マンション経営の失敗事例11選!失敗しないための対策方法も紹介
毎月の安定した収入が得られ、大きな資産にもなるマンション経営ですが、失敗事例についてはあまり知られていません。この記事では、マンション経営でお悩みの方や、これからマンション経営を始めたいと考えている方向けに、マンション経営でよくある失敗事例を11例紹介します。併せて、マンション経営で失敗しないためのポイントも解説します。
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マンション経営とは、購入したマンションを第三者に貸し出すことで、毎月安定した家賃収入を得る経営方法です。ほとんどのマンションオーナーはローンを活用してマンション経営を始めており、家賃収入で月々のローン返済をまかなっています。金利の低迷や将来的な年金への不安が強まる中、効率的な資産運用の手段としてマンション経営は注目を集めているのです。最近では副業としてマンション経営を始めるサラリーマンや公務員の方も増えています。
以下は、マンション経営における主なメリットです。
安定した収入が期待できる
前述したように、マンション経営の主な収益は入居者からの家賃収入です。災害によって建物が大きく損壊したり、周辺環境が劇的に変化したりしない限り、家賃収入が短い期間で暴落する要素が少ないため、収入が安定するというメリットがあります。
管理の手間を減らせる
マンション経営では、入居者の募集・契約関連業務・家賃の徴収・クレーム対応・修繕手配・共用部の清掃など、多くの業務をこなす必要があります。しかし、オーナー自身がこれらの業務に時間をかけられない場合は、家賃の数%ほどの手数料で管理会社に委託可能です。そのため、平日の日中は動けない会社員の方でも、副業としてマンション経営ができるのです。
資産になる
マンション経営では、「そのマンションが建っている土地」も自分の所有物になります。そのため、築年数が経過して建物の価値が低くなっても土地の価値は残るのです。マンションの入居者がいない状態であれば、土地として売却したり、別の用途に利用したりできます。-
多くのメリットがあるマンション経営ですが、中には失敗してしまうケースもあります。ここでは、マンション経営で失敗するとどのようなことになるのかを紹介します。
空室が埋まらない
マンション経営の主な収入源は入居者からの家賃収入です。しかし、空室が発生してしまうとその分の家賃収入が得られなくなってしまいます。入居者がいないにもかかわらず諸経費はかかり続け、部屋の劣化だけが進むという状況に陥るのです。
住民の入退去に関しては、立地だけでなく季節要因も影響することから、入居者を集めることは想像以上に困難です。そのため、空室はマンション経営の最大の悩みであるといえるでしょう。少しでも空室リスクを減らすためには事前のリサーチが重要です。
収益が出ない
マンション経営を始める方のほとんどが、家賃収入を期待するでしょう。しかし、中には毎月のローン返済と各種経費で家賃収入が相殺され、手元にほとんど残らないといったケースもあります。基本的にローン返済後には黒字となりますが、安定した収益がしばらく入らないためにライフプランが狂ってしまう方は少なくありません。
赤字になる
上記のように手元にほとんどお金が残らないだけでなく、収入よりも出費の方が多くなってしまう場合もあります。当初の予想よりも家賃収入が入らず、税金や修繕費などのコストが収入を上回るケースは珍しくありません。また、はじめは経営が順調でも、入退去を繰り返すうちに家賃が下落し、次第に出費が上回るケースもあります。このような状態でマンション経営を続ければ、さらに赤字が拡大するでしょう。赤字補填のために借金をするようになれば、最終的に自己破産してしまう恐れがあるのです。-
続いては、マンション経営でよくある失敗事例を11個紹介します。これからマンション経営を始めようと考えている方は、メリットだけでなく以下の失敗例も頭に入れておきましょう。
1.立地が悪い
立地が悪いという失敗は、アパート経営にとって大変深刻な問題です。賃貸経営は「立地商売」ともいわれています。マンションをはじめとする賃貸物件の需要は、どんな場所にもあるわけではありません。立地が悪ければたとえプロが経営してもうまくいかないのです。
例えば、電車やバスなどの公共交通機関での移動がメインとなる地域の場合、駅から遠い立地のマンションは非常に不利になります。反対に、車での移動がメインの地域の場合は、マンションの敷地内に駐車場がないと入居者が集まりにくいでしょう。
特に相続対策としてマンションを建築したという場合、立地による失敗が多く見られます。相続対策ではどうしても「所有している土地を生かそう」という土地ありきの発想をしてしまうため、賃貸需要が低い場所に無理やりマンションを建ててしまうケースがその代表例です。賃貸需要が低い場所にマンションを建ててしまえば、失敗するリスクは高まるでしょう。2.施工の質が悪い
施工の質が悪く、「常に悪臭がする」「漏水が発生する」「両隣や下階への音の響きが大きい」など、マンションそのものに問題を抱えてしまうケースです。このように施工の質が悪いマンションでは、入居者の退去が早まったり、次の入居者が決まりにくくなったりします。
マンションを建築する場合は、施工品質の高いハウスメーカーに依頼するのがおすすめです。施工品質が高いのならば建築費も高くなるのではないか、と思う方もいるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。国内の大手ハウスメーカーでは多くの部品を工場で作っているため、高い施工品質でありながら建築費は比較的安価です。施工会社を選ぶ際には「大手」「信頼」というキーワードで検索すると良いでしょう。建築後の経営サポートや保証も充実しています。
また、既存の中古マンションを購入する場合は築10年以上のものがおすすめです。築10年以上のマンションは価格の下落カーブが緩やかになり、値段がある程度下がって物件本来の価値の価格になります。加えて、物件の欠陥があらわになるのも10年たった頃であるため、しっかりと自身の目で確認してから購入できます。最初の大規模修繕は築13年目くらいで行うマンションが多い傾向です。大規模修繕が終わった物件であれば、クラックの補修やタイルの張り替えなど、素人が見ても分かる瑕疵の修繕が行われているため、どの程度不良箇所が出ていたかの判断材料にもなるでしょう。3.周辺環境が変化する
マンション経営を始める際に、「近くに大手企業の事業所があるから単身者向けの間取りにしよう」「すぐそばに大学があるから学生向けのマンションにしよう」といった考えを持つ方もいるでしょう。企業の寮や大学との提携として借り上げの契約が結べれば、空室をはじめとしたさまざまなリスクの不安に悩むことなく、安定した家賃収入を得られます。
一方で、一つの需要に頼りきった経営は、周辺環境の変化により経営困難になる恐れがあるのです。例えば、マンションを企業の寮として提供していた場合、企業のオフィスが移転してしまえば経営が難しくなるでしょう。他にも、近隣の大型商業施設などが撤退や移転をすることで、そのエリア全体の資産価値が下がってしまうケースもあります。他の地域で新興住宅地や緑地、計画道路などの開発が進み、今まであった市街地や住宅地が衰退していく場合もあります。4.空室対策がうまくいかない
どんなに魅力的なマンションでも、賃貸物件である限り空室は発生します。重要なのは空室となった後、迅速に客付けができるかどうかです。
立地や築年数などに問題がないのに、なかなか入居希望者が現れない場合は、募集方法に問題があるのかもしれません。募集方法は物件の管理会社によって異なり、中には「自社のサイトに物件情報を掲載するだけ」「物件に入居者募集という看板を掲示するだけ」という会社もあります。それではいくら魅力的な物件でも、人目に触れる機会が得られません。また、「露出は多いものの、物件に関する情報量が少なすぎて内見につながらない」という例もあります。間取り図のみで実際の物件の写真がなかったり、周辺情報が全く記載されていなかったりする場合、部屋探しをしている方にとっては情報不足でしょう。このように、空室対策には管理会社の力量が大きく関わってきます。
実は、マンション経営における失敗の中で多く見られるのが「管理会社選びの失敗」です。管理会社は、入居者募集や審査、物件の維持管理、家賃の徴収など多くの業務にあたっていますが、中でも失敗となって露呈しやすいのが「空室対策」なのです。空室期間が半年以上続いているにもかかわらず、管理会社から新しい提案が出ないようなら、管理会社選びに失敗しているでしょう。同じ物件でも、管理会社を変更することで今まで埋まらなかった部屋が埋まる可能性があります。5.修繕積立金の不足や値上がり
修繕積立金とは、マンションの大規模修繕を行うために充てられる費用です。大規模修繕は建物に損傷や故障が発生した場合のみ行うものではなく、外壁塗装などのメンテナンス系の修繕も含まれます。建物の劣化を防ぐためには、必要な時期にしっかりと行う必要があるのです。
しかし、大規模修繕のための費用を計画的に積み立てていなかったため、必要な修繕が行えなくなってしまう失敗事例があります。また、修繕積立金の金額はマンション管理組合の総会で決定されるため、修繕積立金の値上げにより予定通りの金額を積み立てできなくなってしまうケースもあります。6.利回りの設定ミス
利回りとは、投資金額に対する収益の割合のことです。マンション経営における利回りは表面利回りで10%程度、実質利回りで5%程度が基本です。管理会社の多くは、オーナーに計画を提案する際に「表面利回り」を提示します。しかし中には、できるだけ利回りを良く見せようと、非現実的な数字を出してくる会社もあります。この時に、提示された表面利回りを鵜呑みにしてリスクを考慮せずに経営計画を立てると、失敗に陥ってしまうのです。
表面利回りには修繕費や空室率といったマイナスの要素は加味されていませんが、実際にはそれに加えてさまざまな諸費用がかかります。7.ローンの借りすぎ
マンション経営を始めるにあたって、ローンを組むオーナーは多くいるでしょう。ローンを組む際には金融機関の審査を受けます。ローンが通れば喜ばしい反面、借金であることに変わりはなく、借りた金額が大きければ大きいほど月々の返済が厳しくなります。ローンの借りすぎで返済が追いつかず、マンション経営が難しくなってしまうケースは珍しくないのです。
実は、アパート経営において管理費や税金は経費の中で大した金額にはなりません。たとえ空室が8割になったとしても持ちこたえられます。しかし、「ローンの返済」という支出を抱えながらの経営では空室の影響が大きくなってしまうのです。8.期待したほど節税効果が得られない
マンション経営が人気の理由の一つとして、安定した家賃収入が得られることに加えて、節税効果が高いからです。相続税をはじめとして、所得税、住民税、固定資産税、都市計画税なども節税できる可能性があります。「マンション経営は節税になる」という言葉に背中を押されて、経営を始める方もいるでしょう。ただし、マンション経営による節税効果は、必ずしも全員が得られるわけではありません。
例えば相続税の場合、現金や不動産といった自身の財産から借入額を差し引いた金額が「基礎控除額」を超える方が条件となります。また、所得税・住民税の場合、マンション経営以外に収入がある公務員や経営者、会社員であることが条件となります。
このように、マンション経営における節税効果は誰でも得られるものではないため、節税効果に期待して経営を始めると失敗してしまう恐れがあります。9.サブリース契約の中途解約
サブリース契約とは、オーナーが所有する部屋をサブリース会社が賃借し、第三者である入居者にまた貸しするシステムです。入居者の募集・入退去の手続き・家賃の徴収・クレーム対応・建物の維持管理など、すべての業務をサブリース会社が代行します。 サブリース契約では満室・空室に関係なく、契約で定められた一定の金額が毎月オーナーに支払われます。これを「家賃保証」といいます。
とても理想的なシステムに思えるサブリース契約ですが、会社によっては中途解約されてしまう場合があります。契約書に「1ヶ月前の通知で中途解約を認める」などと記載されていたら注意が必要です。サブリース契約に頼りきった経営をしていると、万が一中途解約された際に経営が立ち行かなくなってしまいます。10.入居者トラブル
マンションにはさまざまな方が入居するため、入居者間もしくは近隣住民とのトラブルが発生する恐れがあります。
以下はマンション経営で起こりやすい入居者トラブルの例です。
・ゴミ出しのルール違反
・自転車の留め方などのマナー違反
・騒音をめぐるトラブル
・共用部に私物を置く
これらのトラブルは、入居者の不満を募らせるだけでなく、新たな入居者募集にも悪影響を及ぼします。例えば、ゴミ出しのルール違反をする入居者がいれば、野良猫やカラスゴミを荒らされたり、放火されたりするリスクが高くなります。11.売却したくてもできない
マンション経営が困難になったら売却すれば良い、という考えを持つ方も中にはいるでしょう。しかし、マンションをスムーズに売るのは簡単なことではありません。
例えば、新築のワンルームマンションであっても、売却すると分譲時の7割程度の値段にしかならない場合があります。
また、築30年以上のマンションは、大規模修繕を行う必要があります。大規模修繕には数百万円もの費用がかかるため、このタイミングでマンションを売却しようと考えるオーナーは多いでしょう。しかし、法定耐用年数を超えたマンションはローンを組めないため、買い手が見つかりにくく、売却したいのにできないという状況に陥ってしまうのです。加えて、資金不足により大規模修繕ができなければ空室が増え、さらに経営が厳しくなってしまいます。
仮に売却できたとしても、売却益でローンが相殺できなかった場合は、差額の自己資金を用意しなくてはなりません。-
ここでは、マンション経営に失敗しやすい人の特徴を紹介します。以下の特徴に当てはまる方は、残念ながらマンション経営には向いていないといえるでしょう。
準備や知識が不足している
マンション経営で収益を上げるためには、家賃の相場や物件の利回り、支払いが必要となる諸費用などについて把握しておく必要があります。どれだけ立地の良い物件でも、適切な家賃設定や保守管理体制でなければ、継続的な収益は見込めません。自分から行動を起こし、しっかりと準備をする方でなければ経営はうまくいかないでしょう。
この際に「初心者にマンション経営は無理なのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、必ずしも専門知識を全て身に付ける必要はないのです。特に、管理業務に関しては不動産管理会社に委託することで、自分の知識に自信がなくても安心してマンション経営ができます。そのためには、安価でなおかつ上質な賃貸管理が可能な不動産会社を見つけることが大切です。資金に余裕がない
マンション経営は資金的な余裕を持っていない方には不向きといえます。マンションでは必ず入居者の退去が発生します。入居者が退去した時には、部屋の原状回復のためにリフォームをしたり、設備の交換をしたりと、まとまった出費が必要です。そのような時に資金に余裕がなければ経営は困難になります。また、不足部分をローンで補おうとすると金利がかかり、さらにマイナスを大きくしてしまうでしょう。
長期的な運用シミュレーションができていない
長期的な運用シミュレーションができていない方も、マンション経営には不向きです。
入居者の平均年齢や周辺エリアの人口増減など、マンションの入室率に影響する要素は数多くあります。また、マンション購入後から時間が経過するにつれて状況は変化します。そのため、完璧に先を見通すのが難しく、時には運用方針の変更も必要となるでしょう。
そこで重要になるのが「運用シミュレーション」です。購入した物件にプラスの影響が起こった場合や、反対にマイナスの影響が生じた場合に、どのような対処をするのかを事前に想定しておくことで損失を最小限にし、利益をさらに拡大できるでしょう。目先の利益を追求する
マンション経営において、「利回りの高さ」や「物件購入時点の賃貸需要」のみを重視する方は、失敗しやすい傾向にあります。おいしい話だけを聞いてマンション経営を始めようと考える方もいるかもしれませんが、実際のマンション経営では家賃を下げることで入居率を維持しているケースは少なくありません。また、購入直後にメンテナンスが必要となるケースもあります。周辺の家賃相場や競合マンションの仕様などを確認しないままマンションを購入すれば、上記のような採算性の悪い物件を保有してしまう恐れがあります。マンションを購入する際には、目先の利益にとらわれず十分な下調べをした上で物件を選びましょう。
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では、マンション経営で失敗しないためにはどのような点を押さえておくと良いのでしょうか。ここでは、14つの対策方法を紹介します。
初期費用と維持費用を理解する
マンション経営を始める前に、必要となる初期費用と維持費用について理解しておきましょう。物件の購入費用が高額になるイメージが強いマンション経営ですが、その他にも毎年税金やメンテナンス費用がかかります。
以下は、マンション経営で必要となる主な初期費用と維持費用です。
マンション経営で必要になる初期費用
・マンションの購入費用
・ローンの事務手数料
・火災保険料
・地震保険料
・不動産取得税
・登記費用
・仲介手数料 など
マンション経営で必要になる維持費用
・ローンの返済費用
・管理費
・修繕費
・火災保険料
・地震保険料
・各種税金 など
上記を理解せずにマンション経営を始めると、想像していたよりも支出金額が多くなり、手元にお金が残らなくなってしまいます。税金に関する知識を付ける
マンション経営で得た家賃収入には、「所得税」と「住民税」が課せられます。その他にも、不動産取得時には「不動産取得税」「印紙税」「登録免許税」が課せられ、さらに毎年「固定資産税」がかかります。また、不動産会社などとの取引時に発生する消費税もあります。
これらの税金は、取引時期によっては特例を適用できる可能性があります。その場合、税金の額を控除できるため、できる限り税金に関する知識を付けた上で確定申告を行いましょう。需要のあるマンションを選ぶ
マンションは需要がなければ入居者は集まりません。そのため、マンション経営を始める際には入居者が集まりやすい立地かどうかを見極める必要があります。可能であれば地方から人口が流入している首都圏内のマンションを購入する、もしくは首都圏内にマンションを建設するのがおすすめです。また、マンションの付近に駅や大型のスーパー、公共施設などがある場合も入居者需要が期待できるでしょう。
また、マンション経営は長期的なものになるため、将来的な需要も予測しなくてはなりません。施設の移転などの情報を常に気にかけ、見逃さないようにしましょう。
物件選びの段階で失敗していた場合、リカバリーが非常に難しくなります。新築に拘らない
既存のマンションを購入するのであれば、新築に拘らないのも方法の一つです。新築マンションの場合、家賃を相場よりも高めに設定できるため収益性は高くなります。しかし、二番目以降の入居者は家賃が中古マンションと同等の価格になるのです。そのため、一人目の入居者がすぐに退去すると収益性が低くなってしまう恐れがあります。無理に新築マンションを購入したり建設したりする必要はないため、予算によっては中古マンションを経営することも視野に入れましょう。
ただし、より長期的なマンション経営をしたい場合には新築がおすすめです。家賃の下落を想定する
マンション経営にかかる諸費用は変動します。中でも家賃は下落しやすいため注意が必要です。失敗を防ぐためにも、どのような変動が起こるのかを想定しておきましょう。
家賃はエリアの再開発などがあれば上がる可能性があるものの、基本的には年々下がっていきます。特に新築物件の場合、はじめは新築プレミアで高い家賃設定が可能ですが、1人目の入居者が退去した後は中古価格となり、大きく家賃が下がります。
また、賃貸経営では常に満室の状態を保つのが難しいことから、家賃収入の見込みは空室があることを前提として考えると良いでしょう。赤字を気にしすぎない
マンション経営を始めたばかりの頃は家賃収入をローンの返済に充てるため、キャッシュフローがマイナスになる場合があります。ここで不安になる方もいますが、しっかりと入居者が確保できており、家賃収入が得られているのであれば問題ありません。一時の赤字は気にしすぎないようにしましょう。
マンション経営が成功しているかどうかは、最終的な収支で決まります。例えば、毎月の収支が黒字で経営が安定しているように見えても、ローンが残った状態でマンションを売却し、最終的な収支が赤字になってしまえば失敗です。マンションを売却するまでのすべての収支を記録して、最終的な収支が黒字になるタイミングを見計らって売却しましょう。節税効果に期待しない
マンション経営における節税効果は、あくまでも二次的なものです。物件を購入した初年度は多くのケースで名目上の収入が赤字となるため、所得税・住民税の節税につながるでしょう。しかし、経営が順調であれば次年度以降はある程度の家賃収入が発生します。そうすると、所得税・住民税の支払額が上がってしまう場合があるのです。そのため、過度に節税効果に期待して経営を始めるのはおすすめできません。
ただし、相続税に関しては投資用物件を上手に活用することで有効な節税対策となります。ローンの返済計画を立てる
マンション経営で失敗しないためには、ローンの返済計画をしっかりと立てておく必要があります。ローンは通常、家賃収入の40〜50%が適正な返済比率であるといわれています。
例えば、想定する家賃収入が月40万円の場合、毎月のローン返済額が16〜20万円に収まるように借り入れをすると良いでしょう。
また、資金に余裕がある方は、繰り上げ返済をする方法もあります。繰り上げ返済とは、元金の一部または全部を前倒しで返済することです。繰り上げ返済した元金部分に対応する金利は支払う必要がなくなります。
毎月の収支がプラスになり余裕が出た場合、繰り上げ返済をすればローンの完済が速くなります。「ローン額以上で売却ができる」という心理的な余裕にもつながるでしょう。物件の競争力を高める
マンション経営を成功させるためには、「競争力の高い物件」であることが重要です。競争力を高めることで、「入居者が決まりやすい」「家賃が下がりにくい」「入居者が長期間更新して借りてくれる」といったメリットを得られます。そのため、適切なリフォームを行い、競争力を向上させましょう。施設のリノベーションや水回りの交換では大きな費用がかかるケースもありますが、長期的に見るとプラスになります。
入居者募集時にはさまざまなアピールをする
入居者募集については、不動産会社に任せているオーナーが多い傾向ですが、オーナー自身でできることもあります。
以下は、オーナー自身で入居者を募集する方法の例です。
・チラシのポスティングを行う
・親戚、友人、知り合いに声をかける
・入居者から紹介してもらう
・公共施設にチラシを掲示させてもらう
・アプリやSNSを活用する
上記の方法は無料で試せるのがメリットです。まずはこれらの方法を試し、それでも入居者が集まらなければ、不動産会社に依頼しましょう。不動産会社に依頼すれば費用はかかりますが、専門的なノウハウを持っているため営業力に期待ができます。入居者をしっかりと選ぶ
入居者トラブルを避けるためには、入居審査の際にトラブルと縁のなさそうな人を見極めることが重要です。管理会社に任せきりにせず、オーナー自身の目でも入居希望者をチェックしましょう。契約時には入居者にしっかりとマンションのルールを伝えることが大切です。
その他の対策としては以下の方法がおすすめです。
・必要に応じて監視カメラを設置する
・家賃保証会社と契約する
・管理会社との連携
また、オーナーと入居者が良い関係を築くことも、入居者トラブルの回避につながります。管理費をできるだけ安く抑える
管理費とは、不動産管理会社に物件の管理業務を委託する場合に支払う手数料です。マンション経営をする上では欠かせない費用といえるでしょう。管理費は管理会社によって設定が異なりますが、家賃収入の5〜10%程度です。管理費をできるだけ安く抑えたい場合は、管理会社選びの時点で管理費がどの程度かかるのかをしっかりと意識しておきましょう。
また、管理費を限界まで抑えたいという場合は、自主管理という方法があります。自主管理とは、マンションの管理業務を管理会社に委託せず、オーナーと管理組合で行う方式です。
入居者募集や家賃の集金など、さまざまな業務を自分で行う必要があるため負担は多くなりますが、入退去の状況や建物の状態を自身で把握できるというメリットがあります。優良な不動産管理会社を選ぶ
マンション経営をする上で管理会社に業務を委託する場合は、信頼できる管理会社を選ぶことが大切です。特に空室が発生した際は、管理会社の力量が大きく影響します。
先にも解説したように、マンションの空室が続けばオーナーの家賃収入が減ってしまうため、迅速に新たな入居者を募集する必要があります。ほとんどの場合、入居者の募集を管理会社に依頼することになりますが、集客力の高い優良な管理会社でなければなかなか次の入居者が見つかりません。管理会社を選ぶ際は、担当者の対応や地域に密着しているかどうか、他の管理物件の入居率などを見て判断しましょう。経営が無理だと思ったら早期売却を
マンションは所有しているだけで税金や修繕費用などの維持費がかかります。また、築年数の経過と共に物件自体の価値も下がっていきます。マンション経営に失敗し、改善も無理だと感じたらできるだけ早く手放して少しでも多くの資金を回収しましょう。
売却のタイミングは、収益がプラスの時が理想です。具体的には、現在までの家賃収入とマンションの売却価格を合計した金額が、マンションの購入価格を上回っている時です。そうすることで最終的な収支を黒字にできます。-
安定した収入が得られる、管理に手間がかからない、大きな資産になる、などさまざまなメリットのあるマンション経営ですが、同時に多くの失敗事例もあります。マンション経営に失敗すると家賃収入が得られないだけでなく、収入よりも出費の方が多くなってしまう恐れがあるのです。
そのままの状態でマンション経営を続ければさらに赤字が拡大し、最終的に自己破産してしまうケースもあります。
こうしたマンション経営の失敗を避けるためには、あらかじめ必要となる初期費用や維持費用、税金などに関する知識を身に付けることが大切です。また、マンションを選ぶ際には需要のある立地かどうかをしっかりと考慮しましょう。当社でも不動産にまつわる相談を受け付けています。不動産に関するお悩み・ご相談のある方は、ぜひお問い合わせください。関連記事
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