上に費用が跳ね上がるため注意しましょう。
もちろん、木材よりも鉄骨造や鉄筋コンクリート造で建設すると、費用は高くなります。
■部屋数を増やしたとき
部屋数を増やせば、必然的に作業工数も増えるため、費用が高くなる傾向にあります。部屋数が多いほど収益性が高くなりやすいことを説明しましたが、一方で、初期費用が高くなったり、一部屋あたりの面積が狭くなったりするためバランスを考えて設定すると良いでしょう。
■設備を充実させたとき
内装を豪華にしたり、高性能の設備を用意したりすれば、費用は高くなります。入居者の満足度は上がりますが、建設コストは高くなるため、注意が必要です。-
アパート建設は、安定した収入が期待できるものの、やはり建設費用はできるだけ抑えたいところでしょう。ここでは、費用を抑える方法をご紹介します。
■同じハウスメーカーに設計も施工も一貫で依頼する
同じハウスメーカーに一環で依頼すると、設計費自体が安くなるうえに、自社の効率の良い方式で施工できるように工夫してくれるため、建設までの時間も早くなる傾向にあります。一般に設計料は、別々のハウスメーカーに依頼すると、建設工事費の5~8%ほどかかると言われていますが、同じハウスメーカーに依頼すれば、1~3%ほどとなるとされています。
ただし、工法や使用する部品など、各社で規格が定まっているものもあり、それによっても費用は異なります。
■相見積もりをとる
1社から見積書を取っても、専門的な知識がなければ判断できません。複数の工事会社に相見積もりを取って比較することで、安い業者が見つけられるでしょう。
■仕上げや設備にお金をかけすぎないようにする
アパート建設費用の内訳は、躯体(柱・梁・壁・屋根など)40%、仕上げ(外装・内装など)40%、設備(電気・給排水など)20%とされています。これらの費用を抑えることで、全体的な建設費用を安く済ませられるでしょう。
たとえば、躯体は、工法・構造を効率化できるハウスメーカーや、仕上げや設備は、必要最低限の素材を選ぶと良いでしょう。
■間取りを40平方メートル(約12坪)以上にする
賃貸住宅物件で1戸あたりの間取りが40平方メートル以上240平方メートル以下であれば、1戸あたり固定資産税評価額から1,200万円が控除され、不動産取得税が軽くなります。間取り40平方メートルは、1LDKまたは2DKほどのため、周辺地域の世帯数に合わせて間取りも検討しましょう。
■部屋数を少なくする
部屋数を減らすことで、生活設備の必要数も少なくなり、全体の建設費用が抑えられるでしょう。そのため、ファミリー向けの物件の方が、単身向けに比較して、建設費用は低くなりやすい傾向です。
ただし、1部屋を広くすると、その分家賃が上がるため、顧客がつきにくくなるというデメリットもあります。よく検討して選びましょう。
■1階部分の空室リスクを減らす
生活空間が見られやすいことやセキュリティ上の不安から、1階部分は敬遠されがちです。道路や隣接地から高めに建築する、1階入居者専用の庭を用意するなどの対策を行いましょう。
■自己資金は余裕を持って準備する
自己資金が多いことでローン返済額が少なくなり、キャッシュフローが良好になります。
■建物の配置と形状を工夫する
これにより、建設費をリーズナブルにできます。一般に単純な方が、壁面の素材は少なくて済むからです。-
100坪の土地があれば、アパートが建設できることがわかりました。では、アパート建設時の注意点を知っておきましょう。
土地活用方法にアパート経営が適切か検討する
まず、当該の土地条件で長い期間にわたってアパートを運営していくことは、事業として確実かどうか検討しましょう。立地や採算、将来性などを考慮し、本当にアパート経営が適しているか判断します。
同じ坪数の土地であっても、立地が変われば需要は変わります。「都市部か地方か」「隣接する施設はあるか」「利便性が高いか低いか」などを実際に確認し、どの活用方法が適しているのかを判断しなければいけません。
特に、ファミリー層が多く住む地域である、単身層が多いなども土地活用に大きく影響する要素です。こうした調査は信頼できる土地活用を専門とする会社にも依頼できます。立地に適した間取りを事前に考える
ハウスメーカーなどに相談する前に、必ず自分で間取りを考えておきましょう。ハウスメーカーが提案してくる間取りが、最適な間取りとは限りません。そのため、自分で考えた間取りと比較しながら、最適な物件を決めましょう。
都市部や若者が多く住むエリアであれば1K、郊外で家賃が低ければ2DKなどがおすすめです。また、ファミリー層の多い地域では、部屋数の多い間取りを考えると良いでしょう。
前述したように、部屋数を少なくすれば賃料単価は上がりますが、空室リスクがあります。一方で、部屋数が多いと、バスやキッチン、トイレなどの住宅設備の数が増えるため、建築費は上がります。
このように、間取りや部屋数によっても良し悪しがあるため、よく検討することが大切です。返済後のキャッシュフローを確認する
ハウスメーカーからの提案を受けた場合は、返済後のキャッシュフローを十分に確認するようにしましょう。ハウスメーカーの提案書は、基本的に前半が設計図面、後半が収支計画になっています。
設計図面の確認も大切ですが、特に重要なのが収支計画です。借入金返済後の手残り金額などを確認しましょう。
なかには、何千万円の投資をするのに、借入金返済後の手残りが年間で数十万円しかないような計画もあるため注意が必要です。手残りがわずかな収支計画となっている場合、計画が崩れれば、手残りがマイナスとなってしまう可能性もあります。不安になった際は、素直にハウスメーカーに相談すると良いでしょう。管理方式を検討する
アパートを建てるうえでは、適切な管理方式を選択することも重要です。
ときには、ハウスメーカーから、家賃保証型サブリースを提案されることもあるかもしれません。はじめに提案されたものが最善だと考えてしまいがちですが、決してそのようなことはありません。提案された方法は、あくまでも一つの選択肢として考えましょう。-
この記事では、100坪の用地に賃貸アパートを建築したときの部屋数を中心にご紹介しました。アパート経営は、ポイントを上手に押さえれば、長期にわたって安定した収入を上げられる投資です。
しかし、自身の知識だけで検討・比較を行うのは、不安だという方もいるでしょう。その際は、専門家に相談するのもおすすめです。当社でも、不動産にまつわる相談を承っています。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。関連記事
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