不動産投資の始め方を初心者向けに解説!基礎知識やリスクを押さえておこう

資産形成には、株式投資、投資信託以外にも不動産投資も含まれます。順調に進められれば安定した家賃収入が得られる投資です。しかし、知識や投資方法に不安があり、なかなか始められない方もいるかもしれません。少ない自己資金でも不動産投資は可能ですが、成功を目指すうえでは、基礎知識を備えておくことが望ましいでしょう。
この記事では、不動産投資を進めるうえで必要な情報や成功のためのポイント、始め方の流れを初心者の方にもわかりやすく解説します。知っておきたい、不動産投資のリスクに関しても押さえておきましょう。

目次

不動産投資の基礎知識

  • 不動産投資の基礎知識
  • 不動産投資を始める前に、まずは収益に関する基礎的な知識や投資に必要な情報を確認しておくことが重要です。ここでは、不動産投資で収益を上げる仕組みや発生する税金、どの程度の資金で投資を始められるのかを押さえておきましょう。

  • 不動産投資の概要

    マンション・アパートなどの建物や土地を購入し、賃貸経営をして収益を上げたり、所有する不動産を売却して利益を得たりする投資方法が不動産投資です。投資対象の不動産は一棟や区分、新築・中古などさまざまで、うまく運用できれば長期的に安定した収入を得られます。個人の投資家の場合、投資用の不動産は融資を受けて購入することが一般的です。
    また、投資用の不動産を取得した後、物件の管理を管理会社に委託するオーナー様も少なくありません。毎月の家賃収入を確保したうえで、ローンを返済しなければならないため、不動産投資にはきちんとした収支計画が必要になります。

  • 不動産投資を行う目的

    不動産投資では、オーナー(大家)様になることが目的です。具体的には、将来的な資産の増加や老後の資金確保、節税対策、生命保険の代替といった理由が挙げられます。
    オーナー様は、基本的に「専業大家」様と「副業大家」様に分類されます。賃貸経営を本業に行う方が専業大家様で、賃貸経営以外に本業がある方が副業大家様です。専業大家様の中には、管理会社に委託せず複数の物件を自分で管理される方もいます。

  • 「利回り」とは

    投資額に対する利益の割合が利回りです。不動産投資の場合、物件の購入価格に対する年間の家賃収入の割合を指します。投資用の不動産を選ぶ際は、利回りの比較が重要です。利回りと似た「利率」という用語もありますが、利率は債券といった額面金額に対して、年間の利息の割合がどのくらいになるかを指すもので、利回りとは意味が異なります。
    不動産投資においては、「表面利回り」「実質利回り」「想定利回り」の3点を押さえておきましょう。表面利回りと想定利回りに関しては、実際の収益率よりも利回りは高めに算出されます。

    ・表面利回り
    諸経費を考慮せず物件の購入金額と年間の家賃収入から算出する数字です。そのため、物件の正確な収益性は判断できません。
    ・実質利回り
    購入時にかかった費用や固定資産税、修繕費や保険料といった諸経費を含めて算出する数字です。
    ・想定利回り
    諸経費を考慮せずに満室状態を想定して算出する数字です。

  • 不動産投資の収益:「インカムゲイン」・「キャピタルゲイン」とは

    不動産投資で収益を上げる仕組みを確認しましょう。

    インカムゲイン
    資産を保有している間に得られる継続的な利益を指します。不動産投資では、賃貸経営による家賃収入がインカムゲインに該当します。諸経費や税金、ローンの返済金などを得られた家賃収入から差し引いて、残った金額が収益となる仕組みです。

    キャピタルゲイン
    資産を売却した際に得られる利益のことです。不動産投資の場合、所有する不動産を売却して得た利益を指します。2,000万円で購入した不動産を2,500万円で売却できれば、差額の500万円がキャピタルゲインとなる仕組みです。
    不動産の市場動向により、売却時の利益が変動するケースは珍しくありません。売却時は税金や諸経費がかかることもあるため、初心者の方はキャピタルゲインを狙った投資運用は避けた方が良いでしょう。

  • 不動産投資で発生する税金

    不動産投資では、収益だけを見るのではなく、どういった税金が発生するのかも把握しておかなければなりません。ここでは、不動産投資で発生する主な税金を紹介しましょう。状況によっては、記載していない税金が発生するケースもあります。

    不動産を購入・取得した時
    不動産取得税
    登録免許税
    印紙税
    消費税

    不動産を所有・運用している時
    所得税
    固定資産税
    住民税
    都市計画税

    不動産を売却した時
    譲渡所得税
    住民税
    印紙税
    仲介手数料にかかる消費税(不動産会社などを通じて売却した場合)

  • 不動産投資の元手における目安は物件価格の約2割~3割ほど

    物件価格の約2割〜3割程度の元手が目安とされているのは、融資を受ける際に同程度の頭金が必要になるケースが多いためです。物件価格が2,000万円の場合、元手の目安は400万円から600万円となります。元手に加えて、初期費用を賄える資金も用意しておくと安心です。年収や個人の属性など条件によっては、ローンを組んで投資用の不動産を購入することも可能です。

初心者でも参入しやすい不動産投資の種類

  • 初心者でも参入しやすい不動産投資の種類
  • 投資対象の不動産にはさまざまな種類があり、立地や資産価値、利回りなどの条件も異なります。不動産投資にはどういった種類があるのか把握し、オーナー様にとって最適な投資方法を選びましょう。ここでは、初心者の方でも参入しやすい5種類の投資方法を紹介します。

  • 区分マンション

    マンションを一室、または数室を投資用に所有し賃貸経営を行う形態が区分マンション投資です。一棟投資と比較すると区分マンションは物件価格が安価で、投資リスクを抑えて運用でき、副業で始める方も少なくありません。また、流動性の高い投資方法でもあるため、売却しやすいのもメリットの1つです。

    一方で、利回りの低さや空室リスクが区分マンション投資のデメリットとして挙げられます。部屋が空室になると、その間は家賃収入が入ってこなくなるため、入居者様がすぐに見つかるような立地であることが重要です。

  • マンション・アパート一棟

    マンションやアパートを一棟所有し、賃貸経営を行って収益を得るのがマンション・アパート一棟投資です。単身者向けやファミリー向けなど物件はさまざまで、不動産投資の中でもメジャーな投資方法になります。初めて不動産投資を行う方を含め、投資の知識がある方や資金に余裕のある方に適していると考えられます。
    空室リスクはあるものの、複数の部屋を貸し出すため、空室があっても家賃収入がなくなることはありません。ただし、建物のメンテナンス費用や初期投資の費用は多めに用意しておく必要があります。物件の購入には多額の費用がかかるため、融資を受けるケースがほとんどです。

  • 戸建て

    マンションなどの集合住宅ではなく、戸建ての住宅を所有して賃貸経営する投資方法で、「新築戸建て投資」と「中古戸建て投資」の2種類に分類できます。所有している土地に大きな建物を建てにくいといったケースでは、戸建て住宅を建てて貸し出す方もいます。投資のリスクを抑えたい、中古戸建て投資で少額から始めたい、と考えている方におすすめの投資方法です。
    戸建て住宅は、ファミリー層が住む場合が多く、長期的な入居が望めるでしょう。集合住宅特有の共用部分もないため、維持費は安価です。土地と建物の両方を所有するため、将来的には土地の値上がりも期待できます。
    デメリットとして、空室だと家賃収入がなくなる点に注意しましょう。中古戸建てでは、修繕費用が高くなる可能性もあります。

  • 駐車場

    空いている土地を駐車場にして貸し出すことで、駐車料金を収益とする投資方法です。時間で貸し出すコインパーキングと、月極で契約する形態があります。コインパーキングは、料金や立地などによって利益が変動するのが特徴です。月極の駐車場は、安定した収入を継続的に得られるメリットがあります。
    駐車場の投資運用は、初期費用が少なく管理の手間もかかりません。駐車場の需要が高い場所であれば、高い利回りが期待できるでしょう。しかし、競合が多く収益性が低くなりやすいというデメリットもあります。駐車場の経営は初心者の方以外に、土地の活用方法に迷っている方や遊休地を所有している方におすすめです。

  • トランクルーム

    屋外・屋内で空いた土地に収納場所を造り、貸し出す投資方法がトランクルーム投資です。都市部ではトランクルームの需要が高く、少額から投資を始めたい方や、土地の活用方法が決まっていない場合に検討すると良いでしょう。

    トランクルーム投資の大きなメリットは、建物の年数が経っていても収納としての機能がしっかりしていれば、賃料が下がりにくいという点です。このほか、コストが安価で安定的な稼働ができることなども利点といえます。ただし、収益性がそこまで高くないこと、経営が軌道に乗るまで2〜3年ほどかかることに注意しましょう。

初心者向け:不動産投資の始め方

  • 初心者向け:不動産投資の始め方
  • 不動産投資を始める前に手順を確認しておくことで、初心者の方でも安定した収入を得られる可能性は高まります。ここでは初心者の方に向けて、不動産投資の始め方を10個のステップに分けて解説するので、一連の流れを確認してみましょう。

  • 1.投資の目的や目標を明確に設定する

    「資産形成」や「老後の資金確保」、「収入アップ」など不動産投資を始めたい具体的な目的・目標を設定しましょう。設定する目的・目標で、投資方法や必要な投資資金が変わってきます。
    また、毎月どの程度の収益を希望するか、目的・目標の達成期間に関しても決めておきましょう。不動産投資は長期的な運用を目指すのが基本のため、5〜10年程度の期間で計画を立てるようにします。

  • 2.必要な費用や融資の準備を行う

    不動産投資を行うには、不動産を所有しなければなりません。不動産を取得する際は、以下の費用を準備する必要があります。

    準備しておくべき費用
    頭金(借入金を除いた自己資金で物件価格の10%〜20%が目安)
    手付金
    登録免許税
    印紙代
    不動産取得税(購入時ではなく納税通知書が届いたら納付する)
    仲介手数料
    ローンの事務手数料
    固定資産税
    都市計画税
    火災・地震保険料
    司法書士への報酬

    頭金以外の諸経費の目安は、物件価格の10%程度です。自己資金が不足している場合は、費用の準備と並行して金融機関からの融資を検討しましょう。信用情報と融資条件を確認し、適したローンを比較検討します。

  • 3.投資したいエリアの市場動向を調べる

    投資リスクを軽減するためにも、投資エリアの市場動向に関する調査を行いましょう。市場動向を調査することで、将来的な成長率を判断するための情報を得られます。

    投資エリアで調査すべき内容
    人口動態
    経済状況
    家賃相場
    物件価格の相場
    物件価格の推移
    利便性
    賃貸需要
    インフラ整備計画

  • 4.不動産会社に相談する・ポータルサイトに登録する

    市場動向の調査が終わったら、不動産会社に相談して条件に合う投資用不動産を紹介してもらうか、不動産のポータルサイトに登録しましょう。
    ポータルサイトとは、収益物件の情報が掲載されているWebサイトで、投資用不動産の情報を集めるのに利用できます。検索条件にエリアや物件の種類、物件価格などを入力することで、条件に該当する収益物件を表示してくれます。
    不動産投資に慣れていない方が優良な投資用不動産を見つけるには、専門知識やノウハウを持つ不動産会社のサポートを受けた方が良いでしょう。そのため、初心者の方はポータルサイトよりも不動産会社への相談がおすすめです。中には、物件選びから購入後の賃貸管理、確定申告までをトータルでサポートしてくれる不動産会社もあります。
    信頼できる不動産会社かどうかは、サポート体制の内容や取り扱っている物件数、対応の丁寧さ、口コミなどから確認しましょう。

  • 5.物件を探して選定する

    不動産投資において、物件選びは収益性や投資リスクに直接関係するため、非常に重要なステップです。そのため、単純な物件価格や表面利回りではなく、総合的に要素を確認しながら収益物件を選定しましょう。

    確認しておきたい物件の要素
    直近の空室率
    築年数・間取り
    耐震基準
    賃貸需要
    周辺環境(スーパーや商業施設、学校・病院といった公共施設が近隣にあるか)
    交通の利便性(最寄り駅から徒歩何分かかるのか)
    治安
    物件価格の相場(候補の物件の価格が極端に低い場合は訳あり物件の可能性がある)
    競合物件の家賃
    自然災害のリスク

    上記のほか、不動産投資の出口戦略も考えておく必要があります。

  • 6.気になる物件があれば見込める収益をシミュレーションする

    不動産投資では実質利回りを算出して、しっかりと収益を上げられるかどうかを把握することが大切です。気になる物件があれば、実質利回りを計算してみましょう。
    実質利回りの計算式は以下の通りです。

    実質利回り(%)=(年間の家賃収入-年間の維持費)÷(物件価格+諸費用)× 100

    例として、下記の条件での実質利回りを計算してみます。

    物件価格:2,500万円
    家賃収入:年額125万円
    固定費(管理費など):年額20万円
    諸費用(登録免許税など):60万円
    固定資産税:年額5万5,000円

    実質利回り(%)=(125万円-25万5,000)÷(2,500万円+60万円)× 100 = 3.88%

  • 7.物件の現地調査を行う

    物件を選んだら、現地まで物件を確認しに行きましょう。確認すべき項目は、エントランスなどの共用部分や周辺環境、ゴミ置き場などです。実際に物件の状態を見ることで、不動産会社やポータルサイトの情報に記載されていない情報を把握できます。
    治安や騒音については時間帯によって状況が異なるため、日中だけでなく、できれば夜間の時間帯でも現地調査を行うと良いでしょう。

  • 8.融資を利用する場合はローンの審査を受ける

    ローンの審査を通過しなければ融資は受けられません。審査では本人の属性や信用情報のほか、申込者がローンが返済できなくなるケースを踏まえて、購入予定の不動産の資産価値や収益性なども確認されます。
    不動産投資で融資を受けるには、自分で金融機関を探すか、不動産会社が提携している金融機関(メガバンク・地方銀行など)を紹介してもらうかの2通りの方法があります。初心者の方は、不動産会社から提携する金融機関を紹介してもらうのがおすすめです。金利が比較的低く、審査がスムーズに進む可能性もあります。
    金融機関によって、借入の条件や融資の審査基準が異なるため、状況に合った借入先を選びましょう。

  • 9.物件の購入・契約手続きを行う

    物件の購入と契約手続きを進めていきます。必要書類や契約内容の詳細を売買契約書で確認し、不明点があれば必ず質問しましょう。
    融資が実行されたら残金を決済し、その後に所有権の登記が司法書士により行われ、物件が引き渡されます。すでに入居者様がいる物件の場合、物件を引渡した日から家賃収入が発生します。

  • 10.物件の運用を開始する

    ここまで手順が進んだら、物件の投資運用が始まります。入居者の募集から契約の手続き、家賃の設定、トラブル対応などの業務を行うのが賃貸経営です。物件の管理方法は、オーナー様自身で管理業務を行う「自主管理」と、管理会社へ依頼する「管理委託」の2つがあります。
    自主管理する際は、入居者様としっかりコミュニケーションを取ることで良い関係を築けるでしょう。入居者様との良好な関係は、安定した収益にもつながります。
    管理会社へ依頼する場合、日々の管理業務の多くを管理会社が代行してくれるのがメリットです。管理委託については、記事の後半で詳しく解説しているのでぜひご覧ください。
    また、保険の加入もリスク対策として重要です。投資用不動産を購入した時は、火災保険と地震保険に加入し、火事や自然災害による建物損壊に備えます。

初心者向け:物件選びで確認すべきこと

  • 初心者向け:物件選びで確認すべきこと
  • 不動産投資において、物件を選ぶ際は立地や築年数のほかに、収益性や将来性があるかどうかも確認しなければなりません。初心者の方は、以下で解説するポイントに注意して物件を選ぶようにしましょう。

  • 物件の種類

    マンションやアパートといっても、区分なのか一棟なのかで違いがあります。状況や条件によっては、戸建て投資を選択する方もいるでしょう。
    初心者の方には、ほかの物件に比べて管理が容易な区分マンションが始めやすいかもしれません。現在の状況や用意可能な自己資金、融資の有無などに応じて物件の種類を選びましょう。

  • 立地・築年数

    物件の立地は、不動産の価値に大きく影響します。駅やバス停が近いか、近隣にスーパーや商業施設、学校、病院があるかが重要なポイントです。物件選びの際は、オーナー様自身が住みたいと思えるような立地で選ぶのが良いかもしれません。
    また、物件は新築と築古でそれぞれメリットとデメリットが異なります。築古の場合、新築よりも物件価格が安価ですが資産価値は下がりやすくなっているのが特徴です。新築か築古かどうかは、自己資金や将来の修繕計画を考慮して選ぶようにしましょう。

  • 収益性や将来性

    物件は、表面利回りだけで判断せず、実質利回りも計算して検討しましょう。人口増加が見込まれる地域や再開発計画がある土地などは、将来性が高く長期的に資産価値の上昇が期待できます。資金に関しても、修繕積立金や諸経費なども含め、無理なく計画を立てることが大切です。
    物件を選ぶ際は、必ず複数の物件を比較しましょう。初心者の方は複数の物件でなく、まずは1つの物件から始めた方が安心です。将来的に投資規模を拡大していく目標があるならば、徐々に経験を積んでいくことが重要になります。

初心者が不動産投資を始める前に行うべきこと

  • 初心者が不動産投資を始める前に行うべきこと
  • 不動産投資は、初心者の方でも始めやすい投資の一つとされていますが、全く知識がない状態で始めるのはリスクが高いといえます。そのため、事前に不動産投資に関する勉強や情報を収集し、必要資金などの準備を入念に行いましょう。

  • 不動産投資に関する勉強

    まずは、不動産投資に関して投資の基本も含めた勉強を行いましょう。不動産投資でかかる費用や税金、物件の選び方、リスク管理の方法や専門用語などを勉強し、投資の仕組みを知るのが大事です。ネットで調べたり、書籍を購入したりして知識を吸収しましょう。
    専門家や投資経験者が講師をするセミナーへ参加するのも有効な勉強方法です。成功者から直接学ぶことでき、より実践的な学びにつながります。ただし、中には初心者を狙った悪質なセミナーもあるため、実績や評判はしっかり確認しましょう。

  • 必要資金の準備

    不動産投資に必要な自己資金の用意も忘れてはいけません。投資の目標を設定することで、どれくらいの収益を目指すのか把握しやすくなるでしょう。物件の購入には自己資金を準備しますが、多くのケースでは金融機関からの融資を受けて購入しています。

  • 情報収集

    インターネットなどを活用し、不動産投資の情報収集も行いましょう。投資経験者が身近にいれば、アドバイスを受けるのも効果的です。
    また、不動産投資に関しては不動産会社に相談するという方法もあります。優良な不動産会社であれば、発生する可能性があるリスクや失敗例などを教えてくれるでしょう。

不動産投資のメリット

  • 不動産投資のメリット
  • 不動産投資では、安定した収入や長期的な資産形成がメリットです。これから不動産投資を始める方は、ここで解説する5つのメリットを押さえておきましょう。

  • 安定した収入が得られるうえに年金対策になる

    毎月、決まった家賃収入が見込めるのは不動産投資の大きなメリットです。長期で入居してもらえれば、安定した収入は続くでしょう。先の収支計画を立てやすいのも不動産投資の特徴です。また、老後の生活資金である年金についても、不動産投資をうまく運用できれば不足分を毎月の家賃収入で補えるでしょう。

  • 少ない自己資金で高額投資もできる

    不動産投資では、自己資金が少なくても金融機関からの融資を受けられれば、高額な不動産投資が行えます。そのためレバレッジをかけることも可能で、少額の資金で大きな投資ができれば、得られる収益も大きくなるでしょう。
    しかし、大きな損失が発生するリスクも少なくはないため注意が必要です。

  • 長期的な資産形成ができる

    長期的な資産形成が可能な点も、不動産投資の大きなメリットです。特に、20代〜30代の若いうちに始められれば、運用期間が長期になり収益を得られる期間がより長くなります。また、融資を受けて不動産を購入した場合、家賃収入を得ながらローンの返済を進めていくため、長期に渡って借入金の元金を減らせるでしょう。
    資産形成を進めつつ、不動産市場の動向が良ければ、購入した時よりも高く売却できる可能性があります。

  • 現物資産のためインフレに強い

    「現物資産(実物資産)」とは形として存在し、それ自体に価値がある資産です。現物資産は土地や建物などの不動産を含め、ゴールドといった貴金属、美術品や宝石、車などがあります。

    現物資産は相場価格や適正価格が少々わかりにくく、保守管理にも手間がかかりますが、インフレに強い点がメリットです。預貯金や株式といった「金融資産」は、流動性が高く現金化しやすいのが利点ですが、インフレになると貨幣価値が下がる恐れがあります。
    不動産の場合、物価が上がると不動産価格も上昇することから、資産価値が大幅に下がるケースは低いといえるでしょう。

  • 節税効果を期待できる

    相続対象の資産は、現金で保有するよりも、不動産にしておいた方が節税に有利です。不動産投資を行う場合、相続税の節税効果が期待できます。
    相続税の計算時、3,000万円の現金であれば、そのまま3,000万円の財産として評価されます。一方で、3,000万円の資産を不動産として残すと、売買価格の変動が考慮されるため、3,000万円よりも低い価格で評価されるのです。
    土地は「路線価」、建物は「固定資産税評価額」で評価される仕組みですが、路線価・固定資産税評価額はともに実際の価格よりも低いため、相続税の計算では有利に働きます。

不動産投資のデメリット

  • 不動産投資のデメリット
  • 不動産投資の5つのメリットを押さえたところで、注意したいデメリットも確認しておきましょう。

  • 経年劣化すると多額の修繕費用が必要になる

    不動産投資では、建物の修繕や設備交換の費用はオーナー様が負担しなくてはなりません。経年劣化では、外壁・屋根・階段の修繕や塗装、排水管の洗浄、給湯器・エアコンの修理や交換を行うケースが見られます。
    そのため、修繕費用は事前に用意しておきましょう。適切に修繕できないと、不動産の資産価値が下がってしまい、空室リスクも高まります。

  • 流動性が低く売却しにくい

    不動産を売却する際、買い手が見つかるまで時間がかかってしまうケースが多く、流動性が低いのがデメリットです。株式投資の場合、売却すればすぐに現金化できますが、不動産は売却から現金化まで数か月はかかります。加えて、売却時には不動産価値が下がっている可能性もあるため、実際に希望する価格で売却できるかはわかりません。

  • リスクが大きい

    不動産投資では、数百万円〜数千万円、さらに高額になると数億円にまでのぼる金額を扱います。利益も必ず黒字になるとは限らないため、失敗した時のダメージが大きいというリスクも考えなければなりません。

初心者が押さえておくべき不動産投資のリスクとは

  • 初心者が押さえておくべき不動産投資のリスクとは
  • 修繕費用が必要になる、流動性が低いなど、不動産投資にはデメリットといえるリスクがあります。ここでは、特に押さえておきたい不動産投資のリスクを確認しましょう。

  • 空室

    空室が続き、家賃収入を得られないのが空室リスクです。空室が長期間になるとローンの返済に困るような状況になる恐れがあるため、賃貸需要が高く空室リスクの低い物件選びが重要になります。
    入居者様の引っ越しなどで、空室の発生は避けられません。賃貸需要を高めるためにも、設備のアップデートといった努力が必要になります。

  • 建物の老朽化

    建物に関しては、経年劣化による老朽化のリスクにも注意しましょう。外側からは見えない箇所も老朽化が進むため、ある程度のメンテナンスや修繕の費用がかかります。大規模な修繕計画を立てる際は、設備だけでなく外壁や配管なども計画に組み込んでおくことが大切です。

  • 支出の増加

    前述したように、建物にはメンテナンスが必要になるため、その分の支出が増加する可能性があります。大規模修繕の予算は、通常のメンテナンスとは分けて準備しておくと良いでしょう。
    また、入居者募集のために不動産会社や仲介業者に支払う広告料も支出です。空室が複数発生したり長期化したりすると、支払う広告料も大きくなります。

  • 収入の減少

    空室が発生したことにより、想定よりも家賃収入が減少してしまうケースがあります。区分マンションや戸建てで投資をする場合、空室が発生すると家賃収入を得られません。
    収入に関しては、家賃の下落にも注意しましょう。空室が埋まらないと家賃を下げざるを得なくなり、キャッシュフローが悪化します。

  • 不動産価格の下落

    不動産投資で購入した物件は、築年数による経年劣化や周辺環境の変化により、不動産の資産価値が年々下がっていきます。
    賃貸需要や周辺環境を重視して物件を選ぶことが大切ですが、資産価値が下落してしまう前に売却するなど、出口戦略も考えておかなくてはなりません。

  • 入居者に関するリスク

    家賃滞納や事故物件のリスクにも注意しましょう。家賃を滞納されると収入が減るだけでなく、滞納額が大きくなるにつれて回収が難しくなってしまいます。家賃滞納のリスクを回避するには、家賃保証会社を利用すると良いでしょう。
    賃貸物件として貸し出している部屋で事故や事件が起きると、賃貸需要の低下や家賃の下落を招いてしまう恐れがあります。特に、高齢の入居者様に対しては日常的に気を配ることが大切です。

  • 金利の変動

    変動金利を選んで融資を受けている場合、金利の上昇によりローンの返済額が増える可能性があります。金利の上昇を考慮して試算したり、物価の動向に注意したりしましょう。
    また、金利の変動リスクにはローンの借入期間を短くする、固定金利を選択しておくのも有効な対策になります。

  • 自然災害

    火災や地震、台風、豪雨などによって、物件に被害が及ぶ自然災害のリスクも注意すべきです。火災保険や地震保険に加入することで、こういった自然災害による被害を補償してくれます。保険の適用対象は各保険会社で異なるため、どのような災害が補償対象になるのか、内容をきちんと把握したうえで加入しましょう。

不動産投資で重要な3つのポイント

  • 不動産投資で重要な3つのポイント
  • 初めて不動産投資を行う方は、これからの投資運用に向けて、以下で挙げる3つのポイントを把握しておくと良いでしょう。

  • 賃貸管理の基本

    不動産投資で安定した収益を確保するためには、適切な賃貸管理を行わなければなりません。

    入居者の選定
    家賃滞納や空室のリスクを軽減するには、信頼できる入居者様を選ぶようにします。

    家賃設定
    適切な家賃を設定しないと、空室リスクが高まります。近隣の家賃相場を調査したうえで、競争力が高い価格で家賃を設定しましょう。

    入居者対応
    入居者様とは適切な対応を取り、クレームも迅速に処理しましょう。入居者様と良好なコミュニケーションを取ることは、長期的な入居につながります。

    定期的なメンテナンス・点検
    大規模修繕のリスクを減らすには、日々のメンテナンスが重要です。修繕箇所があれば、迅速に対応しましょう。

    管理会社に依頼する
    賃貸経営では、管理業務を管理会社に依頼することも可能です。専門知識を持つスタッフが賃貸物件を運営してくれますが、委託費用が発生します。

  • 物件の賃貸管理を任せる場合は管理会社を利用する

    物件の管理業務を管理会社に依頼することで、入居者募集や家賃の回収などさまざまな業務を委託できます。オーナー様への負担や手間が大きく軽減するため、初めて不動産投資を行う場合は管理会社に任せるのも良いでしょう。
    実際に、数多くのオーナー様が管理業務を管理会社に委託しています。ただし、家賃収入の5%程度の委託費用が毎月かかるため、収支とのバランスを考えて検討しましょう。

  • 元手が少額なら築古の区分マンションを検討してみる

    元手が少額でも始めやすいのが、安価な物件が多い区分マンションです。区分マンションは物件価格がほかと比べて安いため、融資を受けても返済の負担はそこまで重くありません。加えて、築古になるとさらに物件価格が安くなります。
    ただし、築古の区分マンションに投資する際は、賃貸需要が見込める立地でなければ運用は厳しいのが現状です。状況や条件によっては、検討してみる価値はあるといえるでしょう。

不動産投資が失敗しやすくなるのはなぜ?

  • 不動産投資が失敗しやすくなるのはなぜ?
  • 不動産投資においては、リスクの把握と併せて投資の失敗につながる要因を確認しておくことが大切です。ここでは、不動産投資が失敗しやすい方の特徴を見ていきましょう。

  • 短期間で利益を求める

    不動産投資で短期間のリターンを求めてしまうと、失敗につながりやすくなります。賃貸経営や不動産の売却を行う不動産投資は、ある程度の期間を要する投資方法です。短期間で利益を期待する方には、向いていない方法といえるでしょう。

  • 知識や情報の吸収を怠る

    不動産投資では、投資に関するさまざまな知識・ノウハウを勉強しなければなりません。賃貸経営も兼ねるため、投資家としてだけでなく賃貸経営者としての勉強も必要です。
    知識や情報の吸収を怠ると、具体的な投資戦略を立てることが難しくなり、投資の成功につながりにくくなる恐れもあります。

  • 安定した収入を得られていない

    空室が増えて家賃収入が大きく減った時、本業の収入があるとローンの返済を賄えますが、万が一資金が捻出できないと、ローンの返済を滞納してしまう状況になりかねません。安定した収入がない状態で始める不動産投資は、非常に大きなリスクといえます。

初心者が不動産投資で成功するには

  • 初心者が不動産投資で成功するには
  • 初めて不動産投資を行う方が運用を成功させるには、成功につながる要素を満たしたうえで軌道に乗せなければなりません。ここでは、初心者の方が不動産投資で成功しやすくなるポイントを見てみましょう。

  • 十分な貯蓄がある

    投資用不動産の購入にはある程度の自己資金が必要になるため、十分な貯蓄が求められます。物件を取得した後も、空室や災害など万が一の事態をカバーできる程度の自己資金があった方が良いでしょう。必要資金や投資リスクを考慮すると、貯蓄は十分にあった方が投資が成功しやすくなるといえます。

  • 目的や資産を考慮して投資を進める

    「不労所得を得たい」「年金以外で老後の資金を確保したい」などの目的や、保有する資産を考慮した投資計画を立てましょう。自己資金である預貯金が十分ではないのに、ハイリターンを求めると、投資リスクも高くなります。
    また、購入する投資用不動産や融資の有無によっても投資戦略は変わるため、どの程度の収益を得たいのかを明確にしておきましょう。

  • 少額から投資を始める

    まずは、少額から投資を始めていきましょう。ノウハウがない初心者のうちから、高額な資金を投入してハイリターンを狙うのは危険です。少額から投資を進めて成功体験を重ねていき、必要な知識やノウハウを身に付けるようにしましょう。

  • 資金計画を立てて収支シミュレーションを行う

    不動産投資を成功させるには、資金計画を立てたうえでの収支シミュレーションが欠かせません。シミュレーションを行う際は、不動産の物件価格や利回り、発生する税金や手数料などの費用を把握しておく必要があります。
    長期で運用するのが前提の不動産投資は、長期的な投資戦略を立てなくてはなりません。そのため、現在だけに限らず将来的な収支もシミュレーションを行い確認しましょう。

まとめ

  • まとめ
  • 不動産投資は、長期的な資産形成を考えるうえで魅力的な投資方法です。投資の基礎知識やリスクを把握しておけば、初心者の方でも始められる方法といえます。
    不動産投資を始める際は、投資の目的を決めてからスタートしましょう。不動産投資に関する知識や情報を取り入れるのも大切です。投資用不動産を選び収支計画を立てて、運用を進めていきましょう。不動産投資では短期間でリターンを求めるのではなく、長期に渡って着実に経験を重ねていくことで、成功につながります。

FAQ

  • Qアイコン 不動産投資の基礎知識を教えてください。

    不動産投資を始める前に、まずは収益に関する基礎的な知識や投資に必要な情報を確認しておくことが重要です。不動産投資で収益を上げる仕組みや発生する税金、どの程度の資金で投資を始められるのか解説しています。初心者の方でも参入しやすい5種類の投資方法を紹介しています。
    詳細はこちらを参考にしてください。

  • Qアイコン 初心者でも参入しやすい不動産投資の種類について教えてください。

    投資対象の不動産にはさまざまな種類があり、立地や資産価値、利回りなどの条件も異なります。
    詳細はこちらを参考にしてください。

この記事を書いたのは…

著者イメージ
アレップス コンテンツ編集部

アレップス コンテンツ編集部では、アパート経営や不動産投資に関するお悩みを解決すべく日夜スタッフが情報の最新かつ濃密な記事の発信を行っています!

アレップス コンテンツ編集部では、アパート経営や不動産投資に関するお悩みを解決すべく日夜スタッフが情報の最新かつ濃密な記事の発信を行っています!

関連記事

  • アパートのリノベーション費用はどのくらい?一棟丸ごと工事する場合は?

    古いアパートは築浅のアパートより、空室や経年劣化のリスクが高まります。築年数が経過したアパートを経営しているオーナー様の中には、空室対策としてリノベーションやリフォームを検討する方もいるかもしれません。 実際に、アパートのリノベーションやリフォームは空室対策には有効な手段の一つです。では、アパートをリノベーションあるいはリフォームする場合、費用はどのくらいかかるのでしょうか。この記事ではリノベーションを中心に、費用の相場やメリット、注意点などを解説します。

    詳しく見る
  • 客付けに強い不動産業者・物件の特徴と、業者の選定ポイントを解説

    物件と借主をつなげる役割を担う客付けは、できる限り空室を減らしたいオーナー様にとって最重要といっても過言ではないでしょう。しかし、客付けに強い不動産業者を選定するのは簡単ではないため、自ら客付けを行うケースもあるかもしれません。強い客付けを行うためには、相応の物件を持っていること、客付け力の強い業者またはスキルに頼ることが大切です。この記事では、客付けに強い不動産業者の選定方法と、客付け力のある物件の特徴を中心に解説します。

    詳しく見る
  • 管理会社の連絡先の調べ方とは?管理会社が行ってくれることをまとめました

    賃貸物件の管理会社の連絡先を知りたい時は、どのように調べれば良いのでしょうか。賃貸契約書を確認したり、インターネットで調べたりと方法はさまざまですが、調べ方に悩む方も少なくありません。 この記事では、管理会社の概要と連絡先の調べ方に加え、管理組合や仲介業者との違いについて紹介します。また、管理会社はどのような管理形態で動いているのか、管理会社の主な業務内容なども解説します。 しかし、所有している土地でアパート経営を始めるには、いくつかのリスクがあることも覚えておきましょう。それぞれのリスク回避のために適切な対策を行って、効率的な土地活用を行いましょう。 この記事では、土地有りでアパート経営を行うメリット・デメリットについて、そして経営を進める時の流れや必要な資金などについて解説します。

    詳しく見る

タグ一覧

「タウンのかんり」が選ばれる理由

創業45年、管理戸数57,042戸(※2025年1月時点)。

多くのオーナー様に選んでいただいている理由があります。

詳しく見る

お問い合わせ

どんな些細なことでも、
ずっと先の話でも構いません。
お気軽にお問い合わせください。
無料相談
無料相談
無料家賃査定
無料相談
タウングループ
不動産管理事業
不動産仲介・周辺事業
建築事業
多角化事業