オーナーチェンジ物件に自分が住みたい時はどうする?メリットやデメリットは?
物件の情報サイトを閲覧していると「オーナーチェンジ物件」という言葉を見かけることがあります。オーナーチェンジ物件に興味がある方の中には、購入して自分が住みたいと考える方もいるでしょう。これは、可能なのでしょうか。
結論から述べると、オーナーチェンジ物件に自分で住むことは可能です。しかし、通常の不動産契約と取り扱い方が多少異なるオーナーチェンジ物件については、情報も乏しく詳細を把握していない方もいるでしょう。
そこで本記事では、オーナーチェンジ物件の概要や自分が住むための手続きと手順、メリット・デメリットを解説します。オーナーチェンジ物件に自分で住む際に注意したいポイントも紹介するので、興味がある方は参考にしてみてください。
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自分で住む際の手順を確認する前に、まずはオーナーチェンジ物件の概要や仕組みを解説します。また、オーナーチェンジ物件とサブリース契約物件の特徴には似た部分もあるため、それぞれの違いも押さえておきましょう。
オーナーチェンジ物件の概要
オーナーチェンジ物件とは、名前の通りオーナーが変わる物件のことです。賃貸物件の所有者(オーナー)が、入居者様がいる状態で物件を売却するため、入居者様は変わらずオーナー様のみが変更する形態になります。
新しいオーナー様は前のオーナーから、賃貸借契約に基づく賃借権や敷金返還の義務、物件の管理ルール、トラブル対応といったオーナーの義務をそのまま引き継ぎます。
オーナーチェンジ物件は、投資用のワンルームマンションでよく見られます。家賃収入を得たい購入者にとっては、入居者を探す手間が省けるのがメリットです。オーナーチェンジ物件では賃貸借契約と義務・権利を引き継ぐ
購入者がオーナーチェンジ物件について、引き継ぐ義務と権利はどのようなものがあるのでしょうか。主な義務と権利を以下にまとめました。
入居者に建物・部屋を使用させる義務
オーナー変更後も、これまで通りの契約内容に基づいて、入居者に部屋を使用させなければならない義務が発生します。
建物・部屋の修繕を行う義務
建物の経年劣化や水回り、設備機器の故障などのトラブルに対応しなければならない義務が発生します。
入居者の退去時(契約終了時)に敷金を返還する義務
入居者が退去する際は、前オーナーが契約時に受け取っていた敷金を返還する義務が発生します。そのため、オーナーチェンジ物件の所有権が移転する時に、前オーナーから敷金を預かっておくことが必要です。
なお、一部の地域では敷金の引き継ぎがないケースも見受けられます。その場合は、現オーナー様の資金から出さなければなりません。
入居者から家賃を受け取る権利
前オーナーと入居者との賃貸借契約に基づき、現オーナー様は家賃を受け取る権利が発生します。この他にも、共益費や駐車場使用料なども権利として受け取ることが可能です。
入居者の退去時(契約終了時)に原状回復してもらう権利
経年劣化以外の、入居者の故意や過失で付いた傷や汚れを修復し、入居前の状態に回復してもらう権利が発生します。
入居者との契約終了後に建物・部屋を返還してもらう権利
賃貸借契約の満了後に、入居者から部屋を返還してもらう権利が発生します。
上記で紹介した義務と権利は一例のため、オーナーチェンジ物件の購入・契約の際は、内容をしっかり確認することが大切です。サブリース契約物件との違い
オーナーチェンジ物件と、サブリース契約物件の違いを確認しましょう。サブリースとは、オーナー様が部屋を一括でサブリース会社に貸し出す形式の契約です。オーナー様が部屋をそれぞれの入居者様に貸し出すといった、通常の管理方式とは異なる形態になります。
サブリース契約では、サブリース会社が転貸借を行うため、空室が発生してもオーナー様に家賃が支払われます。安定した収入が得られることや、物件の管理運営を一任できることがメリットといえるでしょう。
このことから、オーナーチェンジ物件との違いは、家賃保証や空室リスクの有無などが挙げられます。-
オーナーチェンジ物件を購入して自分で住む場合は、賃貸借契約の内容と種類を確認した上で、入居者様に退去してもらう手続きを行わなければなりません。オーナーチェンジ物件に自分が住みたいと考えている方は、以下で解説する住むための手順・方法を押さえておきましょう。
賃貸借契約の内容と種類を確認する
まずは、賃貸借契約書の契約内容を確認しましょう。オーナーチェンジ物件を購入した後に賃貸借契約の内容は変更できないため、契約期間や更新の規定、禁止事項などを把握しておくことが大切です。
各部屋の賃貸借条件を一覧にしたレントロールと呼ばれる表があれば、確認すると良いでしょう。レントロールには、家賃や契約日、契約期間、賃借人の属性や敷金などがまとめて記載してあるため便利です。
また、賃貸借契約では契約の種類も確認しておきましょう。賃貸借契約には「定期建物賃貸借契約」と「普通建物賃貸借契約」の2種類があります。
定期建物賃貸借契約
定められている契約期間が終了すると、自動的に賃貸借契約が終了する賃貸借契約です。期間を区切った賃貸借であるウィークリーマンションも、定期建物賃貸借契約になります。
定期建物賃貸借契約は、大規模修繕や建て替えを予定している場合に用いられるケースが多い傾向です。そのため、オーナーチェンジ物件に自分が住むといった自己利用を検討している際にも有用な契約といえます。普通建物賃貸借契約と比べると、オーナー様が有利になる契約といえるでしょう。
なお、定期建物賃貸借契約は更新が認められていない賃貸借契約であり、再契約自体は可能ですが合意が必要になります。
普通建物賃貸借契約
借地借家法に基づいた、入居者の居住の安定と権利を守る賃貸借契約です。一般的な賃貸借契約で、契約期間が終了しても入居者様が希望すれば契約を更新できます。また、普通建物賃貸借契約は口頭でも契約が成立しますが、定期建物賃貸借契約では公正証書などの書面による契約や説明が必要です。
普通建物賃貸借契約では、契約期間が終了したからといって、入居者を退去させられるわけではありません。オーナー様から更新を拒否するには、「建物に問題がある」といった正当な理由が必要になります。
まとめると、定期建物賃貸借契約と普通建物賃貸借契約の大きな違いは、契約方法や更新・再契約に関する事項といえるでしょう。国土交通省の「令和5年度住宅市場動向調査」 によると、賃貸契約のほとんどが普通建物賃貸借契約であるとわかります。入居者の自然退去まで待つ
賃貸借契約の内容と種類を確認したら、入居者様の退去の手続きを進めましょう。ここでは、入居者様が自然に退去するのを待つ方法を解説します。
ある程度時間に余裕がある方で、手間をかけずに退去の手続きを進める方法は、自然に退去してくれるのを待つことです。結婚や転勤など、退去理由は入居者様によって変わる上に、タイミングも入居者様の都合によります。しかし、自然に退去してもらうのであれば、立ち退き料の支払いは必要ありません。
定期建物賃貸借契約の場合、中途解約ができないため、契約が満了するまで待つ必要があります。契約期間の終了後に再契約しない限りは、入居者様は自然に退去していくでしょう。普通建物賃貸借契約でも、入居者様が更新のタイミングで自発的に退去すれば、問題なく退去の手続きを進められますが、一方で数年数十年退去がされない場合もあります。すぐに住みたい場合は立ち退き料を支払う
早めにオーナーチェンジ物件に住みたいのであれば、入居者様に立ち退き料を支払う方法もあります。ただし、穏便に退去してもらうためにも、入居者様が納得できる金額の立ち退き料が必要です。
立ち退き料を支払って入居者様に退去してもらう方法は、基本的に普通建物賃貸借契約で適用されます。なお、立ち退き料に決まった金額はありません。しかし、引っ越し・移転に必要な費用を補償する観点から、マンションや戸建住宅など居住用物件の場合は、引っ越し代の他に賃料の6か月分から12か月分程度の費用を用意します。物件を決める際の仲介手数料や、敷金の不足分などがかかるケースもあるため注意しましょう。
退去を依頼する交渉に不備があると、立ち退き料がさらにかかる恐れがあるため、入居者様との話し合いは計画的に進めることが重要です。-
オーナーチェンジ物件に自分で住むというのは、通常の賃貸物件を借りる場合とは異なるため、慎重に検討することが大切です。では、オーナーチェンジ物件を購入し、入居者様が退去した後に自分で住むことで、どういったメリットが得られるのでしょうか。
ここでは、オーナーチェンジ物件に自分で住むことで得られるメリットを5つ解説します。オーナーチェンジでない物件に住む場合とどのような違いがあるのかも、一緒に押さえましょう。しばらくは家賃収入を得られる
通常、空室が発生している賃貸物件であれば、家賃を得られるように部屋や設備を整備し、入居者を募集しなければなりません。しかし、オーナーチェンジ物件にはすでに入居者様がいるため、オーナー様が住むまでの間は家賃収入を得られ、キャッシュフローの面でもメリットになります。
徴収した家賃収入は、不動産投資ローンの返済や物件のメンテナンス・修繕費用にも利用可能です。普通の住宅は購入後に家賃収入を得られないため、経済的に有益な点も多いオーナーチェンジ物件は、購入にメリットがあるといえます。安く購入できる物件もある
オーナーチェンジ物件の中には、物件価格が比較的安く設定されているものもあるため、うまく活用すれば安価で自宅を購入できるでしょう。オーナーチェンジ物件が安価に設定されているケースが多い理由は、賃貸物件には向いていない立地でも、オーナー様自身が住む分には問題ない場合が多いためです。
駅やコンビニ、商業施設などが近い賃貸物件は需要が高く、物件価格は高くなりやすいといえますが、オーナーチェンジ物件はその条件から離れているケースがよく見られます。賃貸需要が低い物件は空室リスクが高まるため、物件価格が安く設定されやすいのです。
物件の賃貸需要が低くても、自分で住むのであれば問題ないと考えるオーナー様もいるでしょう。このため、オーナーチェンジ物件は物件価格が安くなりやすいといえるのです。
ただし、オーナーチェンジ物件の価格が常に安いとは限りません。購入を決める前に、周辺の物件相場を確認するようにしましょう。アパートや一棟マンションは管理が行いやすい
アパートや一棟マンションのオーナーチェンジ物件に住んでおり、かつ物件を自主管理している場合、その管理が行いやすいのもメリットの1つです。
自主管理のアパートや一棟マンションでは、家賃の徴収や共用部分の清掃などやるべき業務は多々あります。しかし、入居者様の身近にオーナー様が住んでいることで、トラブルが発生した時でも素早い対応が可能になるでしょう。
物件の管理業務を管理会社に委託している場合は、これらの事情には該当しません。相続税評価額を引き下げられる可能性がある
国税庁 によると、個人が相続した事業用あるいは居住用の宅地に関しては、特例として相続税の減額が認められています。
オーナーチェンジ物件は、相続税評価額を引き下げられる可能性があります。相続税評価額とは、相続税を計算する際に必要な数字で、国税庁が定めた財産評価基本通達を基に評価した財産の価額のことです。
相続税の減額が可能な特例には区分や要件があり、オーナーチェンジ物件であれば「特定居住用宅地等」の要件を満たすことで特例の対象になります。特定居住用宅地等とは、相続開始直前まで被相続人の居住用に使用していた宅地です。特定居住用宅地等の要件を満たせれば、相続税評価額を大きく引き下げられるでしょう。将来売却する時に節税特例を利用できる
日本には、個人が自宅を売却する場合に税金の負担がかかりすぎないよう、さまざまな節税特例が設けられています。オーナーチェンジ物件に自分で住んだ時でも、将来売却する際にその特例を利用できます。
売却時、オーナーチェンジ物件に自分で住んでいたケースで受けられる節税特例は、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」 です。これは、所有期間に関係なく、マイホームを売却した際に譲渡所得から最高で3,000万円までを控除できる特例になります。
例えば、住んでいたオーナーチェンジ物件を1,000万円で売却すると、特例により売却益に発生する税金は0円です。なお、通常の賃貸物件はマイホームではないため、この特例は利用できません。
譲渡所得に関しては、不動産の所有年数によって税率が変わります。オーナーチェンジ物件を5年以上所有していれば「長期譲渡所得」 になり、優遇税率が適用されるのです。-
オーナーチェンジ物件に自分で住むと、家賃収入を得られたり安く購入できたりといったさまざまなメリットを得られます。しかし、同時にデメリットも生じる恐れがあるため、どういったリスクがあるのかを把握しておくことが大切です。
ここでは、オーナーチェンジ物件に自分で住む際のデメリットを6つ解説します。先に紹介したメリットと一緒に確認しておくと良いでしょう。満室状態だとすぐには住めない
オーナーチェンジ物件には、すでに入居者様が住んでいるためすぐには住めません。
オーナーチェンジ物件は購入後、前オーナーと入居者様との間で結ばれた賃貸借契約が引き継がれるため、基本的には入居者様の退去を待たなければならないためです。場合によっては、退去を依頼する交渉が必要になります。
入居者様がすぐ引っ越してくれる可能性もありますが、賃貸借契約の内容によっては住めるようになるまでの期間が長くなります。引っ越しの期間や退去後の修繕などを考慮すると、すぐに住みたい方はオーナーチェンジ以外の物件を検討しても良いでしょう。家賃収入が減少する
オーナーチェンジ物件に自分で住む場合、家賃収入がなくなります。一棟物件であれば1室分の家賃収入がなくなり、区分物件であれば家賃収入そのものが得られません。
管理費や修繕積立金といった費用が必要になりますが、家賃収入を得られない分、オーナー様自身の資金から支払うことになります。
オーナーチェンジ物件を購入して住む際に、投資ローンを利用する方もいるでしょう。マイホームを持ちつつも、高い金利の不動産投資ローンを返済しなければならなくなるため、将来的な資金計画はしっかり立てておかなくてはなりません。
不動産投資ローンや金利に関しては、次の項目で解説します。住宅ローンが利用できないため金利が高い
オーナーチェンジ物件はすでに入居者様が住んでいるため、収益物件として扱われます。将来自分が住むことが決まっていても、収益物件であるオーナーチェンジ物件は、基本的に住宅ローンでの購入はできません。
オーナーチェンジ物件の購入でローンを組む場合は、不動産投資ローンを利用します。不動産投資ローンは住宅ローンよりもリスクが高いと見なされており、金利が1〜2%程度高いのです。そのため、借入額や返済期間が同じでも、不動産投資ローンの方が返済額の負担は大きくなります。
購入したオーナーチェンジ物件のローン返済に時間がかかるほど、費用は高くなるでしょう。また、オーナーチェンジ物件を居住用にしたとしても、途中で住宅ローンに借り換えることは難しいといえます。減価償却費を計上できない
オーナーチェンジの物件に自分が住み始めると、減価償却費を計上できなくなるため、減価償却による節税効果を得られません。
減価償却とは、経年により価値が低下していく建物などの資産(償却資産)を、複数年に渡って取得価額を分割して費用化することです。その費用として計上できるものを減価償却費といいます。
事業用の物件であれば減価償却費を計上できますが、オーナーチェンジの物件に自分が住むとなると事業用の物件には該当しないため、減価償却費は計上できません。オーナーチェンジ物件に自分で住んだ場合、一棟物件では自宅部分、区分物件では全額の費用計上ができなくなってしまいます。購入時点では内見できない
オーナーチェンジ物件は、建物の外観や共用部分の確認はできますが、入居者様が住んでいるため購入時点では部屋の内見ができません。内見ができないため、部屋の汚損を見落としてしまうリスクに注意しましょう。
入居者様が部屋や設備をきちんと使っているのなら、室内の状態を把握しなくても問題ありません。しかし、乱暴に扱っていたのであれば、部屋や設備の原状回復を行わなくてはならず、退去時に費用の負担についてトラブルになる恐れもあります。トラブルを回避するためにも、物件の修繕履歴に関して情報を集めたり、修繕費用のために手元の資金を多めに用意したりといった対応が必要です。
また、他の部屋に住んでいる入居者様に関しても、事前にどういった入居者様が住んでいるのか把握することも難しいでしょう。立ち退き料が必要になるケースもある
入居者様の自然な退去が待てない時は、立ち退き料を支払わなければなりません。入居者様に立ち退き料を支払い、部屋から退去してもらいます。
立ち退き料が必要かどうかは、賃貸借契約の種類によって変わります。立ち退き料は高額になるケースがあるため、経済的に大きな負担にもなるでしょう。また、入居者様が退去に同意しない場合は、法的手続きを取らなければならない恐れも出てくるため、時間と手間もかかってしまいます。-
実際に住む場合に注意すべきポイントには、どういったものがあるのでしょうか。ここでは、オーナーチェンジ物件に自分で住む際の注意点を5つ解説します。
原状が不明瞭となっているケースもある
物件の現状が不明瞭なオーナーチェンジ物件もあるため、住む際は注意しましょう。物件や設備の状態に関して、前オーナーから正確な情報が得られないケースもあります。対策としては、契約書類の入念な確認や事前の情報収集が有効です。
過去のリフォーム履歴も確認しておくと良いでしょう。設備については、台数や交換した時期を把握しておきます。部屋だけでなく、外壁にひび割れがないか、ゴミ捨て場はきれいに保たれているかも確認すると安心です。部屋の原状回復に限らず、エアコンや給湯器といった設備の修繕に追加費用が発生する恐れも考慮しましょう。入居者の保証人や敷金の有無を確認する
オーナーチェンジ物件を購入して自分で住む際は、入居者様の保証人の有無を確認しましょう。入居者様が家賃を滞納している場合は、保証人に家賃を請求します。
また、オーナーチェンジ物件を購入すると敷金の返還義務を前オーナーから引き継ぐため、退去する入居者様には預かっていた敷金を返還しなければなりません。
敷金は前オーナーが預かるのが基本です。そのため、オーナーチェンジ物件の購入時にこの敷金を受け取る必要があります。地域によっては敷金の引き継ぎがないケースもあるため、その時は現オーナー様の資金から敷金の費用を出さなければなりません。入居者に問題がないか確認する
現在の入居者様の中に、家賃を滞納していたり不適切な部屋の使い方をしていたりといった人がいないかを確認しましょう。場合によってはオーナーチェンジ物件を購入しても、物件の修繕や入居者様との契約を解除するための手続きが必要になります。また、敷金の返還やその処理にも、問題が発生しないとは限りません。
このようなリスクに対応するには、入居者様との契約内容を確認したり、部屋の状態を調査したりすることが大切です。管理会社はそのまま引き継がれる
物件の管理業務を管理会社に委託している場合、管理会社の変更を検討するオーナー様もいるでしょう。オーナーチェンジ物件では、管理会社は基本的にそのまま引き継がれます。
新しい管理会社に変更できるケースもありますが、管理委託契約の解約が難しい内容だと、管理会社の変更は難しいでしょう。管理会社のホームページをチェックしたり、可能であればオーナーチェンジ物件の購入前に管理会社を確認したりすると、リスクを軽減できる可能性があります。購入前に売却理由を調べる
オーナーチェンジ物件の購入前に、売却理由を訊ねておくことも重要です。売却理由には、入居者同士でトラブルがある、建物に大きな破損があるなどネガティブなものもあります。トラブルには適切な対応が必要になる上、破損にも修繕費用がかかるため、こういった理由での売却だと判明した際は購入を慎重に検討すべきでしょう。
重要事項説明で必須でない内容でも、売却理由で気になった点があれば、確認してみることをおすすめします。
オーナーチェンジ物件が売却される理由については、次の項目で詳しく解説します。-
入居者様がいれば毎月安定した家賃収入を得られるのに、なぜ手放そうとするのでしょうか。ここでは、オーナーチェンジ物件が売却される主な理由を解説します。
不動産投資をやめるため
収益物件として不動産を所有する方の中には、個人の事情により不動産投資をやめる方も少なくありません。不動産投資をやめる理由としては、高齢になり賃貸物件の管理・運営が難しくなってしまったといった事情や、ライフスタイルの変化、マイホームを購入するためにまとまったお金が欲しいなどのケースが挙げられます。
高齢によるものなどやむを得ない事情であれば、売却理由は物件自体ではなく売主の都合と判断可能です。物件にネガティブな理由がなければ、オーナーチェンジ物件として購入しても差し支えないでしょう。キャッシュフローが悪化したため
オーナーチェンジ物件の売却理由として、特に注意すべきなのがキャッシュフローの悪化によって手放すケースです。
築年数の経過や競合物件の増加などで空室が増えると、収支が成り立ちません。そのため、そのまま赤字が続いた場合に、損切りとしてオーナーチェンジ物件を売却するのです。キャッシュフローが悪化したために、毎月のローン返済を自己資金で賄っている物件もあります。
こういったオーナーチェンジ物件を引き継いでも、変わらず赤字経営が続いてしまう恐れがあります。一棟リノベーションによる空室対策も、キャッシュフローを改善する方法の一つですが、すでに入居者様がいる状態ではそれも難しいでしょう。収益用物件を買い替えるため
不動産投資では、現在所有している収益物件を売却し、その売却益を元手に他の収益物件を購入するケースがよく見られます。最初は手頃な価格の区分マンションや一戸建てといった物件から投資を始め、徐々に扱う物件数を増やし事業拡大を行うパターンです。
収益用物件を買い替えるのは、不動産投資が順調にいっていると考えられるため、前向きな売却理由といえるでしょう。売却益を事業拡大に充てるといった理由であれば、オーナーチェンジ物件に問題はないと考えられます。
売却益の獲得が目的の場合、売却益にかかる所得税と住民税が安くなることから、所有期間が5年を超えた時期に売却する方が多いようです。物件を相続した相続人が売却しようとしたため
不動産の所有者から収益物件を相続した相続人が、オーナーチェンジとして物件を売却するケースがあることを押さえておきましょう。相続人が物件の売却を希望する理由としては、遠方に住んでいるため不動産の管理が難しい、相続税の支払いに売却益を充てたい、資産を現金化したいといった事情が挙げられます。
上記のような理由からオーナーチェンジで物件を売却するのであれば、購入しても問題はないでしょう。入居者に問題があるため
入居者様と良い関係が築けていない物件の場合、オーナーチェンジで売却するケースもあります。具体的には、入居者様の中にマナーの悪い方がいたり、クレームが多かったりといった理由です。
入居者様の問題やそれに関するトラブルを解決するのは難しく、不動産運営にも大きな負担がかかってしまうでしょう。購入しても問題ない物件かどうか、慎重に検討する必要があります。-
オーナーチェンジ物件のリスクをできるだけ抑えるには、どういった点に注意したら良いのでしょうか。ここでは、オーナーチェンジ物件を選ぶ際に重要なポイントを4つ確認します。
契約内容を確認する
賃貸借契約書の契約内容はしっかり把握しておきましょう。特に確認しておきたい項目は以下の通りです。
契約期間
現在の家賃の状況
更新規定や更新料、敷金などの条項
解約予告などを含む中途解約の規定
連帯保証人の有無
禁止事項
契約内容は原則、オーナーチェンジの際にそのまま引き継がれるため、一つひとつ項目を慎重に確認していきます。過去の経営情報を調べる
オーナーチェンジ物件でリスクを避けるには、前オーナーにヒアリングを行い、過去の経営状況を調べましょう。入居者募集はどのような方法で行っていたのか、どのくらいの頻度で空室が発生していたのかなども確認しましょう。
過去の経営状況をヒアリングするのと同時に、物件の売却理由も訊ねておきます。希望に合うオーナーチェンジ物件であっても、購入を即決するのではなく、状況をしっかり把握してから検討しましょう。物件の外観と共用部分の他に周辺環境を確認する
オーナーチェンジ物件の内見は基本的にできませんが、建物の状況や周辺環境は契約書を見るだけでは判断できません。そのため、実際に現地を訪問し、自分の目で確認するようにしましょう。
確認すべきポイントは以下の通りです。
建物の外観にひびが入っていないか
共用部分の掃除は行き届いているか
共用部分の設備は良好な状態か
ゴミ捨て場は清潔か
駅やスーパー、病院など必要な施設までのアクセスは良好か
建物周辺の治安は良いか信頼できる不動産会社から購入する
オーナーチェンジ物件は、信頼できる不動産会社から購入することが大切です。そのためには以下に挙げるポイントを確認し、しっかり見極めるようにしましょう。
物件の管理や販売の実績は十分か
相談や質問の際に誠実な対応を取ってくれるか
説明ではメリットとリスクの両方を話してくれるか
オーナー様の投資目的やライフスタイルに適した物件を提案してくれるか
他にも、インターネットで不動産会社に関する口コミをチェックするのもおすすめです。1社だけでなく、複数社を候補に比較して決めましょう。-
オーナーチェンジ物件を購入し、自分で住むことは可能です。オーナー様が住むまでの間は家賃収入を得られる上、節税につながる特例を受けられる可能性があります。
しかし、オーナーチェンジ物件に自分で住む場合は、デメリットやリスクもあるため注意が必要です。また、オーナーチェンジ物件に住む際は物件が売却されている理由も確認しましょう。オーナーチェンジ物件を選ぶ時は、過去の経営情報を調べ、信頼できる不動産会社から購入してください。-
オーナーチェンジ物件とはどんな物件ですか。
オーナーチェンジ物件とは、名前の通りオーナーが変わる物件のことです。賃貸物件の所有者(オーナー)が、入居者様がいる状態で物件を売却するため、入居者様は変わらずオーナー様のみが変更する形態になります。
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オーナーチェンジ物件と、サブリース契約物件の違いを教えてください。
サブリースとは、オーナー様が部屋を一括でサブリース会社に貸し出す形式の契約です。一方、サブリース契約では、サブリース会社が転貸借を行うため、空室が発生してもオーナー様に家賃が支払われます。違いとして、家賃保証や空室リスクの有無などが挙げられます。
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